フルブライト奨学金について
この記事では、私の留学に欠かすことのできなかった、フルブライトプログラムについて、紹介させていただきます。この情報については、フルブライトジャパンのウェブサイトから引用し、紹介させていただいております。
最新の情報は、ご自身にて責任を持ってご確認ください!
Fulbright Japan (日米交流委員会)
フルブライトジャパンは、世界的に広く知られており、「日米教育委員会は、フルブライト奨学金事業、同窓会活動支援事業、特別教員交流プロジェクトの実施、EducationUSAを支援、しています。」とあります。詳しくは、ウェブサイトをご確認ください。そのフルブライトジャパンの交流事業の中に、大学院留学プログラムが含まれています。
フルブライトプログラム
フルブライト・プログラムは、奨学生に対してそれぞれの専門分野の研究を進めるための財政的援助を行うとともに、何らかの形で日米の相互理解に貢献できるリーダーを養成することを目的としています。従ってフルブライト奨学生は各自の研究活動を行うだけでなく、それぞれの留学先や地域社会・文化等の様々な活動に積極的に参加することで両国に対するより一層の知見を広める事が期待されています。また、帰国後も同窓生として専門性の高い職業あるいは私的な活動を通して、直接的・間接的に日米関係の向上に貢献することが期待されます。(フルブライトジャパンのウェブサイトより一部引用)
ウェブサイトを確認すると、様々なフィールドの方々が、活躍されているのがわかりますので、興味のある方は、ぜひ、フルブライトストーリーもご確認ください(★←こちらは私のストーリーです!)。
大学院留学プログラム
さて、ここからは、私が実際に志願した『大学院留学プログラム』について、紹介させていただきます。こちらもウェブサイトにて、詳細&最新情報を確認できますので、自己責任でご確認ください。
採用予定数:約20名(「大学院博士論文研究プログラム」を含む)
開始時期:2022年秋学期
給付期間:1年目→原則として12ヶ月。1年プログラムの場合は終了時まで。
「授業料は40,000ドルを上限」とする。他に生活費、家賃手当て等も別途支給。2年目→授業料、生活費等すべて含め 「上限25,000ドルまで」更新の可能性がある。更新は1年目の学業成績、財政援助の必要度などで決定するものであり、自動的に更新されることはない。3年目以降の奨学金の更新はない。
注)フルブライト日本同窓会によって設立された公益財団法人日米教育交流振興財団より、留学2〜4年目に一部資金援助の可能性があります。
詳しくは http://www.fulbright.or.jp/
対象者
かならず2022年度募集概要を合わせてお読みください。
1)a.~c.のいずれかに該当する者。
a. 将来日本の大学または大学附置の研究機関で教職または研究職を志望する日本の大学院在籍者。
b. 博士号を持たない日本の大学教員、研究者。
c. 社会人として培った経験・知識を大学院レベルの勉強に生かすことのできる者。将来、その経験を日本社会に還元する意思があり、特に優秀な者。
2)2021年7月31日以前に学士号を取得していること。
3)米国在住経験の少ない者を優先する
下記に該当する者は対象から除く。
すでに博士号を取得している者、渡米前もしくは渡米中に日本の大学より 博士号を取得予定の者。すでに米国大学院の修士・博士課程の経験があり(在籍年数・レベルは問わない)、残りの課程修了を目的とする者。医学校・歯科学校においてインターンまたはレジデントとしての研修およびリサーチを目的とする者。
英語能力
a. 2019年8⽉〜2021年7⽉に実施されるTOEFLあるいはIELTSを受験し、TOEFLは80点(iBT)以上、IELTSは6.0以上を取得すること。指定期間内のTOEFLあるいはIELTSを受験できない場合は失格となります。
b. 語学力に応じて、米国での夏期オリエンテ-ションへの参加が要請されることがある。
受入れ先手続き
2022年5月1日までに、米国希望留学先から正規の入学許可を得ること。
申請書類(7月31日提出期限)
・願書(オンライン)
・履歴書(和文、英文)
・英文成績(在籍)・卒業証明書
・英文推薦状3通
・TOEFL/IELTSスコアレポート(PDF)
ここまでは、公式ウェブサイトからも情報を得られるオフィシャルな情報を記載しました。フルブライトプログラムの志願内容詳細については、詳細を公表できないこととなっておりますので、私がどのようなプロセスで、申請したのかを、説明させていただきます。
募集要項
まず、言及するまでもない、ファーストステップですが、その機関について知ることや、募集要項を知ることが大切です。フルブライトプログラムの場合、募集要項が、どのプログラムにも共通しておりますので、必ず、最新の募集要項を確認してくださいね。
私は、自分が志願する前年度から、フルブライトにプログラムに志願すると準備をしておりましたが、志願時期や募集要項が大きく変更になったと感じなかったため、前年度のものを参考にして、準備を進めてもよいかもしれません。
オンライン登録
次に、オンライン登録になります。指定された期間内にオンライン登録を済ませて、志願できるかどうかの予備審査があるわけです(公式ウェブサイトのリンク先に、『入力方法と見本はこちら』というPDF資料がありますので、詳細は、そちらでご確認ください)。私が申請した2018年度も、4月1日に登録のリンクが開き、5月31日が、オンライン登録締め切りでした。
この予備審査では、申請者が募集要項にあるように対象となり得るか、研究テーマが、奨学金の対象となる学術分野として、該当しているかどうかなどの、確認作業が入ってくるのだと思っております。
軽く私のスケジュール感を共有しておきます。
<わたしのスケジュール感>
4月1日 登録オープン:前年度との違いがないかを確認しながら準備
5月19日 オンライン登録完了と同時に、メールにて通知受け取り
6月14日 研究内容についての詳細確認あり、すぐに回答
6月15日 予備審査通過(コントロール番号受け取り)のメール受け取り
※願書一式をダウンロード可能なリンクを受け取る
予備審査を通って、願書をダウンロードできるシステムですので、オンライン登録から遅れを取らないように、頑張ってください!
奨学金の対象となる学術分野
このセクションは、公式ウェブサイトの募集要項にも記載がありますが、非常に大切なので、しっかりと理解する必要があります。
公式ウェブサイトには、「米国および日本、さらにはグローバル社会に関連した人文・社会科学、あるいは学際的な学問分野であること。特に以下の1~5に該当する研究を奨励します。自然・応用科学分野に関連する研究計画の場合は、人文・社会科学分野を主眼とした学際的研究で、かつ政策、社会、または倫理に関わるもののみ応募対象になります」とあります。以下がその一覧になります。
1.米国研究
歴史学、政治学、経済学、法学、ジャーナリズム、文学、社会学などの分野を通して米国の文化・社会を研究する。
2.インド太平洋地域における日米関係
日本および米国と、インド太平洋地域における第三の国(々)との、現代の社会、政治、経済、安全保障に関する研究。9ヶ月以上の奨学金については、委員会の事前許可を得た上で奨学金給付期間内の最後の2ヶ月以内で、研究テ-マに直接関連した第三国で研究を行うことができる。
3.現代社会の諸問題
現代の日本と米国が共通して直面している社会問題についての研究。特に対象になるのは、危機管理、急速な技術開発に伴う倫理等の問題、都市化、家族、高齢化社会、経済格差、犯罪、など、現代と関わりの強い研究テーマ。4.グローバル社会の課題
世界規模で発生する諸問題についての研究。特に対象となるのは、公衆衛生、通商、労働と流動性、ヒトの移動、環境政策、エネルギー、ダイバーシティ(diversity)・ インクルージョン(inclusion)、人口動態、SDGs(持続可能な開発目標)に関連した研究テーマ。
5.教育
日本と米国の教育制度に関する現代の問題に焦点をあてた研究。比較研究が望ましい。研究対象としては、国際化、グローバル・コンピテンシー(global skill competency)、外国語習得、組織・カリキュラム改革、社会における教育の役割などが含まれる。
私は、老年期分野で勤務する作業療法士として、現代社会の諸問題である、『高齢者社会』の学問分野に焦点を当ててた研究テーマとしております。
今までのフルブライトプログラムが、どのような研究テーマを採用してきたかの奨学生リストは、公式ウェブサイトで確認できますので、ぜひ、参考にしてみてくださいね。私は、このリストを見て、こんなに高学歴の方々が、たくさんいらっしゃる中で、自分の名前があるのが、信じられない・・・という気持ちでおります。
上記で、<研究内容の詳細確認があった>と記載しておりますが、私の場合、予備審査の段階で、『医学分野の「臨床」は対象外であり、研究対象となる、たとえば患者との直接の接触はフルブライトの研究では禁じられておりますが、問題ございませんでしょうか?』と、確認のご連絡をいただいております。
私の場合は、臨床に焦点を当てた研究ではなかったので、その旨をしっかりと説明しておりますが、志願するにあたり、特に医療関係者は、注意が必要な点になりますね。ちなみに、私自身、ピッツバーグ大学院在学時には、文献レビュー関連の研究に取り組んでおります。フルブライト同期の大学院留学プログラムには、日本の医師の方もいらっしゃりました。
志願スケジュール
自分のスケジュールを共有しますので、あくまでも参考にしてください。
7月27日 願書一式提出(ギリギリまで奮闘です)
7月31日 願書締め切り〆(公式)
8月14日 申請書類受領通知メール ※書類審査
10月18日 面接通知連絡メール(すごい嬉しかった!)
10月30日 面接当日(よい緊張感で取り組めました!)
12月11日 内定通知!!!(郵送で届きました)
メールを振り返りながら、この記事を書いてますが、本当に、たくさんの方に支えられていたんだと、感謝感謝です。
このスケジュールを、正社員として働きながら、淡々とこなし、昔の私、よく頑張ったなと褒めてあげたいと思います!
内定については、郵送で届くということがわかっていたのですが、大きい封筒で届けば、いろいろな資料が入っている=つまり内定通知、小さい封筒の場合、通知文のみ=つまり不合格、というのが、わかっていたため、ポストに大きな封筒が入っている時には、「え、もしかして。でも、中を見るまでは、喜んじゃいけいない。」と防衛的に開けた瞬間、叫んだのを覚えています。懐かしい。
何事も早めに取り組むのが吉かと思います。特に、推薦状は、自分ではない人の貴重な時間を頂戴するので、前もって、先を読んで、行動するようにするのが、良いかと思います!
面接練習
英語での面接は、IELTSのテストでの経験がありましたが、やはり、大違いですね。英語でなくとも、『面接の時に聞かれやすい質問一覧』みたいなウェブサイトを読み漁り、ある程度の質問には、英語で答えらるように、必死に準備して、臨みました。
自分自身、これまでずっと英語学習を独学で進めてきて、英語でのスピーキングアウトプットの機会がなかったことや、自分の英語に対するフィードバックをもらうという機会がなかったので、面接練習も兼ねて、初めて、パーソナルレッスンを受けてみました。
自分的には、このパーソナルレッスンが、すごい役に立ったと感じています。単に、言いたいことを「英語」という形にする練習だけではなく、伝わりやすいような英語で伝える練習、「英語では言いたいことを最初に!」という癖をつける練習や、同じ言葉を繰り返して使わないようにバリエーションUPなどもありました。英語の面だけでなく、私は物を考えるときに、左上を向いて考えてしまうという目線の悪いクセがあったので、目をそらしたくなったら、首元を見るなどのTIPSも共有いただけました!
面接の詳細内容については、共有できませんが、やはり研究テーマについてだけでなく、その背景にある社会問題なども含め、英語でお話できる必要があるでしょうし、大勢の前で、しっかりと英語でコミュニケーションを取れることが(自分の言いたいことを言えるようになっていること)、ディスカッション文化でもある米国大学院留学では、必要不可欠なスキルとなります!
フルブライトの強み
渡米前から、プログラム修了まで、本当に心強かったです。一人で、知らない土地に挑戦するという、この人生をかけたプロジェクトで、たくさんの人から、「怖くないの?」と声をかけられたのを覚えております。
確かに、今思うと、すごいブレイバーだったなと思いますが、フルブライトの後ろ盾は、本当に強かったです。日本を出る前には、日米教育委員会の方が、私の担当についてくださり、大学院志願やビザプロセスについて、非常に丁寧に、一緒に歩んでくださったという印象です。渡米時には、「それ、行ってらっしゃいっ!」と、背中をポンっとたたいてくれるような、温かい気持ちにもなりました。
渡米すると、現地の方が私のサポーターとして、メールでサポートしてくださりました。たくさんのトラブルがあって、パニックになった時にも、特別に電話で対応くださったり、それこそ、右も左もわからない私を、たくさん導いてくださりました。
知名度の高さにも、様々な場面で、驚きっぱなしでした。自己紹介で、フルブライトプログラムで渡米していますと紹介すると、「すごいじゃないの」と温かい声掛けをいただくことが多く、本当に素晴らしいプログラムから、スポンサーをいただいたのだと、渡米してからも感じること多く過ごしておりました。
また、自分のプログラム修了後、Post-Academic Trainingと、1年間の就労経験を積むことができるのも、強みかと思います!機会があれば、この経験について、記事にできたらと思います。
フルブライターとしての義務
帰国後、他奨学金団体で見られているような研究成果発表会のような機会は、特にございません。ただし、募集要項でも確認いただいているかと思いますが、フルブライトプログラムに参加した人は、2年間の帰国義務があります。これは、将来的にかき消せるような義務ではありません。
一切、アメリカに出入りできないということではなく、就職等で米国に残るということができないわけです。
例えば、フルブライトプログラムで修士課程修了し、そのまま博士課程に進みたい場合、学生VISAに切り替え可能ですが、博士課程修了し、OPTというトレーニング期間が終了次第、この帰国義務を消化するために、日本に戻らなければなりません。物理的に、自分の体が日本に2年間いる必要があるということです。
帰国義務期間中、2カ月間、アメリカに遊びに行ったという事実がある場合には、その2か月分が、後ろに延びるという感じです。
この帰国義務は、英語で2 year ruleとも呼ばれており、弁護士を雇ってWaiverといって、免除ができる場合もあるようですが、フルブライトの場合、ほぼ免除が不可能と思ってよいでしょう。
現地の方と結婚して、婚約ビザや配偶者ビザで残れるかというと、これも例外とはなりませんのでご注意を!フルブライトプログラムは、移民プログラムではなく、あくまで、日米両国の相互理解を深める人材育成のプログラムでもあるという、ベースを忘れずに、進めていただければと思います!
私も、返しきれないのですが、必死に恩返し中です!この情報発信のその一つになっております。
帰国後のフルブライトの強い繋がり
そろそろ終盤、思った以上に、長い記事となってしまいました・・・
帰国後、フルブライト同窓生として、たくさんの情報や素敵な機会をいただきます。セミナーの案内が多い印象ですが、私は、帰国後、Professional Developmentプログラムに参加させていただいたり、現在、IEAAJというチームメンバーの一員に選出いただき、全国のフルブライト同窓生を繋いでいく土台を作ろう!という、素晴らしいプロジェクトに参加させていただいております。
フルブライトプログラムは、人として、何倍にも成長させてくれた、そして、今でも、成長させてくれるきっかけとなっているプログラムです。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
最後にはなりますが、私は、フルブライト事業の大学院留学プログラム参加後、副産物として、米国作業療法免許を取得させていただいております!
医療従事者向けの免許取得をサポートするプログラムはありませんので、どうぞ、ご理解いただけますと幸いです!
夢に向かって、がんばってください!応援しています!
ALL THE BEST!!!
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