妹が死んでしまった①
今年の9月。
私の大好きな妹が死んだ。
自殺だった。
まだ28歳だった。
このことを書こうと思ったのは、自分の気持ちを整理したかったのと、あの日のことを正確に記録しておきたかったから。
時間が経って記憶が薄れてしまうのが怖かったから。
少しでも忠実に残しておきたいから。
何回かに分けて、書き記していきたい。
実はこのためにnoteを始めた。
自殺ということもあって、あまり家族も公にはしていない。親しい人以外には、病気で亡くなったということになっている。
これはSNSでは書けないと思った。
でも私は、どうしても書きたいと思った。
別に誰かに見て評価してほしいということではない。それなのになんでこんなに書きたいんだろう。
記録をしておきたいという理由以外にも、何か理由がある気がするのだけど、今はハッキリとは分からない。
書きながら何か分かるのかな。
とにかく、
文字を打ってみようと思う。
私には妹がいる。
今となっては「いた」だけれど。
大好きな妹は2個下で、大人になってからもよく連絡をとっていた。実家に帰省するたびに一緒に出かけたりして遊んだ。
妹の他に、私には兄が3人いる。
それでもやっぱり同性である妹とは、兄たちよりずっと話が合うし、価値観が合うし、とにかく仲良しだった。
恋バナもたくさんした。2個下だから小中学校は被っていたし(高校は別々だったから分からない)、あの人とあの人が付き合ってるとか、そういう話で盛り上がることも多かった。
くだらない話で盛り上がって、家族の中で私たち二人にしか分からないこともいっぱいあった。例えば昔見ていたテレビのキャラクターの真似だったり、そういうくだらないこと。
私か妹のどちらかがこう言うと、もう片方がこう返す、といったような二人の中の暗黙のルールがあった。
それで二人で、よく大笑いした。
私は就職、結婚して家を出た。
妹はまだ独身だったけど、実家から出て一人暮らししたり、また実家に戻ったりしていた。
確か妹は、2年くらい前から仕事がうまく行かなくなって、そこから一気に元気がなくなったようだった。お腹が弱い子だったから、ストレスを感じるとよくお腹を下していた。いつも整腸剤を飲んでいた。
妹は明るい子だった。
面白いことを言ったり、変な動きをしたりして、よく家族を笑わせていた。今でもよく思い出せる、変な動きの妹。変な動きって口で説明が難しい、とにかく変な動き。
私に息子が生まれて、よくそれで笑わせていた。
そんな明るい妹だけど、自分のことをバカだ、頭が悪いっていうふうによく言っていた。中学校から少しずつ成績が下がって、高校は最低レベルのところに入った。たぶんそのことが彼女の自己肯定感をかなり引き下げていて、事あるごとに、自分はバカだからと口にしていた。
おちゃらけて言うこともあったけど、仕事がうまくいかなくなってからは、それを本気で言っているようだった。
ただ、
バカだ、頭が悪い
という言い方ではなくて、
自分は発達障害だ
という言い方に変わった。
自分なりにネットで調べたであろう知識をもって、私に連絡してきた。
「私このチェックリストめっちゃあてはまる。発達障害だと思う。みんなに迷惑かけてる。」
そんなふうな言い方になっていた。私は妹を発達障害だと思ったことはないし、もしそうだったとしても、それは脳の障害だから治そうとしなくてもいいし、ちゃんと生きていけると思っていた。
でも妹はどんどん深みにはまっているようだった。
仕事をやめて、一人暮らしもやめて、実家に戻ってきた妹。徐々に部屋にこもるようになった。でも私は家にいないから、詳しい状況はいつも、母を通してしか知ることが出来なかった。
②に続く。