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エフェクターの電源について
こんにちは!大食い系YouTuberの国武 卍丸です。皆様いかがお過ごしでしょうか?私はコロナワクチン 4回目の接種(天然もの)が完了し、10日間の夏休みを頂きました。その間は積み上げた本を読んだり、フジロックのYouTube生配信を観てリフレッシュさせて頂きました。ありがとうございます。早速ですが、今回はエフェクターの電源について解説したいと思います。先日、"サマードレス"こと"アンビエント王子"ことマイメン フナハシ君とスタジオでバンドの練習をしていました。すると彼がギターのセッティング中にエフェクターを眺めて不思議そうにしてました。
舟「このエレハモのリングモジュレーター壊れたかもしんない。」
国「うん?」
舟「見てて?エフェクター踏むじゃん。ランプ付くけど5秒後くらいに消えて、使えないんだよね。」
国「うん???」
私は生業上、少し電気工学をかじっておりまして、このエフェクターの挙動を見て故障はないと判断しました。私の直観がそう言っています。これに関しては経験です。そこからはトラブルシューティングの開始です。
まず前提条件として、エフェクターは”アナログ系”と”デジタル系”に分類できます。”アナログ系”は歪回路などシンプルな回路になっており、消費電流が小さいです。(数m~数十mA 程度)
◆参考:BOSS BD-2 ※HPより抜粋
”デジタル系”はマルチエフェクターやシュミレートといった、要は内部に小さなパソコン(マイコン)を積んでるような物でして、演算処理で消費電流が大きいです。(数百mA 程度)
◆参考:BOSS GT-1 ※HPより抜粋
エレハモのリングモジュレーター 正式名称 "Ring Thing" は、”デジタル系”のエフェクターに分類されるため消費電流が大きいということになります。ちなみに実際のブツがこれ。
参考に仕様も載せておきます。海外製は日本語翻訳してないパターンも多いので注意が必要です。粘り強く探しましょう。読んでみると消費電流は190mAでした。
◆参考:EHX Ring Thing ※マニュアルより抜粋
次にパワーサプライに着目します。使用していたのがこれ。フリーザトーン製 "PT-3D"。実際のブツがこちら。黒い筐体がとてもクールです。
電源を供給する端子を見てみましょう。何かヒントが隠されていそうですね。赤線の箇所に着目しましょう。
勘がいい人なら既にお気づきかもしれませんが、まだまだ続けます。付いてきてください。足りない頭をフルに活用してください。
まずこのパワーサプライがどういう思想なのか、どういう設計なのかチェックしましょう。
◆参考:フリーザトーン PT-3D ※マニュアルより抜粋
左の6端子が”ローノイズ・スタンダード”出力端子・右の2端子が”アイソレーテッド”出力端子 みたいです。赤線の箇所に着目してください。要約すると、”ローノイズ・スタンダード”出力端子は”アナログ系”で使ってね。”アイソレーテッド”出力端子は”デジタル系”で使ってね。と謳ってあります。はい、答えが出ました。フナハシ君は最初、下図の通り接続していたんですね。
で、私が助言して下図の通り接続変更しました。
これで”Ring Thing”は正常動作して事なきを得ました。チャンチャン。
ここからは、もっと理解を深めたい人だけ読んでください。技術的に深堀していきましょう。ちなみに”PT-3D”の回路図を読んだわけでもないし、中身をバラしたわけでもないので推測で話しています。そう読み取れるという話です。では引き続き、マニュアルの<ご注意>の箇所を読んでみましょう。着目すべき点に赤線を引いております。
◆参考:フリーザトーン PT-3D ※マニュアルより抜粋
各端子に電流検知回路があり、”アイソレーテッド”出力端子は独立しているという点を纏めるとイメージ的にはこうなります。※ここから先の回路図で見づらい箇所はPDFをダウンロードして閲覧下さい
そもそもアイソレート(分離)とは何か?”アイソレーテッド”出力端子とレギュレーターの関係を見てください。1:1の関係にあります。この回路が独立しているため低ノイズにできると謳ってあります。
【アイソレーテッド出力回路】
逆に”ローノイズ・スタンダード”出力端子を見てみましょう。レギュレーター1個に対して、出力端子が6個あります。1:6の関係です。この回路には”ノイズフィルター”が2段階で載っていると記載があります。一応、ノイズ対策を施しているそうです。
【ローノイズ・スタンダード出力回路】
これらを踏まえて今回の事象を整理します。まず”ローノイズ・スタンダード”出力端子に”Ring Thing”を接続します。エフェクターをONにすると190mAの電流が流れます。
【ステップ1:エフェクターON時】
出力端子の電流検知回路が過電流を検知し、回路からエフェクターを切り離します。
【ステップ2:パワーサプライ回路から切り離し】
こういった事象が起きていたと推測できるわけですね。スタジオに入って、「エフェクターおかしいな?」「アンプおかしいな?」と言っている人を散見しますが、基本的にはメーカーの設計通り使って下さい。としか言いようがありません。まあ餅は餅屋なんで仕方がない部分はありますが…
今回の件を”サマードレス”こと”アンビエント王子”こと マイメン フナハシ君にLINEで説明してあげたところ、「電子系の知見がないから助かった。」との返答があり、少しは役に立てたかなと思います。続けざまに「自分が高校生の頃は、ダイナソーJrのギターソロをコピーをしていた。」との追記があり、ギタリストたるものこうじゃなきゃなと思いました。その晩、ダイナソーJrを聴きましたが、全然よく分かんないので、気を取り直して”石原希望”ちゃんのAVを観て就寝しました。”石原希望”ちゃん、いつもお世話になっております。今後ともよろしくお願いします。
また、”サマードレス”こと”アンビエント王子”こと マイメン フナハシ君と一緒に作った音源 「Bloom E.P」下記から購入できますので、是非ご購入下さい。
音源発売に伴い、名古屋でのライブも予定しておりますのでこちらも要チェックでお願いします。
それではまたの!シーユー( ^^) _U~~