『この世界は不完全すぎる』左藤真通
作者の左藤真通は、2015年から漫画家として活動していますが、漫画の原作者としても活躍しており、「将棋指す獣」や「しょせん他人事ですから 〜とある弁護士の本音の仕事〜」などを手掛けています。
「この世界は不完全すぎる」は、2020年5月30日からWebマンガ「コミックDAYS」で連載されており、2024年8月現在で13巻が発売されています。
アニメ化は、2024年7月6日から9月28日まで、全13話で放送されました。現在、ABEMAで視聴できます。
主人公ハガは、発売前のVRゲーム『キングス・シーカー・オンライン』のデバッグ業務を行っている株式会社ニシマテックの社員だが、ゲームからログアウトできなくなってしまった。デバッグ業務を行っていた多くは業務を放棄したり、ゲームのバグにはまり込んでフリーズしたりする中、ひたすらデバッグ業務を続けていた。バグを修正し、ゲームをクリアすれば無事脱出することができるのか。
敵モンスターの絵が、なんともお粗末で、これをドラゴンと呼ぶのは、あまりに無茶だし、まったくもってアレとしか見えず、コンプラ違反ギリギリアウトだと思います。
このM字開脚のモンスターもやばい。
一方で、デバッグシートはやたらリアルで、ひたすら地道なデバッグ作業の内容や、新しい出会いがとても面白く、多少のことは勘弁しようと思います。デバッグシートは、カバーを外した本体表紙、本体裏表紙に描かれており、各巻で見つかったバグが書かれています。
突如最下層に飛ばされる地下1000階のダンジョンの名前が「ザ・ダイヤモンド」というのが、ウイザードリィを連想させますね。
通常このような話では、主人公にチートスキルやチートステータスが備わり、ハーレム状態になってしまうことが多いのですが、唯一のチートである「デバッグモード」の使用を拒み、通常モードでの攻略に徹するところが、逆に新鮮です。だって、この世界でデバッグモードでハマると、こんなことになってしまうのだから。
今のところ順調に話が進んでおり、今後の筋立てもしっかりしているようなので、20~30巻あたりで完結してくれることを期待しています。