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Episode7. ファミリーキャリアの「エンジン」とは
キャリアを家族で話し合い、考え、家族としてのキャリア戦略を立てていく。
「ファミリーキャリア」という言葉も
ほんとに少しずつですが、認知が広がってきている気がして
ちょっぴり幸せな気持ちです。
今回は、「ファミリーキャリア」を
家庭内でうまく回していく「エンジン」になるものって
何だと思いますか?
ということをテーマに、お伝えしていきたいと思います。
*
それは、「自己開示」。
家族の誰かが、「自分の秘めた想い」を
家族にポツポツと語り始めることこそ、
「ファミリーキャリア」のはじめの第一歩だと
私は考えています。
なぜなら、私が「ファミリーキャリア」を広めたいと現在の活動を始めた原点こそ、
「私自身のキャリアについての悩み、学び、気づきを、夫に聞いてもらったこと」だから。
*
Episode4.のお話のなかでも詳しくお伝えしましたが、
キャリア迷子のまま母となった私は、
かねてから憧れていた国家資格キャリアコンサルタントを取得するべく
約4ヶ月間、毎週、終日、講座を受講し、
さまざまなキャリア論や技能について学びました。
「自己理解」のためのワークショップやアセスメントも豊富で、
いろいろなものを実際にやってみたのですが、
講座では受講生同士、自己開示し、傾聴し合う時間(キャリアコンサルタントとしての実技トレーニング時間)も、たくさんあったため
これが自分自身、キャリアの棚卸しに、非常に役立ちました。
・自分に自信がない
・これからのキャリアが描けていない
・子どもは可愛いけど、両立がしんどい
・毎日、不安や焦りを抱えている
・日々、忙しさに追われて、ゆっくり考える暇もない
・自分に向いている仕事が分からない
・悩みがモヤモヤしすぎて、誰にも話せていない
・ロールモデルが周りにいない
・このままではダメだと思うけど、何から手をつければいいのか分からない
でも、キャリアを諦めたくない。
この一心だった私ですが、
講座の中で圧倒的に自己理解が進み、
毎週の講座では、憑き物が落ちていくように、考えがクリアになっていきました。
それがなぜかというと、
毎週末、土日ともワンオペ育児の負担をかけている夫に
自分の気づきをほぼ全てシェアしていたから。
「こんな学びがあった」と話をするのは
感謝の気持ちを伝える、せめてもの礼儀かなという気持ちもあって、
というか、興奮気味に“すごいよかった!!"と話していた気もしますが、
まずは自分ひとりで考えて、
講座で第三者に話してみて、
傾聴してもらいフィードバックもいただいて、
それらをまとめて、家族に話す。
「ファミリーキャリア」を実践していたのだと思います。
*
いま思えば、当時の私がしていたことは
まさに「自己開示」です。
4ヶ月間、よく聞いてくれたな…と思うのですが、
ワンオペ育児で辛いのは、「大人と話ができない」(赤ちゃんだと会話にならない)ので、
声を発してはいても、双方向の会話は成立していない
だから一日中、孤独だってことです。
それもあって、私が夜に帰ってきて、人間らしい会話をできること自体を
待っていてくれたのかもしれません(苦笑)。
ともあれ、私が
・こんなキャリア論を習って、気持ちが楽になった
・自分が何に悩んでいたのか分かった
・私の職業適性はこれとこれだった
・人の本音を引き出すコツを知った
などなど、「自己開示」しまくるので、
もしかしたら、夫も同じ観点で自分を見つめる機会になったのかもしれませんし、
少なくとも、相手(私)の発言に対して分かったことを返すことは日常になりました。
職業適性のアセスメントでは、
私の結果を一緒に見ながら
「あなただったらこうかもね」と夫についても話し合ったり、
意思決定やリスクテイクのタイプ区分については、
私は「直感型」だけど、「あなたはこうだね」と夫の特性についても
お互いの特性や価値観の目線を合わせるきっかけになったのです。
(このことが、夫の転職時に背中を押す「嫁アタック」となったことは、Episode.6でお伝えしたとおり。)
*
こうした経験から、私は
「ファミリーキャリアのエンジンは自己開示」だと断言できます。
そのためにはまず、
おひとりおひとりが、本当の悩みや本来のありたい姿など、
自分自身を見つめることが必要です。
いま「ファミリーキャリアミーティング」と題して、
個別相談サービスをご提供しているのは、まさにこのため。
家庭内で自己開示し合うきっかけを掴んでいただきたいためです。
そして、この作業は時間がかかるなとも思っています。
私も講座を受講した4ヶ月かかりました。
*
けれども、自己理解や相互理解だけでは
「ファミリーキャリア」は成立しません。
私たちが生きている時代や、置かれている労働環境について
客観的な情報を集めて、共通の理解をして、
「それを踏まえてわが家はどうするか」を考えることこそ「ファミリーキャリア」だからです。
私は講演やセミナーなどでお話しするときはいつも
「vucaの時代」「人生100年時代」を背景に、
「ファミリーキャリア」の重要性を訴えていますが、
キャリアの専門家としての学びに、この観点が入っていたわけではありません。
ライターとして、「働き方改革とは何か」をライターとして取材しまくったのです。
(職業としてそれをするために、メディア編集者として転職しました。)
どうしたら、家族みんなが幸せになる働き方を手に入れられるんだろう?
という個人的な興味関心が非常に強く、
さまざまな有識者、活動家のお話を聞きに行きました。
多様な働き方に関するイベントやカンファレンスにも、報道陣としていっぱい取材に伺いました。
もちろん、取材から帰ったら、「ヒントになったこと」を夫にシェアしていました。
・同じ学歴の男女でも生涯年収は1億円も差がある
(そもそも女性はまだ働きづらいし平等に扱われない傾向が強い)
・50代で転職する男性の約6割が年収ダウンする傾向がある
・働きがいと働きやすさの両立が、これからのキャリア選択の肝だよね
・無意識に性別役割意識に囚われていると、家事のアウトソースにも抵抗がある
・これからはお互いに無形資産をしっかり構築していこう
ここには書ききれないほど
たくさんの情報のシェアと対話をしてきました。
その期間、約3年。
働き方とは、生き方であり、あり方です。
働き方について多様な視点を家庭外から持ち込んで、
家庭内でシェアしたからこそ、
「キャリアを家族として考える」素地が整ったのだと自負しています。
それをベースに、「ファミリーキャリア」を取り入れたい方のご支援をしていきたいというのが、いまの活動の根底にある想いです。
次回、Episode8.「ライフシフト・人生を変えた1冊」は、
9月16日(金)に公開しました。
\かぞくも、じぶんも、しあわせに/
📖マガジン「マイ ファミリーキャリア ストーリー」はこちら📖
🌷この記事を書いた人のプロフィール🌷
1978年5月生まれの牡牛座B型。
2022年現在、夫と息子と東京都内で3人暮らし。趣味は茶道。
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