#4 男性ナースはモテるのか?というお話。ナースのお仕事②〜患者さんの死に際してそんなこと考える〜

看護師をしておりますと、患者さんが治療の甲斐なく亡くなることが、ままあります。
この出だしでなぜ男性ナースのモテの話かとお思いでしょう。
完全に私見ですが、お付き合いください。

1.若い患者さんのお子さんは当然、それなりに若いわけで。

看護師3年目の秋、50代の若い女性の患者さんを受け持っていました。
肺がん、ステージⅣ。
化学療法で入退院を繰り返しておられました。
最初入院された時は妹さんが付き添われていて、一緒にレントゲンに行ってもらった記憶。
なんだかとても、美人、美形揃いの家族って印象がありました。
何回めかの入院中のある日、短大を出てすぐの保育士をされている娘さんが珍しく平日に面会にいらしていて。
患者さんが「ふみさんが今日の担当?この子、ふみさん好きなのよー」と娘さんのことを紹介してくださいました。
そういわれた娘さんは恥ずかしそうながらもにこにこ、テレビ越しに目が合って私も笑顔を返しました。
20代前半、ぴっちぴちです。
回数を重ねてお会いしていたわけでなくとも好意を持ってもらえているのは嬉しいなと思いました。
と同時に、若いのに母は余命短いのか、と複雑な気持ちになりました。

2.いよいよ最期の時。

治療を繰り返しても、変更しても、効果がなくいよいよの時が近づいてきました。
日勤で担当している間に意識レベルが下がり呼吸も変わり、橈骨動脈も触れにくくなってきました。
深夜勤務で夜中出てきたらお看取りするくらいになるのだろうなって思っていました(当時は三交代勤務)。
更衣室のシャワーを使って仮眠室で寝ていたら、22時くらいに電話ががかってきて。
亡くなったと。
受け持ちだからお見送りさせてくれるように先輩が配慮してくださいました。
急いで病棟に上がってお部屋に入ると妹さんがおられ、帰り支度を済ませてすっかり整っていて、葬儀業者待ちでした。
妹さん、某大手化粧品会社の美容部員さんらしかった。
だから美意識高そうな印象があったのか。
納得。
娘さんと一緒に、お化粧を施してくださったそう。

3.労いの言葉をかけていると意外な事実が発覚。
男性看護師、モテてる。

娘さんたちとエレベーターホールの前に居て、労いの言葉をかけていたときです。
「看護師さんたちと会えなくなるとさみしくなる」っておっしゃるのです。
妹さんが、「この子(娘さん)、(男性看護師)さんのことが好きだったのに残念」
私「え、(男性看護師)さん、嫁いるし子どももいるよ」
娘さん「えええーーーー!!!」
まあまあでかい声でした。
しかも、何度も何度も信じられない、といった様子で「ええーー!!」と繰り返す。
お母さんがつい今しがた亡くなったところだというのに、娘にとっては想いを密かに寄せていた男性看護師が既婚、しかもパパだった事実のほうがショックだった(としか見えなかった)という事実。
母親の死のショックよりも失恋のショックのでかさよ。
徐々に母は死んでいく、と受け入れができていたのでしょう。
しかし失恋は彼女にとってあまりにも突然すぎた。
しかも私の配慮に欠けるストレートな言葉で打ち切られた。

4.私個人の見解です。

未だに、事あるごとに彼はモテる。と話のネタになっています。
職場で始めて育児休暇を取り、その間の休憩室にお菓子を欠かさない配慮。
優しい、気が利く、高身長、イケメン。
男性看護師の鏡です。
モテる男性ナースは、確かに、います。
サンプル数の少なさは認めます!

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