素早く、素直に謝る
…これ、簡単なようで難しいと思うんです。
私も正直、得意ではありません。
でも、それをしなきゃ始まらないシーンも多いと思うんです。
じゃ、謝るってどういうことなんでしょう?
私の個人的な意見です。
事の重大さによると思います。
例えば、ちょっとすれ違ったときにぶつかった。
ちょっとした意見の食い違いでヒートアップした。
それはその場で謝ればいいでしょう。
それが例えば、私自身が触れられたくないことをネチネチ聞かれたり。
身内のいる前で(例えば私の目の前で、私の家族に対して)とんでもなく馴れ馴れしく、勝手な妄想で身内の考えを否定したり、勝手な憶測でものを喋ったり、決めつけたり。
それって、私の家族にも大変失礼極まりない話だし、耳に届くのなんて想像が容易にできる話。
そりゃ当然本人には直接謝ってほしい、と私は思います。
と同時に、私にも謝ってほしいわけです。
人間ですから、うっかりやっちゃいけないことをすることはあります。
きちんとそこを認めてくれたら、それでいいんです。
で、私は昭和の人間ですから。
謝り方にもこだわりがあって。
メッセージツールで、どんなに真剣な文章書いて謝られても、それは謝ったことにはならないと思っているんです。
表情もわからない。
声のトーンもわからない。
言われたから仕方なく誤ってるのかもしれない。
若い世代の方は、それで済んでると思ってるんでしょうね。
でも、私はそうは思いません。
少なくとも電話、可能なら直接謝るべきだと思うんです。
合わせる顔がない、逆ギレしてる。
そういうシーンもあるかもしれませんが、きっかけを作ったのは誰ですか?ってことだと思っています。
(まあ、怒った側にも問題はあるんですけどね)
その使い分けすらできない人が本当に増えたと思っています。
で、そういう人に限って要職に就いてたりします。
私はそういった対応をされた時点で、その方への信頼はほぼ地に落ちます。
今までたくさんのことを積み上げてきたとしても、そんなの根っこから崩れます。
実はこれ、私が実際に体験した、2件の体験談です。
現時点でもその考えは変わってないし、その方々に関しては未だに嫌悪感があります。
実際顔合わせる機会がどこかであるでしょう。
でも、事が起きてから相応の時間が経過しています。
時間が経てば経つほど、その信頼は落ちていく一方です。
一度失った信頼って、ゼロになると思いがちですけど。
ゼロにはなりませんからね。
ゼロ以下になりますから。
これを取り返すのは至難の業です。
私も過去に仕事上、何回もやらかしているのでよくわかります。
とにかく直接出向いて平謝りでした。
その後長期にわたって、対応するときは最大限の敬意を払って。
やっとの思いで元の信頼まで取り戻します。
ただ。
不思議なもので、一度マイナスまで信頼を落としたほうが、信頼を回復した時には、より強固な信頼関係になるんですよね。
たぶん、そこまで織り込める人間関係になれるからだと思っています。
先の私の仕事上での、お取引様との信頼関係も全く同じで。
私は以前、産業用製造のうちのメンテナンスを担当していたのですが。
一度の失敗で、その瞬間は大ダメージです。
お客様に多額の損害を与えますから、当然ですよね。
(一番ひどいときは数千万の大損害を与えてしまいました)
でも、ひたすらに誠意を見せました。半年以上かかったと思います。
もちろん毎回電話で呼ばれるので、電話口で謝り、到着後も平謝り。
それをずーっと繰り返しました。
そうすると、ある日突然「休憩しませんか?」なんてジュースおごってもらえるようになったりして。
「失敗はあったけど、その分本当に今までよくがんばってくれますね。本当にありがとうございます。今ではうちの社員皆さんがあなたを頼りにしてるんです」
そんな日が来るんです。
その時は本当に涙が出そうなくらいうれしいものです。
信頼を回復できると、その後は「あの時はひどい目にあったけど、今じゃ想像もつかないよね」なんて笑い話で言ってもらえたりしましたし。
思い出話に化けるんですよね。
さらには、お客様、代理店様によっては「あなた自身が来てください。他の方では不安です」とまでご指名が来るくらいにまで信頼をいただけるようになりました。
…それが東北地方や中国地方、さらにはアメリカのお客様だったので、何回も遠方に行く羽目にはなったのですが。
かくして私は思うわけです。
本当に真摯に向き合うということは、逃げてしまってはダメなんです。
ここ1か月で、立て続けに2回、そういった体験をしました。
今は別にその2回の怒りにも似た不満については何とも思ってません。
ただ、信頼は失ったままです。
もう私なんて必要ない、と思われたり。
そんなこと言う奴なんていらないよ!と思われてるかもしれませんね。
確かに代わりはいくらでもいるので、それでいいとも思います。
ただ、その考えと引き換えに、一人の味方を失います。
そこでネガティブキャンペーンが始まると、一人どころではなく、10人、100人、1000人の隠れた味方をも失うことだってあるんです。
私もそんな目に遭ったとき。
別に広めるつもりはないですが、自己処理できないときは、不満は誰かにぽろっと吐き出します。(基本的に利害関係のない人に話しますよ)
でも、その人たちも「え!そんな人なら私も嫌だ!」ってなります。
それが若い子だったりすると、SNSで流しちゃうんですよね。
これは今回初めてわかりましたが、SNS時代って恐ろしいので、若者発信だと一気に波及しちゃうんですよね。
兵庫県知事の出直し選挙がいい例なのかな、とも思ったりします。
あの時は逆に世論を味方につけたけど、逆だって往々にしてあるわけです。
だからこそ、早めにしっかりした対処ができないといけない。
今の時期だからこそ、SNSとリアルの使い分けがしっかりできない人は淘汰されるんだろうな、と思う今日この頃です。
若い世代の方たちだって、そういう考えだと思うんだけどね…