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スペインで見られる堅守とサイドの崩し

20/21 ラ・リーガ 第9節
バレンシア vs レアル マドリード

~バレンシアの堅守とレアル・マドリードのサイドの崩し~

 今回は先日行われたラ・リーガ第9節のバレンシアvsレアル・マドリードにて、ラ・リーガトップクラスの守備を誇るバレンシアのブロック守備と、サイドで流動的に相手の守備を崩そうとするレアルのポジショナルな攻撃の局面における攻防が非常に面白かったので分析していきます。


スタメン(home : バレンシア)

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(away : レアル・マドリード)

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結果 : バレンシア 4 - 1 レアル・マドリード
( 前半 2 - 1、後半 2 - 0 )


バレンシアの守備
(ブロック守備)

① 陣形
 バレンシアは自陣でのブロック守備時、下図のようにDFとMFで4-4のブロックを形成する(FWも組織に加わり4-4-2または4-4-1になることも)。
 ここで、ブロックの深さは約5~10mで、幅はペナルティエリアよりも狭くする。
 また、守備の基準点はボールと味方で、味方との距離をコンパクトに保ちながらゾーンディフェンスを行う。

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② サイド
 サイドのエリアでは、基本的に3枚で崩そうとするレアルに対して、ボールサイドのSH(チェリチェフ左、ムサ右)、SB(ガヤ左、ヴァス右)、ボランチ(ソレールorラシッチ)の3枚でマンマークに近いかたちで対応する。

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 バレンシアはプレー原則としてゾーンディフェンスを行う中で、特にサイドのエリアではマンツーマンに近い対応をすることで危険なエリアに侵入する相手に対して的確にカバーすることが出来ていた。また、ペルムータ(カバーリングのカバーリング)を周りの選手が的確に行えていたと感じた。


レアル・マドリードの攻撃
(ポジショナルな攻撃)

① サイド
 レアルはポジショナルな攻撃時、幅を使ってポゼッションを行いながらサイドのエリアから攻撃を行う。
 サイドのエリアでは下図のように必ず3枚(あるいはそれ以上)がボールに関わり、流動的に動きながら相手の守備を崩そうとする。

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 ここで、レアルのゴールシーンとサイドを崩したシーンを紹介する。

【1点目のシーン】
 1点目は左サイドのエリアでSHのヴェニシウス、SBのマルセロ、CFのベンゼマの3枚で流動的に動きながらテンポよくパス交換をし、最終的にハーフスペースでボールを受けたベンゼマがシュートをした。

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【サイドを崩したシーン】
 このシーンでは、まず幅をつかってポゼッションを行いながら、右サイドにボールが出たところをボランチのモドリッチ、バルベルデがボールサイドに移動してSHのアセンシオと3枚で崩そうとする。
 その後、ハーフスペースでアセンシオからボールを受けたバルベルデが大外に移動したモドリッチの裏へボールを送り、相手DFの背後を取った。

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 レアル・マドリードのポジショナルな攻撃では、全体としての陣形の維持はあまりせず、比較的自由にポジションチェンジが行われていた。
 また、サイドのエリアでは基本的に3枚で崩そうとする中で、ボランチの2枚がサイドに移動したり、ボールサイドに逆サイドのSHが移動したりとポジショナルな関係においても自由度がかなり高いところが個人的に面白いと思った。
 このようなポジションの自由度の高い攻撃の中で被カウンターに備えるため、逆サイドのSBは低い位置にポジショニングするというタスクが与えられていたように感じた。

 結果的にはバレンシアが勝利したが、レアル・マドリードのサイドの崩しとバレンシアのブロック守備の攻防はハイレベルで非常に面白かったです。

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