FULL CONFESSION(全告白) 5 ロケハン初心者入門編
GEN TAKAHASHI
2024/5/18
基本的に映画作家・GEN TAKAHASHIの作文。
第5回 ロケハン初心者入門編
ロケ弁とかロケバスという言葉を聞いたことがある人は多いと思うけど、映画、映像業者以外で、「ロケハン」とは何かを正確に知っている人は少ない。Wikipediaでも「ロケハン」という語の意味は解説されているが、実務の詳細までは記されていない。
なので、今回は「ロケハン初心者入門編」として、この話題に興味がある人と、映画、映像業界で「制作部」を目指す人に向けて、講義のような内容を語る。
なぜいまなのか?といえば、現在、私自身が次回作のロケハン中だから、思いついただけのことである。
まず「ロケハン」なる言葉は、「ロケーション・ハンティング」という和製英語の略称である。英語では「ロケーション・スカウティング」という。ロケ地をスカウトするという意味で、脚本に基づいて、各シーンの撮影に最も都合が良いロケ地を探すための作業だ。
ちなみに、脚本を書くために必要な取材や旅行は「シナハン(シナリオ・ハンティング)」という。基本的に、脚本というのは実在する地点を特定して書かれない。
だが、たとえばトラベル・ミステリーのような、実際に走っている特急車内が舞台になる脚本を書こうとすれば、時刻表や車内の構造、停車駅について事前に取材しないと、リアリティと実用性のある脚本が書けないから、脚本家の現地視察が必要になる。
で、実際に行ってイメージと違っていたら、脚本の舞台を変えるために新たな場所を求めて旅をする。これが「シナハン」だ。
こうして書かれた脚本を元に、今度は、「制作部」というスタッフが第1回目の「ロケハン」に出る。第1回ロケハンに監督は同行しない。ロケ候補地の写真やビデオを撮ってきて、整理して、監督に見せるための「制作部」だけの作業だ。
それで監督が「ここを見たい」といえば、次に「監督ロケハン」となって「制作部」が、監督と助監督を現地に案内する。
これで「監督OK」が出たら、最後は撮影、照明、美術スタッフらがまとまって現地を確認する「メインスタッフ・ロケハン」となるのが普通だ。
でも、これら本来の「ロケハン」の順序は、東映、東宝、松竹やテレビ局のドラマなど、まともな製作費がある映画の場合のことだ。
監督が脚本も書くことが多いインディーズ系プロダクションでは、「シナハン」と「ロケハン」は事実上、同時に行われる。
私も、大きな予算の映画では、前述のような手順に沿った「ロケハン」に出ることもあるけど、次回作はもの凄く低予算のプロダクションだから、最初から私自身が「シナハン」と「ロケハン」を兼ねてあちこちに行く。
いずれにせよ、理想のロケ地を探し歩く作業なので、予算があろうがなかろうが「ロケハン」が1回で済むということは、まずない。
私も今月は、第3回目の「ロケハン」で、奥多摩地方をぐるりと回ってきたのだが、これを思いついた日の朝に電話したにもかかわらず、新車の自家用車を出して運転手までやってくれたのは「制作部」ではなく、私の古い友人で武蔵村山市議会議員の天目石要一郎(あまめいし よういちろう)である。奥多摩は彼の地盤である武蔵村山市から遠くないので、土地勘があるため事前調査もなしでガイドをしてくれた。しかもメシまで奢ってくれた。
私のようなインディーズ系映画監督というのは、才能よりも人脈こそが生命線だ。選挙区の有権者でもない私が、当日朝に電話して一緒に「ロケハン」に同行してくれる議員の友人がいることは、私の映画監督としての財産である。
しかし「ロケハン」というのは、画(え)になる風景を探すだけの単純な作業ではない。
景色が良い場所を見つけるなら、観光案内所やインターネットで検索すればいくらでも情報が手に入る時代だけど、映画の「ロケハン」は、もっと複合的な条件をクリアしなければならない。
画(え)になるロケ地を探し出し、そこでの撮影を実行可能にするための、各所との交渉、準備、撮影後の後かたづけ(「現場をバラす」という)までの業務を、決定したロケ日時に間に合うようにセッティングするという、もの凄く経験値が必要とされる「制作部」の、極めて重要な仕事のひとつが「ロケハン」なのである。
ところで、本稿でアタマから出てくる「制作部」とは何か?についても述べておく。
助監督が、監督を目指すスタッフの入口だとすれば、「制作部」はプロデューサーを目指すスタッフの登竜門である。
「制作部」の仕事をざっくり説明すれば、映画のクリエイティヴ面以外での面倒をみる「よろずや部隊」ということになる。
後段に詳述する「ロケハン」実務に加えて、助監督と連携しての撮影スケジュールの作成と各部署への配布、俳優やスタッフの送り迎えから、弁当の手配、ロケでの宿泊先の確保、部屋の割り振り、経費の精算、最後には打ち上げの用意に至るまで、普通の会社なら自己責任でやるのが常識ということを、映画業界では、過保護にも「制作部」が面倒をみることになっている。
俳優が、監督や助監督に不満がある時に、その愚痴を言えるのは「クリエイティヴ面以外の責任」を負う「制作部」相手になるから、その聞き役まで務めなければならない。
だから「制作部」は、他のどのパートよりも一番忙しい。簡単にいえばスタッフの中で「最も早く起きて、一番最後に寝る」のが「制作部」である。
そのため、最近の日本の映画会社では「制作部」の慢性人手不足となっている。業務の広範性と重責と労働時間に反して、報酬は他のパートのスタッフよりも安く見積もられることが多いからだ。不公平である。
だから近年では、労働条件がちゃんとしている外資系の映像制作(NetflixやAmazon)の現場に日本人スタッフが流出する傾向が強くなっている。だが日本の大手映画会社に、その危機感はゼロのままだ。
「制作部」はスタッフの誰よりも忙しい。たとえば、助監督なら撮影現場で監督や俳優たちと一緒に働くけど、「制作部」は撮影現場にはほとんどいない。
撮影の準備をするのが主たる業務の「制作部」は、撮影で本番が回っている時には、次のシーンの現場に先行して、撮影隊が移動してきたらすぐに撮影できるように準備を整えるのである。
もちろん、撮影中にも安全対策や、現場に置いておくための麦茶や、俳優たちからの差し入れの食いものなんかを手の届くところに並べたりすることも「制作部」の仕事で、それは「制作進行」と呼ばれる、一番新人の担当が現場をドタバタ走り回ってやるのが普通だ。
とにかく、助監督とは違ってキャメラのある場所で俳優の芝居を見たりはしない(そんな暇はない)のが「制作部」なのである。
経験が浅い俳優のなかには、「制作部」が成長していって、やがてプロデューサーになるということも知らないで、いわゆる「下っ端」扱いをする、役者バカならぬ「バカ役者」もいる。実際、助監督の名前は覚えても、「制作部」の名前を覚える俳優は少ない。
足蹴にされた「制作部」が、大物プロデューサーになったとき、そういうバカ役者に仕事を回さないことは言うまでもない。
逆に下っ端の「制作進行」にも気を遣ってくれる俳優は、「制作部」全体から感謝されるから、その制作部隊から大プロデューサーが誕生したなら、「制作部」の苦労を共有している俳優は引き立ててもらえることになる。
映画の「制作部」は単なる雑用係ではない。それどころか「制作部」は、監督、俳優、助監督、撮影部、録音部、照明部、美術部、ヘアメイクから芸能事務所のマネージャーに至るまで、映画制作現場にかかわる全員の動きを連携させる「血液」ともいえる重要な役割を担っているのだ。
ちなみに「制作部」の序列は次の通りだ。
①「制作担当」 プロデューサー直下の地位で「制作部チーフ」になる。
②「制作主任」 決定権がある「制作担当」の意を受けて実務を指揮する。
③「制作進行」 助監督でいえば「サード助監督」にあたる現業員。
では、その「制作部」による「ロケハン」というものが、どれだけの条件をクリアしてロケ地を確定させるのか、その概要を下記の一覧で解説する。
① 脚本の設定と監督が求める画(え)になる景観であること
これは誰でもわかるだろう。しかし、これだけならプロの世界では「ロケハン」とは言えない。
② そのロケ地が公共交通機関でも行ける場所にあること
主要スタッフならロケバスに乗って移動するが、現地集合を指示される役者やエキストラたちは、それぞれがバスや電車でロケ地に行かなければならない。
だから、ロケ地になる場所の最寄り駅が、ロケ地とどれくらい離れているかも重要なポイントで、脇役俳優やエキストラが現地入りするたびに「制作部」が車で送迎しなくてはならないほど距離がある場所は、ロケ地として望ましくない。
劇中で「人里離れた村」という設定のシーンを撮るからといって、本当に人里離れた場所で撮影するのは、よほど製作費がある映画か、素人の「制作部」が仕切っている現場ということになる。
「映画の中では秘境に見えるが、キャメラのある側は舗装された道路が通っていて、100メートル横にはコンビニもあり、その前のバス停から最寄り駅まで10分」というような場所を見つけるのがプロの「制作部」なのである。
ロケハンの際に、公共交通機関の状況がチェックポイントになる理由は役者やスタッフの集合・解散のためだけではい。電車が通っている地域には、規模の大小はあっても商業施設、商店、ATM、宿泊施設や、役者が撮影の休憩時間に使える喫茶店、ガソリンスタンド、車の修理工場などがあることが普通だからで、人の生活を支えるものがたいてい調達できる基準が公共交通機関なのである。
③ 緊急事態に対応可能な地理的条件があること
危機管理上の条件として、撮影中の事故、怪我、不測の天災などの緊急事態にも迅速に対応できるような場所でなければ、ロケ地に選んではいけない。
病院が近くにあるか、通信手段が担保されているか(携帯の電波が届くかなど)などは必須の調査事項である。
特殊な事例では、一番近いヘリポートはどこで、利用が可能かどうかも調べることだってある。
たとえば、次の仕事がテレビの生放送出演だという俳優がマネージャーの車でロケ地を出発する予定が、道路が事故渋滞でこのままでは最寄り駅にさえも辿り着けず、生放送に間に合わない!というような時には、空路を使うからである(いまはスマホで生出演なども可能だから、こういう事態はほぼないだろうけど)。
また、前述した「不測の天災」とは大災害だけではなく「天空(てんくう)対策」も含まれる。天気の急変に備えた対策だ。なぜだか映画業界では、天気のことを「天空」という。
プロデューサー判断で、雨天中止になる場合もあるが、脚本の内容や予算の事情、俳優のスケジュールがその日しかないなどの理由で、雨でも撮影をすることはある。だから「制作部」は、雨天の場合の代替地もロケハンしておく必要がある。
私の映画で、山中の川でロケ予定だったが、前日の台風で川の水が茶色に濁ってしまい、とても画(え)にならないということがあった。ヒロインが川に寝そべるという幻想的なシーンだったから、今日は中止するしかないだろうとスタッフと話していたら、「制作部」が「車で10分くらい離れたところにある違う川に移動します」という。
行ってみたら、そこの水はきれいなまま流れているではないか。主流と支流の違いなのか、とにかく無事にロケを済ませた。このときの優秀な「制作部」は、事前に予備の候補地をロケハンしていたのだ。
ちなみにその映画は、乙一原作の100万部ベストセラーの小説を映画化した『GOTH』(2008年)で、主演は本郷奏多と高梨臨(これが映画主演デビュー作)。この川のシーンは、高梨のラストカット(最後の撮影)でもあったから、水が濁っていたら台無しだった。主演女優の有終の美を救ったのは「制作部」だったというわけだ。
俳優は、こういうことも知っておいた方がいい。「制作部」は、スタッフと俳優が撮影に集中できるようにするため、余計な情報を入れないけど、見えないところで俳優を支えているのである。それを知らないで「お弁当とお茶を渡してくれる人」程度のスタッフだと勘違いしている俳優は少なくないので、あえてここに追記した。
④ 道路使用許可
通常、街中での映画撮影には「道路使用許可」が必要である。これは道路工事の際の許可と同じもので「撮影許可」という名称の公的な手続きはない。
道路使用許可は、ロケ地がある所轄の警察署に届けるもので、手数料(自治体によって違うが1件につき3千円前後くらい)を払って申請する。これも自治体ごとに運用が違うけど、申請から許可までは3日程度で、よほど特殊な撮影以外は、ほとんど許可される。
だが「通行止め」は許可されない。街中のロケで「制作部」が往来の人通りを止めていることがあるけど、あれは不法行為である。あくまでも通行人の任意で協力を仰がなければならない。
たまに偉そうに、モノも言わずに誘導灯を振って人を退けようとする不届き者のスタッフがいるが、そんなやつを見かけたら「制作主任を呼べ!」と怒鳴りつけてやろう。
ここでひとつ裏技を教えよう。この道路使用許可が必要な撮影とは、原則的に「三脚や照明などの機材を使う撮影」であって、手持ちの小型キャメラで撮影するぶんには「道路を使用していない」ので、許可申請は不要である。取材でのテレビカメラ撮影やスマホ動画撮影に許可が要らないのと同じだ。
近年のハリウッド映画や配信映画で、渋谷スクランブル交差点や新宿歌舞伎町の風景を観ることも珍しくなくなったが、その理由のひとつは国際的に有名な観光地なのに、手持ちであれば映画用キャメラでも、警察への許可申請が不要だからである。
ただし、道路使用許可とはべつに「施設管理者」がいる場所(役所とか駅構内とか)での撮影はそれぞれの許可が必要になる。それでもiPhoneで撮影するぶんには個人の肖像権を侵害しない限り問題はない。
⑤ ご近所対策
大手の引越し業者では、引っ越し先のご近所さんに「ご迷惑をおかけします」と、ティッシュなどを配りながら挨拶するサービスがあるけど、これと同じように、気の利いたプロデューサー、制作担当が仕切る映画撮影では、ロケ先の路外に並ぶご近所の家に、粗品を持って挨拶にまわる。
テレビドラマでは番組のグッズや局のボールペンということもある。それほど大掛かりなロケでなければ、品物はなしで、ご挨拶だけで済ますことが通常だが、とにかく「お声がけ」を忘れなければ、ロケ地での近隣住民からの苦情はほとんど予防できる。
また事前に挨拶する段階で、いわゆる「面倒な住民」が住む場所がわかるので、その際には、そこだけ手土産で了解してもらうか、撮影場所を変更することでトラブルを回避することができるから、ご近所対策は必須だ。
だから、「制作部」はロケハンの時点で、ご近所対策の難易度も判断する必要がある。たとえば、団地などでは個別に挨拶するのは無理があるので自治会に交渉する。
⑥ リスク回避
ご近所対策に近いけれども、もっと難易度が高いのが「暴力団事務所」のナワバリ内での撮影である。
昭和時代の映画、ドラマ撮影なら、プロデューサーやスター俳優が「その筋」に簡単に話をつけていたけど、ヤクザ禁止の世の中になってからは、そもそも暴力団が「挨拶がねえぞ」という理由でロケを妨害するということ自体が、かなり稀なことになった。
では、裏社会対策が必要ないかといえば、そうでもない。
私は昔、白竜氏、哀川翔氏が出演したアウトローVシネマ『喧嘩の極意・突破者番外地』(2001年)の監督・脚本を担当したが、この作品のオープニングシーンでは、歌舞伎町全体に撮影用のスモーク(煙)を撒き散らしながら移動撮影をするという離れ業をやった。逆に警察に許可を求めたら出来ないに決まっている。そのために、まず歌舞伎町に顔が利く「政治結社」の親分にロケ協力を依頼した。右翼は暴力団ではないから、製作会社としてコンプライアンスはOKというわけだ。もっとも、この時の製作会社・ミュージアムは山ほどヤクザVシネマを作っていたから元から「その筋」には強かったんだろう。
このように繁華街の「ケツ持ち(いろいろな面倒を見る人間)」は、現役ヤクザもいるが、引退してカタギになった人もいる。任侠界は縦社会だから、現役時代によほど嫌われた兄貴でなければ、引退後でも地元のヤクザに撮影協力してくれよと言えるのが普通だ。カタギになったからといって兄貴分にカネを寄越せというヤクザはいない。
だからそういう人物(ヤクザVシネマの製作歴があるプロデューサーなど)を探して相談すれば良い。また、実は大手報道機関の記者も「その筋」には強い。記者はあくまでも取材で「その筋」に通じているだけで犯罪者ではないし、映画スタッフも記者の紹介による取材の体で撮影協力の話を持ち込めるので、社会的な問題にはならない。
もちろん「取材」が建前だからカネも払わなくていいことになるが、そこは利益供与ではなく、居酒屋での取材にして勘定をこっち持ちにすれば、元親分たちのメンツも立つというものなのだ。
そして映画撮影に協力したヤクザのメリットといえば、後に映画館に自分の彼女や子分を連れて行き「おい、翔さんが区役所通り歩いてるこのシーンさ、写ってねえけど、おれが面倒見で現場にいたんだぜ」などと自慢できることくらいで、ほとんどボランティアなのである。
だから実際には、ヤクザが映画撮影や映画製作を資金源にしているなどというのは、警察のプロパガンダに過ぎない。
それでも、インネンをつけてくる反社勢力(ヤクザに限らず)が撮影を妨害することがあれば、遠慮なく警察を利用しよう。そのために税金を払ってるんだから
⑦ 後かたづけ(バラシ)シミュレーション
撮影が終了しても「制作部」の仕事は終わらない。映画業界でいう「バラシ」こと、後かたづけである。
撮影中に出た弁当ガラやペットボトルなどのゴミは、持ち帰って処分しなければならないし、野外ロケでも屋内の撮影でも、撮影の都合で動かしたり、場合によっては1度壊した部分をすべて原状回復しなくてはならない。
だから「制作部」は、ロケハンの時点で、後かたづけの段取りも想定する必要がある。撮影が終わってから「えーと、ゴミどうしよう?」なんていうのは素人だ。
ロケでのゴミは、スタッフ・キャスト総勢30名前後のインディーズ系映画なら「制作部」が車に詰め込んで、自分の住む町のゴミの日に出したりもするが、50名以上の所帯になる大手スタジオ系の現場なら「事業系一般廃棄物」として、有料のゴミ処理業者と事前に委託契約をしておくことが普通だ。ただし、委託する業者も指定のロケ地まで来てくれるとは限らないから注意が必要である。
ちなみに、昭和時代の撮影では、やりっぱなし捨てっぱなしが普通だった。
現在、初台にある「東京オペラシティ」「新国立劇場」のあたりには、かつて「工業試験所跡地」と呼ばれた財務省管轄の廃墟があった。
ここでは山ほどの映画、特に刑事ドラマやアクション映画が撮影された。『太陽にほえろ!』で松田優作演じるジーパン刑事の殉職シーン「なんじゃあ!こりゃあ!」もここで撮られた。私も助監督時代によく行った場所だ。
ここには、前の撮影で使った爆発した木箱やら、酷い時には車もそのまま放置されて、これは予算が足りてないインディーズ映画にはラッキーな再利用資源になっていた。「制作部」も「よその組が使えるから」などと、あえて後かたづけしないこともよくあった。
以上、今回は誰の役に立つかもわからんが、資料的価値と読み物としても、まあまあ悪くはないと思われる本稿であった。