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我ながら擬かしく

2020年、
今年も自分が好きなことも分からずに1年が終わってしまった。

嫌いなことと苦手なことだけは鮮明に分かってきたのだが、
好きなことがないのである。

嫌なことを避け、ろくに人間関係も築くこともなく27歳になってしまった。

僕の日々の最大のストレスは他者との関係性に起因するものであるが、
そんなはずじゃなかった。

他人なんて関係なく、好きなこととただ只管に向かい合い、
それによる困難はたくさんあるけれども、
その解決に奮闘する毎日が刺激的で愛おしい、
そんな日々を送っているはずだった。

人間暇になると余計なことを考えるものであるが、
今年は幸か不幸か無意味に忙しく、本当に仕事しかしていなかったから、
つーっと時が過ぎる感覚だけが不本意にも研ぎ澄まされた。

年上の部下たちに気を遣って笑顔を振り撒くたび、
人間関係が悩み、みたいな人生を送るはずじゃなかったという思いが、
僕に人生の意味を問いかけてくる。

働けど働けど、サラリーマンであり続ける限り大した富を得ることはないだろうとの確かなる必然性、
社会からの冷たい視線が和らぐ居場所として依然として残っていると思しき結婚という選択はまずあり得ない僕の人間性
を鑑みるに、誠に生きる意味が分からないのであるが、
生への執着か、はたまた、未練か、
あるいは、自分の未来への可能性みたいなそんなものかに囚われて
無駄に老いている感覚が僕の中で急速に育った1年であった。

もう27歳だ。
いや、まだ27歳だと言い聞かせたいところであるが、もう27歳だ。
取り返しのつかない人生を浪費したという悔恨を最近切に感じている。

全く未練がましく1年の締めに相応しくないような文章を認めてしまう自分に断腸悲嘆の思いであるが、
今年は平静を保って生きるのに精一杯だったので、来年はもう少し心穏やかに、心に余裕を持って、自分に素直に向き合って過ごせると良いなと思うばかりである。

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