フットボールの面白い戦術分析します(インテルに見た、敵陣でのポジショナルな攻撃の戦術①)
19/20 コッパ イタリア
ベスト4 2leg
ナポリ vs インテル
~インテルに見た、3-4-3の敵陣ポジショナルな攻撃の戦術~
今回は、敵陣でのポジショナルな攻撃の戦術第1回目です。1回目はインテルです。
2020年6月14日に行われたコッパイタリア準決勝2legのナポリvsインテルにて見られた、インテルの面白い敵陣での攻撃の戦術を解説します。
ちなみに、ここで言う「ポジショナルな攻撃」とは単に「ポゼッション」ではなく、敵陣での攻撃の局面のことです。言い換えると「位置的な攻撃」という意味になり、ポゼッションだけのことではないということが分かります。
まず初めに、このことを頭に入れておいてほしいです。
スタメン(home : ナポリ)
(away : インテル)
① インテルは敵陣でのポジショナルな攻撃時、陣形としては下図のような3-4-3となる。
このとき、DFラインのハーフDFの位置(3バックのサイドのCBの位置)にボールサイドのセントラルMF(ブロゾビッチorバレッラ)が下りる。
MFラインでは、大外にハーフDFが上がり、中央にエリクセン(ボールサイド)ともう1枚のセントラルMF(バレッラorブロゾビッチ)が立ち、逆サイドには逆のウイングバック(WB)が立つ。
FWラインでは、ボールサイドの大外にはWBが立ち、中央またはハーフスペースにFWの2枚が立つ。
また、下図のようにMFラインの大外にボールサイドのセントラルMF(ブロゾビッチ(左)、バレッラ(右))が立つこともある。
おそらく、3-4-3の陣形を意識するなかで、トップ下のエリクセンがMFライン中央のボールサイド側に配置されるように、全体がポジショニングしているように見えた。
② 原則として、ワンサイド攻撃(片一方のサイドで攻めきってしまうような攻撃)を行う。このとき、MFラインのハーフスペース(ボールサイド)に立つエリクセンか、MFライン大外に立つハーフDF(あるいはCMF)を経由して、FWの大外に立つWBの裏を狙う。
この試合、インテルは以上のような攻撃により大外のWBからのクロスボールが目立っていました。個人的には非常に面白い戦術だと思いました。
結果は1-1の引き分けでした。(1leg勝利したナポリが決勝進出)
なお、個人的にある記事で読んだ中で、ポジショナルプレーを最大化するための配置は下図のような3-4-3であると言うことを知りました。
この図をみると、基本ポジションですでに選手たちが互いに対して異なる高さに位置しているだけでなく、前線で5つのレーンを占有するという理想的な位置取りをしていることが分かります。これはポジショナルプレーの原則でもあるのです。
つまり、今回の試合から見て分かる通り、コンテ監督は選手たちにポジショナルプレーの理想的な配置である3-4-3を意識付けさせているのだと思いました。
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