「モンゴル帝国と長いその後」 杉山正明
興亡の世界史 講談社
モンゴル帝国…モンゴルがなくなってからもロシアやオスマンや清やハプスブルク家といった各帝国にその流れはそれぞれ受け継がれているという論の展開。
興亡シリーズって(最終巻とか例外はあるけど)基本的に1冊につき一人の著者。前に「オスマン帝国」読んだ時には気づいていなかったけど。シリーズ名がなんだかなという気がするけど、中身は新たな歴史の見方を示している、そんなシリーズかな。
(2015 04/19)
「モンゴル帝国と長いその後」中国の隨や唐も元々は遊牧民出身の王家だったらしい。インドも含め遊牧民国家の射程は結構広い。
歴史は存在するものではなく、作られる書かれるもの。
(2015 04/29)
モンゴルいろいろ
どこまで読めるかわからないけど、「モンゴル帝国と長いその後」から。
モンゴルは周りに比べて圧倒的に強いわけではなかった、と杉山氏。秘密は傭兵に頼らない結束力と、敵の情報を調べ戦わずして調略する戦略。だからホラズムでの戦いにしても、調べてきたホラズム・シャー国サマルカンドやブハラなどはすぐ堕ちたけど、あまり調べなかったアム川南側では各都市の反撃にあい退却している。
それから、「モンゴル」なる呼び名もかなり後付けのもので、取り込まれていった人々(例えばキタイ(遼))も仲間になればモンゴルになったという。明以降、これらの人々の一部が長城の北に押し戻されて徐々に「モンゴル」という民族名になっていった…
以上昨夜読んだ第3章から。
(2015 05/01)
ネストリウス派使者の旅
「モンゴル帝国と長いその後」先程までネストリウス派使者の旅の話を読んでいた。
クビライのいる中都(今の北京近郊)からネストリウス派の使者として師弟がエルサレムを目指して旅をする。フレグ・ウルス(俗に言うイル・ハン国)でネストリウス派法王の死去に出会い、なんとそのまま弟子の方が法王になることになる(もちろんネストリウス派にとっては東方を睨んだ政治的決断…ちなみにエルサレム自体には行けなかった)。師サウマーの方は今度は法王の使者としてヨーロッパへの旅へと向かう。途中エトナ山?の噴火を見たり、シャルル・ダンジューのシチリア王国の最後を見たり、ジェノバを基点にフランス・イングランド(この時代はボルドー)を回って、フレグ・ウルスに戻る。
この旅のあとくらいから、フレグ・ウルスはイスラム色を強めていき、ネストリウス派にとってはだんだん難しい局面になっていく…
6章の前半は聖王ルイの十字軍。これは自分も前に読んだジャン・ド・ジョワンヴィルの十字軍従軍記が元になっている。
(2015 05/02)
その後の世界
「モンゴル帝国と長いその後」を読み終えた。今朝読んだのは「その後」の部分。ティムール→ムガルの流れはもとより、モスクワ公国も清王朝もモンゴルの血筋を迎えて「婿どの」として勢力を拡大した。流して読んでしまったこともあり、散らばった読後感あるなあ。モンゴル帝国の部分はじっくり読めたけど…「その後」部分のみで一冊できたのでは?(出版事情その他は度外視して)
アフガニスタンとUSAは建国時期は大雑把に同じ。最盛期のアフガニスタン帝国?は今のパキスタンやイランを含む。特にパキスタンとの国境付近に跨がってバシュート族が多く住む。一方ヒンドゥークシ山脈の北側は草原遊牧民の世界。
(2015 05/03)
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