【PCゲーム】フレーム生成って何?(2024/9/30最新版)
Monster Hunter Wildsが発表され、PCの推奨スペックも公開されて「フレーム生成」という機能が注目され始めました。フレーム生成自体は2022年あたりに発表され、新作タイトルや既存タイトルのアップグレードに追加されるようになりました。この記事では、この「フレーム生成」機能がどのようなものなのか、メリット・デメリットについて解説します。
※過去のバージョンについての説明は省きます。
※2024年9月30日現在の情報となります。
どういう機能?
文字通り、フレームを生成してくれる機能です。AIを利用して、フレームとフレームの中間を予測して差し込んでくれます。それにより、フレームレートが2倍になります。3倍4倍になるツールも存在しており、後ほど紹介します。
低解像度をAIによるアップスケーリングで高解像度に変換する機能の一部として登場し、当時は高解像度機能と併用しないと利用できませんでしたが、現在ではフレーム生成機能だけ利用することが可能になりました。
主にNvidiaのDLSS、AMDのFSRとAFMF、Lossless ScalingのLSFGの3種類あります。ゲームがどのツールのどのバージョンに対応しているかは「PCGamingWiki」というサイトで調べることができます。
メリット(共通)
フレームレートが上がります。ゲーム側で60fpsなどに制限されていたり、スペック不足で出ない場合でも上げることができます。例えばフルパワーで120fps出すよりも、60fps制限でフレーム生成をオンにして120fpsを出すほうがGPU使用率は抑えられます。ただしフレーム生成を利用するのにもGPUは多少使うので注意が必要です。フルパワーで60fpsしかでないゲームでフレーム生成を利用すると、120fpsより下回る100fps~110fps程度になります。
デメリット(共通)
フレーム生成は前後のフレームをレンダリングしてからその中間を生成するため、遅延が発生します。元のフレームレートが高いほど遅延は抑えられますが、アクションゲームなどでは操作感に影響が出ます。
また、生成されるフレームにゴミのようなブレが生じる場合があります。これはバージョンによって改善されたり、ゲーム側の最適化で軽減されたりします。技術者ではないのでこれは推測ですが、UIごとフレーム生成をかけるとUIがブレやすくなると思います。フレーム生成をかけてからUIを後でのっけるような仕組みにしているゲームはブレがないように思います。
DLSS
Nvidiaが開発したAIテクノロジーです。ゲーム側が組み込んでいて、かつRTX40シリーズを搭載しているとフレーム生成が利用できます。
DLSS3
初めてフレーム生成(Frame Generation)が搭載されたバージョン。低遅延技術であるNvidia Reflexも組み込んである(フレーム生成をオンにすると自動でオンになる)。3以降はRTX 40シリーズのみ対応している。
DLSS3.1以降
3よりパフォーマンスを改善したバージョン。3.5でレイトレーシングの強化(レイ再構築)、現在は3.7が最新であり、バージョンが新しくなるごとにAIが強化されている。
メリット
フレーム生成においては独自のメリットはあまりありません。
超解像度技術においては、RTX40シリーズに搭載されているNvidia独自の第4世代Tensor コアを使用するためか、他と比べて品質は良いです。アンチエイリアスとして使うならFSRのネイティブAAよりもDLSSのDLAAの方を利用したほうが良いでしょう。
デメリット
共通のデメリットとして挙げた生成する際のブレがDLSSのフレーム生成は多いと感じています。実際、「Ghost of Tsushima」では、DLSSだと左上の文字の周りにブレが生じるが、FSRに切り替えると全く生じないです。ただ、ブレないゲームもある(「Ghostrunner 2」や「The Witcher 3」など)ので、もしかしたらゲーム側の組み込み方に問題があるのかもしれません。
![](https://assets.st-note.com/img/1727694072-pRDyMCgzqBNOGA6IPE2ln7d0.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1727694103-fdBN2PYn7kAZmFXyJzCvua40.png)
Ghost of TsushimaでDLSSフレーム生成をオン。カメラを回転させるとこのようにHUDがブレブレになる。
FSR
AMDが開発したAIテクノロジーです。オープンソースなので多くのタイトルで採用されています。
FSR 3
初めてフレーム生成が搭載されたバージョン。Radeon RX 5000シリーズ以降かRTX 20シリーズ以降が対応している。
FSR 3.1
3よりパフォーマンスを改善したバージョン。超解像度機能とフレーム生成が切り離されており、フレーム生成のみでの利用が可能になった。
メリット
DLSSとの比較になりますが、ブレが生じにくいのと、GPU使用率が少し低いためフレームレートが少し高くなりやすいです。
デメリット
DLSSのデメリットとして挙げたHUDの問題が、FSRではおそらくフレーム生成した後でHUDをのせることでブレをなくしているのですが、これによるデメリットになります。例えば60fpsの映像でフレーム生成を使用して120fpsでプレイしている状況を想定します。カメラを動かすとフィールドは120fpsで動いていますが、HUDは内部的には60fpsのままです。画面に固定で表示されているHUD(体力バーやミニマップ等)はあまり動かないので気にはなりませんが(厳密に言うとミニマップは回転したり移動するので気づくかも?)、NPCの上にアイコンが表示されるタイプのHUDは、カメラやキャラの移動に合わせて動いているので、アイコンだけ60fpsで動き、その周りのNPCやフィールドは120fpsで動きます。これによって、「アイコンだけカクカクしてて気になる…」という現象が起こります。これは自分自身が最近気付いたことで、FINAL FANTASY XVIは、フレーム生成ありで90fpsで動かしているため、HUDは45fpsとなり、結構気になります。
(上の動画では、元30fpsのフレーム生成で60fpsにしています。)
AFMF
AMDが開発したテクノロジーで、FSRと違ってゲームが対応していなくてもドライバー側でフレーム生成できるのが特徴です。
Radeon RX 6000 および 7000シリーズのGPU、または、700MベースのAPUの搭載が条件となっています。自分はRadeonのGPUを持っていないため実際の使用感は分からないため詳しくは説明できません。。。が、恐らく次に解説するLossless Scalingと同等の機能だと思います。AFMFに関して詳しく知りたい方は別の投稿者様のブログ等をご覧ください。
AMD AFMF 公式ページ
Lossless Scaling
海外の方が作ったツールです。現在Steamにて800円で販売中です。基本どのゲームでも、ウィンドウフルスクリーンモードに対応していれば使えます。オンラインゲームなどで使用する場合は、外部ツールとなるのでBANされる可能性があります(問題ないような気もするが)。心配な方は、オンラインゲームでの利用は控えるかオフラインモードで利用することをおすすめします。
メリット
2倍~4倍のフレーム生成が可能です。
このツールが一番条件がゆるく、性能が足りているならどのGPUでも使用可能です。
ゲームがHUD含め全部レンダリングして、一番最後にフレーム生成をかけるといった方式ですが、DLSSのようなHUDブレはほぼ発生しません。
さらに、ゲームだけでなく、YouTubeなどの動画にも適用することができるので、かなり汎用性が高いです。
【追記 2025/1/11】
最新バージョン(LSFG 3.0)では、倍率をカスタムできるようになり、最大20倍まで設定することができます。(もちろん高い倍率ほど品質は落ちますが)
デメリット
HUDブレはないですが、画面の動きが速いと崩れやすいです。
![](https://assets.st-note.com/img/1727701065-QkmhYNFU1HbjwITptWRK5SGd.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1727701085-BP1WAunvzL8f7i6RlohJDMGd.png?width=1200)
ただ、通常のゲームプレイでカメラを全回転させることはほぼ無いし、自分は龍が如くの3~5を上限60fpsのフレーム生成3倍の180fpsでプレイして、ほぼ支障なく出来ているので、こういうゲームにはかなり向いていると思います。
あとは、800円払えるかどうかですね。60fpsから180fpsはプレイ体験がかなり良くなるので、この値段でも買う価値は十分にあると自分は思います。
【追記 2025/1/11】
最新バージョン(LSFG 3.0)では品質がかなり向上しており、頭がブレることはほぼ無くなりました。
まとめ
以上、4種類のフレーム生成機能の解説でした。最近は重量級のタイトルにフレーム生成が対応していることが多くなり、標準的な機能になっていくと思います。ぜひ、ゲーム体験を上げる1つの手段として使ってみてはいかがでしょうか。
今後、新たなアップデートなどが来たらその都度更新していこうかと思っているので、ぜひチェックしてみてください!