#わたしの本棚
介護は孤独だと感じているあなたに【#ミステリー小説が好き】
「昔と雰囲気、変わったね~」
久々に再会したかつての同僚に、こう言われた。
彼女と知り合った頃、私は母がもう治らない病気だと知った。彼女が県外に嫁ぐことになって職場を去った時には、私は介護や病院通いに明け暮れていた。
その後、メールや年賀状のやりとりが細々続き、母が亡くなったことを知ると、「遅れてごめんね」と丁寧に書き添えた香典を送ってくれた。
ありがたい友である。
コロナ禍がようやくおさま
あぁ、カンチガイ【#わたしの本棚】
「なんかスゴイ本を持っているそうね」
職場の先輩に、そう声をかけられたのは、ずいぶん昔の話である。
当時、後輩にあたる女子に、
「なにか本、貸して下さーい」
とおねだりされた私は、ある本を渡していた。
後輩ちゃんは、これまであまり読書をしてこなかったとかで、
「読みやすい作品がいいですぅ~」
とリクエストしてきた。
そんな彼女に選んだのは、当時文庫になったばかりだった、恩田陸・著『夜のピクニッ