憲法草案〜第３章 国民の権利〜財産権

現行憲法の財産権

第二十九条
財産権は、これを侵してはならない。
第二十九条２
財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
第二十九条３
私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

1項は、自由主義経済の根幹になるものです。
2項で、公共の福祉により制限を受けるとしています。
3項では、本項だけと思いますが、「公共」が出てきます。
繰り返される土地収用問題の元です。

自民党（2012年）草案の財産権

第二十九条（財産権）
財産権は、保障する。
第二十九条２
財産権の内容は、公益及び公の秩序に適合するように、法律で定める。この場合において、知的財産権については、国民の知的創造力の向上に資するように配慮しなければならない。
第二十九条３
私有財産は、正当な補償の下に、公共のために用いることができる。

2項で「知的財産権」に触れていますが、ポエムと言われる所以の一つです。

独自草案の財産権

第二十九条
財産権は、これを侵してはならない。
第二十九条２
財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。
第二十九条３
私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる。
ただし、権利者との真摯な協議を重ねなければならない。

知的財産権については、詳しくないので、触れることができませんでした。
3項には、土地収用問題に対する歯止めがあれば良いのですが、「真摯な協議」しか思い浮かびませんでした。