「スペードの女王」 アレクサンドル・プーシキン
中村白葉 訳 新潮文庫 新潮社
明大前(松原)の大学書房で購入。「大尉の娘」とともに。
昨夜、プーシキンの代表的短編「スペードの女王」を読んだ。思わず膝を叩いてしまいたくなるほどの古典的なうまさ。巧みさ。あと、この作品の主人公ゲルマンは後にドストエフスキーが「「罪と罰」のラスコリーニコフはゲルマンを元にした」といったことで知られる。そういえば、確かに…自分の主義の為なら人を殺してもよい、と考えているところなど…
プーシキンの母方には黒人の血が流れているのだそうだ。知らなかった…
(2009 01/26)
プーシキンの作品にカルタの文字が出てこないものはない…ような印象…
河出の生活の世界歴史の「イスラムの蔭に」(前嶋信次著)を読み終えたのだが、例えば千夜一夜物語とかこの本に出ている中世イスラムの著作とか…と例えばプーシキンなどの近代小説とかを結ぶ線上には間には、いったい何があるのか?セルバンテスの模範小説集とか当てはめてみるとぴったりかも…
(2009 01/28)
補足
「ドゥブローフスキー」と「キルジャーリ」は「大尉の娘」と同じく盗賊譚。
「客は✳︎✳︎家の別荘に」と「エジプトの夜々」は未完のクレオパトラに関する作品の断片らしい(同一なのか別々なのかはわからないけど)。「客は…」の方の書き出しが、後年トルストイの「書き出しはこうなくてはあらぬ。プーシキンこそわれらの師匠だ。彼は読者をいきなり事件の中心興味へ誘ってゆく」という賛辞と、「アンナ・カレーニナ」に役立てたということに結びつく。
(2019 04/07)