「沈黙の螺旋理論 世論形成過程の社会心理学」 E.ノエル=ノイマン
池田謙一・安野智子 訳 北大路書房
読みかけの棚から
読みかけポイント:図書館で借りて、ざっと見ただけ。ずっと気になっている本なので、いつか購入してじっくり読みたい。
◆もくじ
復刊の現代的意義―訳者前書きに代えて
日本語版第二版への序
アメリカ版への序
1.沈黙の仮説
2.調査を駆使した仮説のテスト
3.孤立への恐怖という動機
4.世論とは何か
5.意見の法―ジョン・ロック
6.政府は世論によって支えられる―デビッド・ヒュームとジェームズ・マディソン
7.「世論」という言葉の創始者―ジャン‐ジャック・ルソー
8.世論の専制
9.「社会統制」概念が形成され,「世論」概念は一掃された
10.オオカミたちが遠ぼえで合唱する
11.アフリカ・大洋州諸部族の世論
12.バスティーユの襲撃―世論と群集心理学
13.流行も世論である
14.さらし台
15.法と世論
16.世論は社会の統合を果たす
17.前衛,異端,アウトサイダー―世論を変える
18.世論伝播の乗り物としてのステレオタイプ―ウォルター・リップマン
19.世論が争点を選択する―ニクラス・ルーマン
20.公衆の注目を左右するジャーナリストの特権
21.世論には二つの源泉がある―その一つがマスメディアである
22.二重の意見風土
23.分節化機能―メディアに乗らない意見の持ち主は事実上沈黙させられる
24.民の声は天の声
25.新たなる知見
26.世論の理論をめざして
27.世論の潜在機能・顕在機能:まとめにかえて
資料 世論に関する文献研究:テクスト分析へのガイド
結びにかえて謝意を
第二版の結びとして
原注
訳注
訳者解題
引用文献
本書との関連文献
参考文献
人名索引
事項索引
有斐閣「心理学」で参考文献になっていた。著者ノイマン(2010年3月逝去)はマインツ大学の教授であり、またアレンスバッハ世論調査研究所の設立者・兼主催者でもある。世界世論調査協会の会長も務めたことがある。また1930年代に単独で日本を一周したのだとか。
「沈黙の螺旋理論」は今わかっている範囲で大まかに言うと、人にはある種直感的に多数的意見がわかる(と認識する)という。そこで、その多数意見にもともと賛同していた人はもっと声高にその意見を主張し、少数意見と認識した人は主張を遠慮し沈黙するようになる。それが加速度的に形成されるのが世論なのだという。この本の原著(今手元にあるのは第2版の改訂復刻版)は1980年なので、当時の西ドイツの政治や選挙が背景にある。
(2016 11/20)
螺旋に巻き込まれやすい人
「沈黙の螺旋理論」によると、これにより多数派に同調しやすいのは、友人などの少ない孤独な人、そして自分の意見・意識を持っていない人らしい。
(2016 11/22)