「火、そして霧の中の信号ーゾラ」 ミッシェル・セール
寺田光徳 訳 叢書・ウニベルシタス 法政大学出版局
読みかけの棚から
読みかけポイント:ぱらぱら?
池尻大橋いとう書店で購入。この日他に見たのは、「知覚の現象学」(メルロ=ポンティ)、「段階」と「ミラノ通り」(ビュトール)、「発熱」(ルクレジオ)、フォークナーの「館」とポータブル・フォークナー編集した人のエッセー?
(2010 11/12)
ゾラと熱力学ほか
今日ぱらぱら読んでみたところのポイント(言葉自体はやや平易ながら、結構飛んでくのでムツカしい(笑))
1、ゾラの時代に隆盛をみた熱力学が、「叢書」の基礎の一つとなっている。それは、閉じた系のなかでは「真」は「真」で安定するが、エントロピー増大の為開放系にしないとある時点で壊れてしまう・・・というもの
2、「叢書」最後の「パスカル博士」では、パスカルが叢書を彩る両家の家系図を書いて考えている。その家系図の最後はパスカル自身なのだ(彼が死んだあと、母親がその家系図を火にくべる)。というところをセールは20世紀になって出てきた「観察者の存在自体が観察対象を歪めてしまう」問題の先駆だという。まあ、仮にゾラ自身がそんなこと考えてなかった(だろうけど)としても、これは魅力的な考え。
(2010 11/14)