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通学路で

DAY.11


わたしは
中学生の時
見た目も中身も
大人びていたようであった


早く自立したかったのか。
 

受験する高校を決めるとき
家から遠いほうを選んだ
 

親との関係性が
悪かったわけではない
 

同じ学力の2校 

ひとつは自転車で15分の距離
ひとつは電車を2つ乗り継いで1時間半

後者を選んだ



高校一年になってすぐ

気になったのは

通学中

毎朝

ひとりで学校まで歩いてる

同じクラスの同級生


すらりとした姿勢
ヘッドホンつけて
歩いてる雰囲気に

いつのまにか虜
 

同じ時間になるように歩き

おはよう

挨拶だけして
別々に歩く

そんな日が続いた
 


努力の甲斐あって?

挨拶だけの関係が

一緒に通学路を歩く仲にまで

発展した
 


クラスの中では
彼は
誰とでもにこやかに話しているように見えた

それでいて
グループで騒ぐでもなく
 

ひとりの時間も多い


そんなところも
好きだった
 

通学路
 

行きも帰りも

一緒に歩くようになって
 

しばらくした頃
 

駅のひっそりとした階段で
 

告白された
 

嬉しかった

  


けれど

あの時夢中になった

ひとりで通学路を歩く姿は

もう見れなくなった
 


(いや、自分のせい!)
 

 



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