ユナイテッドのボール保持とシティのボール非保持
20/21 プレミアリーグ 第12節
マンチェスター U vs マンチェスターC
~ユナイテッドのビルドアップvsシティのプレッシング~
今回は、先日行われたプレミアリーグ第12節のマンチェスターユナイテッドvsマンチェスターシティにて見られた、ユナイテッドのボール保持の局面(ビルドアップ)とシティのボール非保持の局面(プレッシング)について分析していきます。
スタメン(home : マンチェスター U)
(away : シティ)
結果 : マンチェスター U 0 - 0 マンチェスター C
( 前半 0 - 0、後半 0 - 0 )
ユナイテッドの攻撃
(ビルドアップ)
① 陣形とプレー展開
ユナイテッドはビルドアップ時、下図のような配置となる。
プレー展開としては、後方のGKのデ・ヘア、CBのマグワイア、リンデレフ、SBのワン・ビサカ(右)、ルーク・ショー(左)でショートパスでボールを左右に動かしポゼッションを行いながら前進しようとする。このとき、ボランチのマクトミネイ、フレッジは中央のアンカーの位置でボールを受けようとする。
② サイドからの前進
ユナイテッドはビルドアップ時、ポゼッションによるビルドアップを行う中で、サイドのエリアから前進しようとしていた。
具体的には下図のように、相手SHの背後の広いスペース(下図赤色のスペース)を狙うようにトップ下ラインの内側に立つブルーノ・フェルナンデス(右)またはポグバ(左)が大外のスペースに移動し、同時に大外のSB(ワン・ビサカ右、ルーク・ショー左)を経由して相手SHの背後へボールを送る。その後、ボールサイドのボランチ(マクトミネイ右、フレッジ左)もボールに関わり、サイドから前進しようとする。
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③ プレス回避
試合で見られたプレス回避を下図に紹介する。
具体的に、サイドのエリアの少し内側でCBからボールを引き出したブルーノ・フェルナンデスがダイレクトで相手SHの背後のスペースに走り出した右SBのワン・ビサカへボールを送り、相手のプレッシャーラインを突破した。
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シティの守備
(プレッシング)
① 開始点
シティはプレッシング時、主に下図の黄色エリアがプレッシングの開始点となる「超攻撃的プレッシング」を行っていた。
※時間帯に応じては開始点を下げていた。
② 陣形
陣形は、トップ下のデ・ブライネがCFのジェズスと横並びになり、下図のようになる。(4-4-2に近い陣形)
③ スイッチと追い込み方
シティは、サイドのエリアにボールを追い込んで、そのエリアでアグレッシブなプレッシャーをかけるようなプレッシングを行っていた。
まず、相手のCBとGKがボールを保持している際のサイドへの追い込み方として、FWの位置に立つデ・ブライネ、ジェズスが相手2ボランチへのパスコースを消すように立ち、下図のようにチャレンジandカバーを行い、ギャップを通されないようにすることでボールをサイドに誘導する。
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そして、プレッシングのスイッチは大外に立つ相手SBにボールが入った時で、SHのマフレズ(右)、スターリング(左)がアプローチする。
このとき、全体をボールサイドにスライドさせ、ボール周辺のエリアでマンマークとなる。ここでマークの仕方は、大外に流れてボールを受けようとするブルーノ・フェルナンデス、ポグバに対してはボランチのロドリ、フェルナンジーニョが大外まで付いていきマークする。また、SBのウォーカー(右)、カンセロ(左)もサイドに流れる前線の相手をマークする。さらに、FWの位置に立つデ・ブライネまたはジェズスは中央に立つ相手ボランチへのパスコースを消すような立ち位置をとる。
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今回行われたマンチェスターダービーでは、ユナイテッドのボール保持の局面とそれに対するシティの守備の局面が多く見られ、予想とは少し違う試合展開になったと感じた。
まず、ユナイテッドのビルドアップについては、相手SHの背後のスペースを上手く利用するために、ボールコントロールで優位性を出せるブルーノ・フェルナンデスとポグバが予め内側に立ち、その後大外に流れるかたちでボールを受けるというアイデアは非常に面白かった。
一方、シティのプレッシングはサイドに追い込んで、そのエリアでアグレッシブなプレッシングを行うというゲームプランを採用する中で、大外に流れるブルーノ・フェルナンデスまたはポグバに対して、そのままボランチのロドリまたはフェルナンジーニョが付いていくことで、マークのズレを防ぎ、非常に強度の高いプレッシングを行うことが出来ていた。また、FWのデ・ブライネとジェズスのパスコースの限定の仕方も非常に上手かった。