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攻撃時における流動性(フランスに見た、敵陣でのポジショナルな攻撃)

2020 UEFA ネーションズリーグ 第3節
フランス vs ポルトガル

~フランスに見た、攻撃時の流動性~

 現在のサッカーでは、相手の整った守備ブロックを崩すことは非常に困難になってきていると思います。そこで、ボールを奪ったら相手の陣形が整う前にボールを縦に運び、一気にゴールまで迫るというゲームモデルを採用するチームが増えてきています。しかしながら、試合中には必ず相手の守備ブロックを崩さなければならない局面が存在します。そのため、相手の守備ブロックを如何にして崩すのかということを必ず考える必要があると思います。
 その中で、先日行われたUEFAネーションズリーグのフランスvsポルトガルにて、フランスの敵陣での組織的な攻撃(ポジショナルな攻撃)が非常に面白いと思ったので分析していきます。


スタメン(home : フランス)

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(away : ポルトガル)

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結果 : フランス 0 - 0 ポルトガル
( 前半 0 - 0、後半 0 - 0 )


フランスの攻撃
(敵陣でのポジショナルな攻撃)

① 陣形
 フランスは敵陣でのポジショナルな攻撃時、下図のような配置(数字で表すなら「2-3-4-1」)となる。

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② プレー展開 
 プレー展開としては、幅を使ってポゼッションを行う。
 このとき、下図(2枚目)の黄色エリアに立つアンカー(カンテ)、インサイドMF(ラビオ、ポグバ)、SB(リュカ・エルナンデス、パヴァール)、トップ下(グリーズマン)、FW(ムバッペ)は、この陣形を保ちながら流動的に動き、ポジションチェンジを頻繁に行う

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 ここで、試合で見られたポゼッションチェンジの例をいくつか示す。

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③ サイド
 フランスはポゼッションを行いながら、最終的にはサイドから攻撃することが多かった。
 サイドのエリアでは、下図のように全体がボールサイドに密集して崩そうとする。ここで、逆サイドの選手(SBが多い)は逆サイドのエリアに残り、アイソレート(孤立)する。また、ボールサイドの攻撃参加エリア(下図の赤エリア)では、ある程度陣形を保ちながら流動的に動き、相手のマークを外す

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 ここで、ボールサイドで攻撃が詰まってしまった場合は、逆サイドの相手の密度が低いエリアでアイソレートしている選手(SBが多い)へロングボールを送り、相手の守備ブロックを打開しようとする。

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 以上のフランスのような流動的な攻撃は、相手がマンマークを基準として守備を行っている場合には非常に有効になると思います。
 また、サイドのエリアでは、ボールサイドの密度を高めて攻撃することにより、仮にボールを奪われたとしても即時奪還を成功させる可能性が高くなります。実際に、フランスは敵陣でのネガティブトランジションの局面でボールの即時奪還を何度か成功させていました。その中でも、アンカーのカンテは危険なエリアを即時に察知してカバーする能力とボール奪取能力が非常に高く、改めて驚きを感じました。
 話を本題に戻しますが、相手の強固な守備ブロックを崩す方法はいくらでも考えられると思います。例えば、相手がマンマークベースのときは流動性を意識する、逆に相手がゾーンマークベースのときは位置的な優位性が担保される位置に人を配置する、相手の最終ラインが高いときは積極的に裏を狙うなど、、
 しかし大切なことは、やはり選手の能力を理解し、その能力を最大限に活かせるような攻撃の方法を考えることだと思います。その上で、相手のブロック守備を分析し、より最適な攻撃方法へと近づけていく。
 このようなアプローチが最も効果的であると私は考えています。


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