「現代ソヴェト文学18人集 1」 ザミャーチン、ヴェルショールイ、バーベリ、ヤセンスキ、プラトーノフ
水野忠夫・小笠原豊樹・江川卓・工藤幸雄・原卓也 訳 新潮社
ザミャーチン「島の人々」
ヴェルショールイ「炎の河」
バーベリ「オデッサ物語」「わたしの鳩小屋の話」「ダンテ街」
ヤセンスキ「鼻」「主犯」
プラトーノフ「ジャン」「フロー」
バーベリとヤセンスキ
昨日はバーベリとヤセンスキを読んだ。
ちょうどバーベリの子供の頃のユダヤ人迫害の回想を虫眼鏡でギュッと凝縮し裏返したようなヤセンスキの世界。ヤセンスキの「鼻」はゴーゴリの同名題の20世紀版?ということで、ゴーゴリからの引用が冒頭にある。作品内で一番のキーになるところは、実は主人公?が悪夢?から醒めて妻や子供に「もし自分がユダヤ人だったら?」と聞いて答えが返ってきた時の、主人公の感情風景かも。
(2008 07/02)
プラトーノフの「ジャン」と「フロー」
今日からプラトーノフの「ジャン」を読み始めた。って実はこの作品読むの2回目。更に実は、1回目の記憶がほとんどない(笑)。ちなみに1回目は岩波文庫で、今回は現代ソビエト文学18人集の第1巻。
ジャンとは中央アジアトルクメンの言葉で、幸福を求める魂のことをそう呼ぶ。放浪する魂と結び付いて…かな。割と現在に合う作品なのかもしれない。
(2008 07/03)
午後はプラトーノフ「ジャン」の残りと「フロー」。
「ジャン」の中央アジアの砂漠から一転し、単身赴任の夫を見送った若妻の風景画。ユーモラスな味も少しだけ加わってプラトーノフの見方を方向修正。「ジャン」もそうだが、こっちもラストに「意外な結末とまではいかないけれどちょっとした驚き」が待っている。
(2008 07/06)
ザミャーチンとヴェルショールイの記述が全くない。ザミャーチンは確かイギリス体験の話だったような。ヴェルショールイは全く記憶にない(笑)
ソヴェトも遠くになりにけり…か