プレミアリーグで見られる堅守(ウルブスに見た、自陣でのブロック守備)
20/21 プレミアリーグ 第5節
リーズ vs ウルブス
~ウルブスに見た、「5-4」のゾーンブロック~
今回はプレミアリーグ第5節に行われたリーズvsウルブスにて、リーズの攻撃を0に抑えたウルブスの堅守について分析していきます。
(home : リーズ)
(away : ウルブス)
結果 : リーズ 0 - 1 ウルブス
( 前半 0 - 0、後半 0 - 1 )
ウルブスの守備
(ブロック守備)
① 陣形
ウルブスは自陣でのブロック守備時、右FWのポデンスがMFライン(右SHの位置)に下り、下図のような「5-4」のブロックを形成する。
このとき、ブロックの縦の幅は約5~10m、横の幅(DFラインの幅)はペナルティエリアほどか、少し狭く設定する。
ここで、時間帯に応じてSHの位置に立つポデンスとペドロ・ネトのポジションを入れ換えることもあった。
② サイド
サイドのエリアでは、大外レーンのMFラインに立つ相手SBに対してはSHの位置に立つポデンスorペドロ・ネトが対応し、同レーンのFWラインに立つ相手ウイングに対してはウイングバック(以下WB)のサイス(左)、セメド(右)が対応していた。
まず、MFラインの大外に立つ相手SBにボールが入った時は、SHのポデンスorペドロ・ネトがアプローチし、WBのサイス(左)、セメド(右)は相手ウイングをマンマークする。
また、FWラインの大外に立つ相手ウイングにボールが入った時は、WBのサイス(左)、セメド(右)がアプローチし、SHのポデンスorペドロ・ネトはボールと相手SBを見ながら対応する。
つまり、サイドのエリアではSHとWBで必ず2対2の状況を作り、数的不利にならないようにしていた。
また、下図のように相手SBがインナーラップすることもあり、このときもSH(ポデンスorペドロ・ネト)がマークして対応する。
③ 中央
被ポゼッションの中で、相手アンカーにボールが渡ったときは、下図のようにボランチの位置に立つジョアン・モウティーニョあるいはデンドンケルのどちらかが必ず、縦のパスコースを消しながらアプローチしていた。
④ ライン間
MFとDFのライン間に縦パスが入った時は、ボールの受け手に対してMFラインの選手がプレスバックして寄せる。このとき、DFラインの選手は組織が崩れないようにするため、できるだけ飛び出さずにラインを維持する。
↓
リーズは攻撃時(ポジショナルな攻撃時)、サイドの大外のエリアにSBとウイングの2枚を配置したのに対し、ウルブスはSHの位置に立つポデンスとペドロ・ネトを相手SBに、ウイングバックのサイス、セメドを相手ウイングに対応させ、役割を明確にしていました。また、相手アンカーに対してはボランチの位置に立つJ・モウティーニョとデンドンケルのどちらか1枚が縦のパスコースを制限するようにアプローチするという役割も設定していました。
おそらく、リーズの攻撃を事前に分析し、最も最適な陣形と配置を選んだのだと思います。
特にゾーンを基本とするブロックを形成する場合、相手ボールホルダーに対してのパスコースの制限は非常に重要な技術になるということをウルブスの堅守から学ぶことができました。
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