『プロレス』発言について、ガチプヲタがしつこいくらい考えてみた
ここ数日『プロレス芸』というワードがトレンドになっていたようだ。
とある議員が、デマが流れたことについて『アンチのプロレス芸』と表現したことにより、プロレスファンだけでなく、プロレス関係者からも総バッシングを受けたという話だ。
はじめは「そういうつもりじゃない」とやんわり否定していた当事者も、公式のプロレス団体が正式に本人と党に抗議書を出し、当事者が謝罪をしたことで、すぐに沈静化された。
この、抗議文⇛謝罪⇛「もうこれで終わりにしよう」までのスピードは、さすが新日本プロレスのオーナー、木谷さんだなと思った。
おそらく謝罪や訂正が目的ではなく、沈静化が目的なのだろう。
意図通り、議員へのバッシングは落ち着いたかのように感じる。
しかし、個人的に腑に落ちないのはこの『プロレス芸』というワードについて。
今回に限らず、度々バラエティ番組や国会で言われるワードである。
プロレスガチファンとしては、嫌悪感よりもなんでここで『プロレス』と使うのだろうと純粋に思う。
ということで、今回はこの『プロレス』のワードについて、そして代替ではどんな言葉があるのかをしつこいくらいに考えてみた。
■みんなが持ってる『プロレス』のイメージ
まずは、バラエティ番組などで比喩表現として言われる『プロレス』とはどういう意味なのか、インターネットで検索してみた。
簡単に言うと、「段取り通りの喧嘩」「お約束の言い争い」といったところか。
個人的解釈としては、90年代のバラエティ番組によくあった、プロレスラー スタンハンセン選手の入場曲に合わせて、てんやわんやの乱闘がされるイメージを『プロレス』と言っているように思う。
スタンハンセンの入場曲
↓
おそらく、プロレスに興味のない人々にとっては、プロレスとは、ヤラセの茶番劇というイメージなのだろう。
…こういった書き方をするとトゲがあるなぁ。
「喧嘩ごっこ」か? 下手な台本の喧嘩寸劇? どれもトゲがある。難しい。
■リアルの『プロレス』
私は、いわゆる「ガチオタ」勢と言われる部類に入るだろう。
年に4回以上はプロレスを見に行き、一回は必ず県外へ遠征する。
コロナ前は、英語も話せないのに、プロレスを見るという目的で、ニューヨークまで一人旅をした。
そんなガチでオタな私にとって、『プロレス』はあまりに大きなくくりのワードに聞こえる。
なので、今回の「プロレス芸」の発言についても、怒り以前に当事者の言いたいことが伝わらなかった。
世界一大きな団体と言われるWWEは、そこで行われるプロレスを「ショー」だと公言している。
技よりもストーリー重視、リング内外で行われる因縁関係が、リングの上で決着がつくという大体流れで展開される。
台本が存在し、レフェリーが試合の流れを操作している、というのは、20年ほど前に公開されたドキュメント映画でWWE自身が公言している。
他方で、収入が世界3位の団体である新日本プロレスは、自身のプロレスを「キングオブスポーツ」と唄い、台本の存在なども公言していない。
有名な2団体を取り上げるだけでも種類が違うプロレス、団体の数だけプロレスはあり、比喩で『プロレス』と言われても、何を言いたいのか伝わらない。
例えるならば、ある物体を見て「ボールみたいな大きさだね」と言われているようだ。なんのボール?なんのプロレス?
■ワタシ的解釈の『プロレス』
あくまで個人の意見になるが、総じて『プロレス』というと、
「エンターテイメント✕アクロバティック格闘技」になる。
プロレスは『受け』の美学と言われる。基本的に相手の技は避けず、正面から受ける。そうすることにより、相手の技が際立つからだ。
また、「やられてもやられても立ち上がる」美学もある。
技をくらい、倒れ、3カウント目をコールする直前で立ち上がるときに、観客のボルテージは上がる。2のタイミングで余裕を持って起き上がることはあまりない。
観客は、勝ち負けとともに、試合の流れや質も重要視する。
「負けたけど良い試合だった」
と敗者を称えるのもプロレスならではだろう。
この部分だけを取り上げると、ヤラセと捉える人もいるだろう。
勝ち負けにこだわる格闘技やスポーツとは少し違うかもしれない。
しかし、その一つ一つの技は、一般人ではできない超人的なものである。
第一それくらいのレベルでないと、大の大人が「ガチオタです」と公言するほどハマったりしない。
■代替ワードはなにか
では、今回使われたような意味のことを『プロレス』以外の比喩表現を使うとすれば何があるだろう。
『茶番』が一番近い意味だと思うが、恐らくウィットに飛んだおしゃれな比喩表現を使いたいのだろう。
・・・難しい…。ちなみに上の文から10分以上考えたがでてこない。
■他の芸能関係比喩表現
芸事を比喩表現で例えることばには『狂言』という言葉もある。
比喩表現としての『狂言』を調べたところ、下記の意味が出た。
では、人を騙す意図を持って行われた行為を『狂言』といって、今回のように関係者やファンが目くじらを立てるのか。
恐らくないだろう。
『プロレス』と何が違うのか…。わからなくなってきた。
少し違うが、プロの役者が行う演劇やドラマを見てネガティブな感想を言うときに「学芸会レベル」という表現もある。
それを聞いて「学芸会をバカにするな」という人がいるのか。それもないなぁ…。
関西に住んでいると、コミカルなことをする子供に「吉本に入ったら?」ということもある。それに対して「吉本だけがお笑いの事務所じゃない」というのk…、いややめよう、きりがない。
■ドツボにはまったから無理やりしめる
結局ここまで書いてみて、完全にオチ迷子状態に陥ってしまった。
これ以上続けても多分埒が明かないので、無理やりしめることにする。
とり合えず私が一番言いたいのは、
「プロレス、一回見てみたら印象変わるから、ぜひ見てね」
である。