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Open AIは検索エンジンでGoogleやPerplexityに対抗したい
Holger Schmidt, Frankfurter Allgemeine Zeitung, 2024-11-1
OpenAIは、GoogleやPerplexityに対抗する新しい検索機能を発表した。この新しい検索機能により、ユーザーはスポーツの結果、株価、ニュース、天気予報といった最新の情報にリアルタイムでアクセスできる。この情報には情報源が明記され、追加の検索結果も表示される。この機能により、すでにインターネットへのリアルタイムアクセスを提供しているMicrosoftのCopilotやGoogleのGeminiといった競合と対等になる。
例えば、Appleの株価を尋ねると、インタラクティブなチャートや今後の決算発表の情報、関連するニュース記事へのリンクが提供される。サンフランシスコのイタリアンレストランを検索すると、推奨店舗が表示されたインタラクティブな地図が現れる。いずれの場合も、追加の質問でさらに結果を絞り込むことができる。
フランスの新聞「ル・モンド」のCEOであるルイ・ドレフュス氏は、「AIによる検索が近い将来、そして今後の世代における主要な情報アクセス手段となると確信している。このOpenAIとのパートナーシップにより、ル・モンドはこの変革の先駆けに立つことができる。これは、ジャーナリズムの基本的な価値と信頼性を維持しながら、早期段階でイノベーションを試す機会を提供してくれる」と述べた。「ル・モンド」はOpenAIのコンテンツパートナーの一つであり、このAI検索機能を通じて自社の情報を提供している。
AI検索の回答には、ニュース出版元や他のデータソースへのリンクが含まれており、OpenAIが契約を結んでいる情報源が明示される。たとえば、サンフランシスコの週末のイベントについて検索すると、地元のニュースサイトからの情報が表示され、追加の質問でレストランの提案が提供される。選挙結果について尋ねると、AP通信やロイターなどの信頼できる情報源からの情報が引用されるという。
しかし、初期のテストでは明らかなエラーも見つかっている。例えば、FCバイエルン・ミュンヘンとバルセロナのチャンピオンズリーグの試合について尋ねた際、出場していない選手が評価されたり、誤った選手交代が報告されるといったミスがあった。これにより、OpenAIの検索機能はまだGoogleやPerplexityのような競合と完全には肩を並べていないことがわかる。
ユーザーは通常のチャットとWeb検索の選択を強いられることはなく、システムが質問内容に基づいて自動的にWeb検索の必要性を判断する。ただし、ユーザーが手動で検索を開始することも可能である。この検索機能はMicrosoftのBingを含む様々な検索技術を組み合わせて構築されており、基盤となるモデルはGPT-4の調整版である。この機能は2024年7月に「SearchGPT」というプロトタイプとして最初に10,000人のテスターに提供されていた。それ以前は、ChatGPTの知識は2021年または2023年までのデータに制限されていた。
リアルタイム検索をChatGPTに統合することで、OpenAIはより包括的でインタラクティブなユーザー体験を目指している。これにより、ユーザーがAIを通じて直接最新情報にアクセスする方法が大きく変わる可能性がある。この進展により、検索エンジン業界における競争もさらに激化するであろう。OpenAIは検索機能をさらに改善する計画を立てており、特にショッピングや旅行分野での検索精度を高める意向を示している。また、拡張された音声モードや、ログアウト中のユーザーにもChatGPTの検索機能を提供する予定である。
一方で、AIによる要約機能には出版業界からの批判もある。ChatGPT SearchやGoogleのAI要約機能が、情報元のウェブサイトの訪問者数に影響を与える可能性があるからだ。ある調査では、AI要約が出版社の訪問者数を約25%減少させる恐れがあると指摘されている。OpenAIはこの問題を認識しており、パートナー出版社からのフィードバックをもとに、検索結果の要約方法や引用の長さに配慮するようにしている。