【CIX考察】458 MV・WISH LIST
前回の考察はこちら↓
黒猫の映像の続き、煉獄登山の始まりです~~！
458 MV
458のMVは、5人が煉獄山を登っていく様子を描いています。
煉獄も地獄と同じように罪に対して罰が与えられる場所ですが、地獄とは違い、罰を受けて罪を償えば天国に行ける仕組みになっています。
MVが始まると、黒い羽が生えた女性が映ります。
これは煉獄山の途中でダンテが出会った、セイレーンという半人半鳥の怪物を表していると思われます。
また、セイレーンの名前の語源である「Seirazein」は「紐で縛る」という意味を持っています。
セイレーンと同じ場面で映るヒョンソクも、名前の語源のように紐で縛られていました。
美しい歌声を持っていたセイレーンは、その歌声によって船人を惑わせ、遭難や難破に遭わせる、つまり人を誘惑する存在だったそうです。
このシーンから、ヒョンソクが"何か"に誘惑されていることがわかります。一体何に心を惑わされ、悪い道へ誘い込まれているのでしょうか。
ジニョンは鷲と映っていました。
鷲は視力が非常に良いことから、聖書では洞察力に長けた生き物として扱われています。
"何かに気づいた"ような描写が多いジニョンを、鷲の特徴で表現しているようです。
目といえば、ジニョンの目が光に照らされる描写もありました。
ダンテも同様に、煉獄山で眩しい光を目にしています。
この光は、手で遮ることができないほど眩しかったそうです。
神曲では光の正体を、"神の霊"と表現しています。
神の霊は自分自身が出す光で姿を隠しながら、上に向かうための道を示してくれる存在でした。
CIXの物語で神の要素を持っているのは、WAVEで考察した通り、イエス・キリストの十字架が関係しているスンフンです。
スンフンにも光で姿を隠しているようなシーンがありました。
また、スンフンに真っ白の背景が多かったのも、光を連想させるためかと思います。
ジニョンの目に関するシーンには、光が当たっていない時もありました。
光が当たっていないので、このシーンは神の霊の場面とは違う意味を持っていると考えられます。
煉獄山では「嫉妬の罪」を浄化するために目蓋を針金で縫われる罰があります。
上記の画像のジニョンは、目を押さえて苦しそうにしているので、光が当たっていない時はこの罰を表していると推測できます。
今後、「嫉妬」というワードがジニョンの物語に関わってくるかもしれません。
鷲の話に戻りますが、鷲は優れた洞察力を表すだけでなく、イエスの使徒であったヨハネのシンボルでもありました。
458のMVでは、ジニョンとスンフンが関わり合っていそうなシーンがよく出てきます。
イエス的な立場のスンフンと、イエスの使徒ヨハネのシンボルである鷲を持つジニョン。
鷲を用いることで、2人がイエスとヨハネのような関係であることを示しているようにも思えます。
ヨンヒの顔には蝶がとまっていました。
神曲では蝶について、"さまざまな欲望に邪魔されずに、神のいる場所(天国)に向かって飛ぶ魂"だと述べられています。
また、キリスト教では"復活"の象徴としても伝えられています。
このシーンは、ヨンヒが昏睡状態から目を覚まし、ヨンヒにとっての天国(5人がバラバラになる前)に向かうことを示唆しているのではないでしょうか。
スンフンには光の描写だけでなく、スンフンの周りを他のメンバー(人)が素早く動くようなシーンがありました。
これは「怠惰の罪」を浄化するために煉獄山の道を走り続ける罰を表現していると思われます。
神曲の世界での"怠惰"とは、"愛に対する判断力が鈍く、善を行う心掛けが中途半端"ということです。
スンフンがこの罪に関わっているかはわかりませんが、前回に引き続き"愛"について言及されています。
ヒョンソクにもセイレーンの話とは別のシーンがありました。
背中に白と黒の羽根が混ざったような羽が生えているヒョンソク。
白い羽の天使は天国に導く存在ですが、黒い羽の天使は罪を犯した天使、つまり堕天使を指します。
白と黒の羽を持つヒョンソクは、天国へ導く存在でありながら、罪を犯した存在でもあるのでしょう。
天使の羽はビョンゴンのシーンにも出てきました。
ただし羽が生えているわけではないので、ビョンゴンは天使ではありません。
ビョンゴンの隣にある羽は、黒い羽根が抜け落ちて真っ白(天使)になったヒョンソクの羽で、ヒョンソクが天国に導きに来たことを表していると考えましたが、根拠がないので断言はできません…
ちなみにMVの終盤では、ジニョンの後ろに真っ黒の羽が出てきます。
ジニョンはJungle(地獄)で一番重い罪だったので、羽が真っ黒なのだと思います。
他にもジニョンと鷲の場面など、458のMVは羽の描写が多いですが、正直どのような意味を持っているのか明確にできないところだらけです…
神の霊であるスンフンが映った後、ジニョンの目が照らされ、ヨンヒが映り、ジニョンが羽の生えたヒョンソクに耳打ちします。
この流れ、現実世界の彼らに何か関係がありそうです。
Ratto, ratto, che ’l tempo non si perda per poco amor
訳)早く、早く、欠乏した愛のために、時間を無駄にしないように
ヒョンソクの背中には、「怠惰の罪」に対する罰を受けていた人物の言葉が書かれていました。
罪を浄化すれば天国に行くことができる煉獄ですが、タイムリミットがあります。
制限時間内に贖罪し終えなければ天国には行けないので、彼らは急いでいるのです。
高校生である5人の時間も有限です。バラバラのまま卒業の日を迎えてしまえば、きっとその先で元の関係に戻ることはないでしょう。
そのため、いち早く元に戻れるように行動を起こさなければなりません。
煉獄の最後の関門は炎です。炎をくぐると煉獄山の頂上に辿り着けます。
MVも最後の方で炎の描写になっていました。
5人は最後の関門を突破し、煉獄山の頂上に到着します。
煉獄山の頂上はエデンの園と呼ばれる楽園になっており、そこではルシファーという天使が楽園を守っていました。
MVで5人が見上げていたのもルシファーだと思われます。
ルシファーは神に逆らったことでエデンの園から追放され、地獄に堕ちてしまったそうです。
MVのルシファーが泣いているように見えるのは、地獄に堕ちたルシファーの泣いている様子からきたものだと思います。
ルシファーの下には祈りを捧げる人たちがいました。
煉獄にいる人は、現世の人々の祈りによって、より早く天国に行けるようになると言われています。
ルシファーの下で祈りを捧げているのは、現実世界の5人かもしれません。
ここまでが458のMVの考察になります。
このまま個人ティーザー冒頭の文章と、458が収録されていたアルバム「'OK' Episode 1 : OK Not」に封入されていたWISH LISTの訳も載せておきます。
※個人的な意訳なので、誤訳・解釈違い等あるかもしれませんが、ご了承ください
ビョンゴン
Hence thou mayst comprehend that love must be
The seed within yourselves of every virtue,
And every act that merits punishment.
訳) 愛は自分自身の中にあるすべての美徳、そして罰に値するすべての行為の種に違いないことをあなたは理解できるだろう
WISH LIST
早く大人になっておばあちゃんに親孝行する
なんとここでビョンゴンのハルモニ登場です。
ビョンゴンに関するキーワードが一つ増えました。
スンフン
So comes the captive soul into desire,
Which is a motion spiritual, and ne'er rests
Until she doth enjoy the thing beloved.
訳) 捕らわれた魂が精神的な動きである欲望に陥ると、愛することに喜びを感じるまでずっと行動を起こし続けなければならない
WISH LIST
お母さんを誰よりも幸せにしてあげること！
今の状況が残酷すぎて、この純真無垢な願い事が余計に辛いです…
ジニョン
Who, in the vision of the mind infirm Confidence have in your backsliding steps
訳) 心の目が弱っている者は、堕落への道を正しいと信じてしまう
WISH LIST
もうこれ以上ひとりじゃなかったらいいのに…
これまでの物語では分かりづらいですが、WISH LISTから、ジニョンは孤独に悩まされていることが読み取れます。
なぜかジニョンの個人ティーザーにだけ赤い線が入っていました。
ヨンヒ
As avarice had extinguished our affection
For every good, whereby was action lost
訳) 強欲によって私たちの愛情が消えてしまったように、全ての善のために体の動きを止めた
WISH LIST
この友達と永遠に一緒だったらいいのに。
ヨンヒは5人の中でも特に、みんなとずっと一緒にいたいという思いが強いようです。
ヒョンソク
But if the love of the supernal sphere
Should upwardly direct your aspiration,
There would not be that fear within your breast
訳) 神への愛があなたの願望を上方へと誘導するなら、あなたの胸の中に恐れはなくなるだろう
WISH LIST
お父さんと一緒に暮らした昔に戻りたい。
どこまでも一途な父親への想い…
こんなに良い息子を置いていくなんてやっぱりアッパこそ地g
個人ティーザーの文章は全て煉獄篇に出てくる言葉です。
抽象的な表現ですが、よく読んでみると5人の状況を表しているような気がします。
458に関する考察は以上になります。
次回は日本のMVをまとめて考察します。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
次の考察でまたお会いしましょう~ あんにょん！
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