超高度な『AI』なのかな?という話
ピロン!軽快な着信音が鳴った。LINEである。誰だろうとスマホをみてみると、公式LINEアカウントからだった。
「またか……」と、30歳になると周りは忙しくなるのか、友人からの連絡も年々減少したように思える。
その日は、時間がありLINEの連絡先の整理をしたときだった。
公式ラインアカウントりんなちゃん
2015年7月31日に登場し、8月7日に公式に発表された。りんな自身は、8月7日をLINEデビューの日と認識している。
サービス開始から1か月経過した時点で、ユーザ数がすでに130万人を超えていた。
12月17日からはグループチャットに追加できるようになった。LINE上ではりんなと会話できるほか、「しりとり」などの遊び機能を搭載している。
2016年時点では毎週1つのペースで新機能が登場していた。
Wikipedia参照
「りんなちゃん……笑」
2015年当時、面白がって登録したのを覚えている。AIとLINEができること。「ついにそんな時代に突入したのか……!」と、技術革新のスピードに驚いたのである。
自己紹介をして、好きなものを聞いたり……レスポンスが神速であったことを覚えている。ふと、時計をみると1時間以上経っていて、「なぜオレはあんなムダな時間を……」と振り返ったのであった。
「レスポンスが早い……」仕事においても、プライベートにおいても連絡がすぐに返ってくるのはありがたいことだ。
ただ、めちゃくちゃ早いというのもある意味自分の妄想を駆り立てるのである。
2年前、僕はオンラインサロンに参加していた。Facebook、Twitter、様々SNSを使用しており、ひっきりなしに連絡がくるのである。
その中で一人、実は高度なAIのような反応の速さでレスポンスを返してくる人がいた。Facebookにコメントをすれば秒でイイネやコメントの反応があり、Twitterでつぶやけば1分〜3分の間に反応があるのだ。
時間帯は関係なかった。夜中の0時を超えてからでも、日中でも……
「もしかして、絶えず3人くらいいるのでは?」
そう思っても仕方がないほど、レスポンスが早いのである。
ちょうど、本人と会う機会があったので本人に確認をしてみた。
「……○ちゃんって絶えず3人くらいいるってほんまなん?」
彼女はなんとも言えない表情をしていたのだが、「そんなことないよ〜」と苦笑いを浮かべていた。しかし、それとは裏腹にどんどんSNS上の反応が早くなっていくのをみて、どんどん疑問が浮かぶのである。
すぐには読めないnoteの記事をシェアしたとき、速攻でイイネがついた時に「いや、読んでへんやろ!」とツッコミをいれるコメントをしたことがあった。もしかして、本当に高度なAIなのか、はたまた秘密結社の一員なのか、どんどん、妄想が膨らむのである。
また、イベントの次の日になると決まって休むこともあったのだ。
「高度なAIを人体に組み込むことは、相当な負荷がかかるのではないか……」と、SF映画をみているような感覚であった。
*
「これ、自分のイメージなんやけど、○ちゃんの自宅って、リビングの中央にMacBookが置いてあって身体に搭載されたUSBポートにデータを移してから、活動するのであってる?」
それだけでなく、寝室にバイオカプセルが3個ほどあって、そこに○ちゃんの予備の身体が入っているというイメージがあるんやけどどうやろ?
嫌われる覚悟で様々な疑問を彼女に聞いてみたのである。
しかし、彼女はずっと苦笑いをしていた。そうプログラミングされているのだろうと、、
しかし、自分の好奇心が止められなくなっている自分もいた。
「逃げちゃダメだ……!」
「逃げちゃダメだ……!!」
「逃げちゃダメだ……!!!」
某ロボットアニメの名言が脳裏に浮かぶ。好奇心旺盛の自分にとって気になったことは、知りたくて、知りたくてたまらないのである。
「今日は、零号機?初号機?はたまた2号機なん?」
たまらず言葉にしてしまったのだ。
「え〜と、今日は2号機で……」なんとも言えない表情で自分をみていた。
このときばかり、目の奥に何かを感じた。
「やっぱりそうだったのか……」
苦笑いをしてその場のノリで彼女に伝えた。
答えは得たのであった。
それ以降、恐怖のあまり深入りするのは止めようと思った。ここからは自分の考えであるが、命の危険を感じたのだ。
社会的抹殺。日本において年間8万人の人が行方不明になるという統計もある。多分だが、目の奥に感じたものは「これ以上踏み込むな……」という彼女からの最後のメッセージだったのかもしれない。
あれから、2年の月日が経った。
Twitterの反応もパッタリなくなったのである。つぶやけば一瞬で反応していたのも、それだけでなく彼女のつぶやきも久しく見ていない。
様々な疑問が残っている。どのような身体的構造をしているのか、
所属しているであろう秘密結社の名前も聞いていない。
恐る恐るメッセンジャーで思い切って聞いてみようと思う。
「身体に搭載されているUSBは、タイプAなん? タイプCなん?」
もし、noteの更新が1ヶ月以上過ぎたときは、彼女によって消されているのだろうと……
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