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歯の奥に大きなクラブハウスができた

部屋を掃除していたらクラブハウスが出てきた。懐かしいものに触れると、時間を忘れて過去に思いを馳せてしまう。クラブハウスを開くと、校長先生と目が合った。校長先生の話は長くて、よくクラブハウスの話をしていた。校長先生の奥さんは駅前のクラブハウスを運営する店長さんらしくて、よく集会でも生徒の前で話していた。

歯の奥に何か挟まっていると思ったらクラブハウスだった。歯医者さんに行ったら歯科衛生士さんに「大きなクラブハウスができてますね~」って言われた。「放っておくとまずいですか?」と聞くと、今すぐ除去したほうが良いとのことだったので、その場で取り除いてもらった。帰り際にクラブハウスのガムを貰って歯医者を後にした。

今日は待ちに待ったクラブハウスの日だ。ドキドキとワクワクを胸に抱えて電車に乗った。待ち合わせ場所のクラブハウスに少し早めに着いたので、めちゃくちゃカッコ良い待ちポーズを考えていた。すると「ごめん、待った~?」とクラブハウス風の掛け声が聞こえてきた。どこ行こうかと僕が尋ねるとクラブハウスで洋服が見たいと言うので、一緒に手を繋いでコンクリートを踏みしめた。

「次の方どうぞ」スーツを身にまとった私はドアを軽くノックして部屋に入った。御社のクラブハウスに共感いたしました、と鋭い口調で言葉を放つ。緊張の時間が流れるなか、休日は何をしていますか?という質問に対し「クラブハウスをしています」と答えると、面接官の目の色が少し変わった気がした。私のクラブハウスが幕を開けた。

明日はテストなのに全然勉強していない。だから今日はクラブハウスを飲んで頑張るつもりだ。テストが終われば友人とクラブハウスに行こうと思っている。たくさん声を出してストレスを発散しよう。そういえば先月リリースされたクラブハウスの新曲も歌いたいから練習しようかな。

最近クラブハウスというアプリが流行っているらしい。音声配信ができるSNSらしく、自由に配信を聴いたり参加したりできるとのこと。クラブハウスに参加するには誰かに招待してもらわなければならず、友達が少ない私にとってはハードルが高すぎる。いつかスマホのホーム画面にクラブハウスがあることが当たり前の日常になるのだろうか。

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