オンライン吃音Bar(リモート飲み会)をやってみて気付いたこと

リモート飲み会告知

先日、「オンライン吃音Bar」という名の下、主に吃音症を持つ方々を参加対象に初の「リモート飲み会」を開催しました。実際にやってみて気付いたことをメリット・デメリット合わせて思い付く事をまとめてみました。
また、このリモート飲み会が「オンライン当事者会」という側面も持ち合わせていた点、どちらも共に初の試みであったという点、筆者も吃音症の当事者であるため当事者有利なバイアスが掛かっているという点などを前提として踏まえて上で文章を読んで頂けると幸いでございます。

●今回の気付き(メリット)
①終電を気にしなくて良い
②立地を気にしなくて良い
③周りの騒音を気にしなくて良い
④途中退出(途中参加)のハードルが下がる
⑤アルコール摂取の強要が起きにくい
⑥不適切な言動を繰り返す参加者を退出させることが容易

●今後の課題・反省点(デメリット)
①事前準備が面倒*(後述で補足します)
②ホストの負担が大きい*(後述で補足します)
③入退室の自由化が一方で無秩序に繋がる可能性あり
④終わりの時間を決めないとエンドレスになる
⑤Uber Eatsの使用は都市部でなければ難しい
⑥同じ食卓を囲み、同じ釜の飯を食らう事で深まる関係性は確かにある

●吃音者がオンライン当事者会を行うメリット
①物理的な参加ハードルが下がる(※特に地方在住者にとっては◎)
②チャット機能を用意する事で発話の流暢性に著しい困難や不安を抱えている当事者にとっても参加ハードルが下がる。また、チャット機能があるだけで発話が困難な場合のリスクヘッジ(安心感)に繋がる
③途中退出(途中参加)のハードルが下がる
④差別や偏見に増長に繋がる発言や、当事者会のルールに違反する参加者がいた場合の退出対応が容易(ホストは参加者を退出させる事が出来る)
⑤ツールの特性上、相手の話を最後まで聞く、話を遮らない、交互に意見を述べるといった空間作りが容易

●吃音者がオンライン当事者会を行うデメリット
①電話に対する苦手意識から参加を躊躇う方がいる可能性
②顔出し必須の場合にインターネットでの顔出しを躊躇する方がいる可能性
③カメラなし、マイクなしの参加の場合になりすましが発生する可能性
④家族や同居人に吃音をクローズにしている場合、参加が難しい可能性
⑤個人情報の保護が難しい(画面キャプチャ/録音など)

事前準備が面倒
①環境面の準備として、
・Zoomのアカウント作成
・PC、スマホへのクライアントソフトのインストール
・必要に応じてWebカメラ(マイク)の購入
・飲食物の準備
・家族や同居人がいる場合は周囲の人間への理解を求める必要あり
②ホストの負担が大きい
・Zoomのアカウントを有料プランへ切り替えを行う必要あり(月2000円)
・ミーティングの立上げ、参加者へURLの共有
・参加表明があれば都度、認可する工程が発生する
・必要に応じたブレイクアウトルームの提供(閉鎖)
・不適切な言動をする方がいた場合、強制退去を行うなど

補足
●使用ツール:Zoom
●参加者:事前にGoogleフォームまたはDMで参加希望のあった方々
(主にTwitterを用いてイベントの告知を行った)
●時間:20:00~24:00で時間を設定し入退室は自由とした

所感
飲み会に関しては金銭を受け取る対価としてサービスを提供して下さる飲食店のありがたさに改めて気が付かされたのと、「Bar」という名前を使い演出を行うのであれば、他にもっと出来る事があったのではないか?など、
ただ居場所を作るだけでは、面白味に欠けるのでより企画を練って行きたいなと感じました。当事者会は課題感に関して改善するためのアプローチを続けるのと、チャットが使えるってやっぱ最高だなと感じました。以上

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