ミドルプレスの意味(フィオレンティーナに見た、プレッシング)
20/21 セリエA 第2節
インテル vs フィオレンティーナ
~フィオレンティーナに見た、守備的プレッシング~
先日、セリエAではインテルvsフィオレンティーナという今シーズン注目されているチームの対戦がありました。その中で、フィオレンティーナは開始からミドルプレスの強度を強め、ミドルプレスによってボールを奪った所から起点に先制をしました。その後も、インテルのポジショナルプレーによる攻撃を苦しめていました。
そんなフィオレンティーナのミドルプレスはどのようなものだったのか?分析していきます。
スタメン(home : インテル)
(away : フィオレンティーナ)
結果 : インテル 4 - 3 フィオレンティーナ
( 前半 1 - 1、後半 3 - 2 )
フィオレンティーナの守備
(プレッシング)
① 開始点
フィオレンティーナはプレッシング時、主に下図のエリアでプレッシングを開始する「守備的プレッシング」を行う。
(時間帯や状況に応じてハイプレスも行っていた。)
② 陣形
陣形は、下図のような配置となり、分かりやすく数字で表すなら「5-3-2」となる。そして、中央でコンパクトに構えることで中央のエリアへの侵入を防いでいた。
③ スイッチ
この試合では、プレッシングのスイッチとなる選手は左右で非対称だった。具体的には、左サイドでは左FWのリベリーがスイッチとなり、右サイドでは右インサイドMFのボナベントゥーラがスイッチとなっていた。そして、両サイド共に相手ハーフDF(サイドのCB)の位置に立つ相手にボールが入った所を寄せていた。
④ 追い込み方
追い込み方としては、ボールをサイドに誘導し、③のスイッチを起点にサイドのエリアでアグレッシブにプレッシャーをかける。このとき、全体をボールサイドにスライドさせ、ボール周辺のエリアでマンマークとなる。
マンマークの仕方としては、WBのビラーギ(左)とキエーザ(右)が相手WBを、ハーフDFのカセレス(左)とミレンコビッチ(右)が相手FW、セントラルMFのアムラバトは相手トップ下のエリクセンをそれぞれマークしていた。また、左FWのクアメはフリーな相手中盤の選手をマークしていた。
(左サイド)
↓
(右サイド)
↓
また、インテルは下図のように人の配置が入れ代わることがあったが、フィオレンティーナは上記と同じようなプレー原則でプレッシングを行っていた。
(左サイド)
↓
↓
(右サイド)
↓
↓
この試合では、フィオレンティーナは特に前半のミドルプレス(守備的プレッシング)は素晴らしいものだったと思います。陣形をコンパクトに構えることで中央への侵入を防ぎ、ボールをサイドに誘導することで、サイドのエリアでアグレッシブなプレッシャーをかけることができる。という一般的な守備的プレッシングの原則をかなり高いインテンシティで行えていたと思いました。
しかしながら、後半ではインテンシティが落ちたのが分かるシーンがいくつかあり、結果的に逆転されてしまいました。ここが課題だと言えるでしょう。
かなり期待できるチームだと思うので今後も注目していきます。
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