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金曜日「絵本たちのいるところ」 2021.2.26/譜面合間日誌(平日)

~「どんぐりと山猫」の段~

こんにちは。
「譜面合間日誌」金曜日担当の河﨑です。

突然ですが、みなさんは山はお好きですか?
私は根っからのシティーヒューマンではありますが、山は海よりもはっきりと季節を感じることができるので山は結構好きです。

そんなわけで今回紹介する作品はこちらです。

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©︎小林敏也


「どんぐりと山猫」
作:宮沢賢治 画:小林敏也
出版社:パロル舎
発行年:1979年


あらすじは以下の通りです。

「おかしなはがきが、ある土曜の夕方がた、一郎のうちにきました。

「あなたは、ごきげんよろしいほで、けつこです。
あした、めんどなさいばんしますから、おいでんなさい。
とびどぐもたないでくなさい。 山ねこ 拝」

翌日、一郎はわくわくしてでかけていきます。
谷川にそった道を、木や滝に、山ねこが通らなかったかと聞きながらのぼっていくと、暗い森のなかのぱっと開けたところに出ました。そこは、うつくしい黄金色の草地でした。
草は風にざわざわ鳴り、立派なオリーヴいろのかやの木の森でかこまれた場所のまんなかに、背のひくい、おかしな形の男が、手に革鞭(かわむち)をもって立っています。
山ねこの馬車別当と名乗るこの男と、一郎が言葉を交わしていると、どうと風が吹き山ねこがあらわれました。
そして足元には、数えきれないほどの黄金色の円いどんぐりが。
どんぐりたちはわあわあとくちぐちに「だれがいちばんえらいか」を叫んでいるのです。
「あなたのお考えをうかがいたい」と意見を求められた一郎は……?」

(出典:https://www.ehonnavi.net/ehon/105978/どんぐりと山猫/)

本作品は、私が一人暮らしを始める際に実家から持ち出した絵本数冊のうちの1冊です。

宮沢賢治特有の擬音表現は本作も健在。
きのこは「どってこどってこ」と楽隊をやり、革の鞭は「ひゅぱちひゅうぱち」と鳴り響きます。

これまで宮沢賢治作品を私はいくつも嗜んできましたし、それに伴い宮沢賢治作品に関する挿絵も比較的多くの数見てきましたが、小林敏也が手がける『画本 宮澤賢治』シリーズが私にとっての宮沢賢治の世界であり、今なお私の想像力の源であります。

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©︎小林敏也


今回、この「どんぐりと山猫」についての記事を執筆するにあたって手元にある絵本の出版社等を調べたところ、この絵本を出版していたパロル舎は2011年に倒産しており、『画本 宮澤賢治』シリーズは2013年より好学社がシリーズの復刊を行なっているらしい。
つまり、私の手元にあるパロル舎版の「どんぐりと山猫」は市場ではほとんど流通していないバージョンであるということが判明したわけであります。

これまでも大切にしてきた本作ですが、これまで以上に大切に思いを馳せていきたいと思う所存でございます。

それでは。お元気で。
良い週末を


【今週の何か】
先週の木曜日(2021/2/18)から急激にBE@RBRICKにハマりましてわずか1週間で15体も集めてしまいました。

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