防災訓練の「落とし穴」
9/1は防災の日でした。
1923(大正12)年9月1日、
関東地方を襲った関東大震災で10万人以上の人が亡くなった事や、この時期に台風による災害が多く発生していたことから、1960年に閣議決定されたことで制定された日です。
さてさて。
今回は9/1は日曜日だったので、BCP(事業継続計画)を策定している企業のほとんどが、翌日9/2の朝から「防災訓練」で、災害発生の模擬訓練や消火器・消防ホースによる消火訓練といった練習をされていたかと思います。
近年大きな地震や多量の風雨に長時間見舞われる台風といった災害が比較的日常化しているにも関わらず、訓練の「内容」を全く変えずに「形式だけ」済ませているという職場や企業は少ないことでしょう。
東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)と
自分が体験した経験からずっと思っていることがあります。
「防災訓練が訓練のための訓練」になっているのでは?
おそらく多くの防災訓練は
発生する場所や時間、発生する災害や被害状況が
関係者にあらかじめ全容が知らされており、
対応者や内容まで決められています。
え?なぜそれがいけないのかって?
過去の地震では
●安否確認メールが地震時の通信制限で届かない
(電話で誰かに伝えても、途中で止まっている)
●参集者が出張で不在、遠隔地にいて会社まで来られない
(真夜中に発生すれば終電後ならすぐには行けない)
●対策本部を作ろうにも必要な設備が無い
(インフラは機能停止、モニターや電源コードが無い、電池がない)
という事が普通に起こりました。
※これはもう今となっては笑い話ですが、
「地震で家に帰れない」と腹を括って
近所の飲み屋で深夜までしこたま飲んだ人が、
翌日早朝に起きた余震で現場点検に行け!
と言われて2日酔いの泥酔状態で出た結果、
飲酒運転で逮捕されたそうです。
災害は待ってくれないし、こちらの希望通りにはならない。
想定を超える事態が発生するし、うまくいかない事が当たり前。
災害対策キットは会社や家に
最低限揃えておくことを出来ている人、どれくらいいますか?
私もそう言いながら、つい最近まで
非常用電源とカセットコンロは有りませんでした。
(仕事柄ライトとモバイルバッテリーは山のようにありますがw)
肩肘張る事なんてありません。
日常品にちょっとライトとホイッスル持っていくとか、
大容量モバイルバッテリーを鞄に入れておくとか、
そういう事でもずいぶん違うと思います。