時間を浪費するという特権
今の世の中は効率性を追求することで成り立っていると言っても過言ではありません。
少ない時間でいかに生産性を上げるか。
少ない材料でいかに品質を担保するか。
最小のエネルギー投入量で最大の成果を得るにはどうすればよいか。
このような、無駄を極限まで排除し、効率化を最大限に高めるという思想は現代社会において主流の考え方となっています。
このこと自体は素晴らしいことだと思います。
私たちの生活をより豊かに、より便利にするプロダクトやサービスは、このような思想を持ち、飽くなき探求心でイノベーションを追求する起業家たちから生まれてくるものですし、企業が効率性を追求することが一国の経済の発展にも大きく寄与していることは疑う余地のないことだと思います。
しかし、我々人間という生き物は決して効率性のみを追求して生きているわけではありません。
私たち人間は、様々な回り道や失敗、試行錯誤の末に悟るもの、退屈する時間がもたらす感情、悩みにとらわれ前に進むことができない状況から気付くことなど、効率性とは真逆ともいえる「時間の浪費」からも多くのことを学びとりながら生きています。
そして、このような、一見無駄のように思える「時間の浪費」から学んだことこそが人生の彩となり、豊かさとなり、私たちの人生をかけがえのないものにしてくれるのだと思うのです。
効率性を追求するあまり心の潤滑油が足りなくなったと感じたら、時間との付き合い方を見直してみるチャンスだと思います。
効率や生産性に拘泥することなく、時間を味方につけ、焦らず、悠々と人生を歩んでゆく。
これが、真に成熟した投資家の姿といえるのではないでしょうか。
かくいう私もまだまだ修行中の身です。
みなさまと一緒に精進していけたらと思っています。
拙著をお読みになって、その第一歩を踏み出していただけたらと願っています。
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