【お蔵出し】HSTN2018 フィーチャリングNTR
今年自然災害多すぎじゃねまじで?だれも目撃してないだけでゴジラが暴れまわってるに違いない。
ウルトラ系だけでもオンタケ100、村岡ダブルフル、えちごくびき野(←New!)が中止。
日本山岳耐久レース(長谷川恒男カップ)も24号・25号のダブルタイフーンとかち合うことになった。
特にハセツネ前週末の台風24号の被害は甚大で、ヲッサンの住む静岡県では台風明けの月曜日、電柱倒れまくりでかつてない大規模停電!ぶっちゃけ職場は一日停電Σ(゚Д゚)
そんな10月1日、ハセツネコース大丈夫かな~?無事なわけないよな~?と思いながら電気ないから仕事もできずにスマホを覗いたわけですよ。
( ゚д゚)引き返すんごー。
( ゚д゚)引き返すんごー。
( ゚д゚)引き返すんごー。
( ゚д゚)引き返すんごー。
( ゚д゚)引き返すんごー。
ヒキカエスンゴー。
これアカンやつだ…。2500人のランナーが入っちゃいかんやつだ。
オワタ。ハセツネマジオワタ。
はい。ハセツネなくなったものとして3連休の過ごし方を考え直してました。
「倒木多数コースボロボロに付きレース中止のお知らせ」が出るものとして、ロードで箱根峠から豊橋まで走る計画、やるなら今だ!ですよ。
青春18きっぷで東海道線の旅しても、高速道路で移動しても「東西に長杉るわ(# ゚Д゚)」と理不尽なヘイトを集める僕らの静岡県ですが、神奈川との県境から愛知の県境までおよそ170kmって知ってました?ここを走りきったら余裕でマイラー名乗れるですよ。
こじらせまくってるヲッサンのマイル童貞、捧げるならコレしかないら~。とか思ってるのでヲマエラ絶対真似すんなよ?もし真似してんのSNSで見つけたらソッコーで「ヲレのアイデア真似してんじゃねーぞゴルァ(# ゚Д゚)」ってコメントするからな?
ちょいと脇道にそれたけどね。ハセツネ運営する都岳連のおじちゃんたち、いまだガラケー派で「FBって何?」「インスタ美味しいの?」で情報発信力は低いけど、山には絶対嘘つかない人たちだからさ?「このトレイルに2500人通せるの?通していいの?」ってところは絶対に、マジクソ絶対に間違えない。そんであの名取君のツイート見たら、普通はもう「ハセツネ中止のお知らせ」になるわな。
だけど。
しかし。
ガラケー派のおじちゃんたちなめてはいけない。
こいつをね。
こうしてね。
こうするの(@金毘羅尾根)
写真提供、usako様
日本よ!見たか、コレが!ハセツネだ!!
ガラケー派SNS使わないおじちゃんたち、こっちの予想の遥か上を行きました。
レース前週の平日、毎日山に入って「ツネオさんのためならエーンヤコーラー!」とばかりにコースの倒木を80本以上除去してしまったのだ!
※一方KOUMIは迂回路を設定してコースを延ばした。
たぶんね。
名取くんのツイートを見て山に入ったなんてことはないと思うよ。
山にだけは絶対ウソをつけないおじちゃんたちだから、クソ強烈な台風24号通り過ぎて月曜日にソッコー山に入ったんだよ。「このままじゃ2500人通せない」「どうすっぺよ?」「あと6日ある。楽勝だぜ!」そうやって人手と道具集めたに違いない。
ハセツネ走ったことあるひとなら分かるよね。あそこにチェーンソー担いで入るんだぜ?
頭なんて上げられるかよ。
ならば、ヲレたちは全力で遊ばせてもらうのみ。
しかし台風25号が日本海側に抜けていくと西東京はクソ暑くなる。最高気温は30℃を超えるという予報だ。
面白いね。上等だよ。それでこそ冒険だ。さあ、楽しませてくれ。ヲレは2.5リットルで攻めるけどな。
気がついたら片道4時間の旅を終えて会場にたどり着いていた。
セーフティーなスタート位置。しかしハセツネのスタート位置のプラカード係はどうやってこんな美女を揃えるんだろう。
「周りの選手がみんな速く、強く見える」トレランあるあるなんだけどさ。
ヲッサンすっかり心が汚れて目ん玉濁ってるからね、「10時間の列人数大杉!ヲマエラ盛り杉!沢山食えそうだなジュルジュル!」という感じです。戦いはスタート前から始まってるんだ。
いや違うね。
決着はスタート前についてるんだよ。あとは再生ボタン押すだけ。
ファー!再生ボタンがクリックされた。昨年のチャンプ、上田瑠偉君とハイタッチしてから計測マットをまたいだ。2分20秒ぐらいか?
ハイ、ここから長いのでとばしていいです!
レースプランはとにかくセーフティー。まわりのペースはあまり気にしなくていい。ハセツネ3回目だしな。最初のロードはまあまあとばしていい。スタート位置盛ってる連中をガンガンぬいてけ。太鼓とお囃子してる地元の皆さんのとこまで行けば渋滞になって休めるからね。
広徳寺トレイル。普通に渋滞。GTMBのNさんと並んで世間話。「夏が戻ってきたね」とかなんとか。でもヲレ酷いやつだから。ちょっと隙間を見つけたら挨拶もなく小走りで前に出る。ジリジリしてから小ダッシュで前に出る。そんなことを何度か繰り返したら変電所のロードに出た。
ここからがいわゆる今熊ダッシュ。今熊神社までは好きなようにぶっ飛ばせる。
最初のトラップだ。ここでぶっ飛ばすのはモブオブモブ。前を行く女子選手のザックのファスナーが空いてるのに気がついたクソ紳士のヲレは「チャック開いてるぜ?」とペースを落として直してあげる余裕を見せる。
今熊神社からまたしてもシングルトラック渋滞。でもヲレたちモブランナーにとっては渋滞は休憩スポット。渋滞のまま進んでいくと、奥宮俊介・北島良子の2015年ハセツネチャンプペアが倒木による迂回路案内のMCをしている件。そうか、開会式にいなかったのはこのお勤めのためなのか。
「北島さん、いつものやつお願いします!」誰かが声をかけたのでね。「全部気のせい!痛いのは気のせい!苦しいのも気のせい!」という例のアレが聞けた。そうだよ。ハセツネにはこれがないとね。「すげーな。こんな受けるのかよ」とおっくんが呆れてたのが笑えた。北島さんと両手で握手して、おっくんとハイタッチしたよ。
渋滞の中で入山峠をジリジリと進む。見たことのある顔が踊り場で立ち止まっていた。
UTMF富士吉田エイドで一緒に誘導してたよね。聞けばここまでにすでに水分1L使ってて月夜見までが危ういって話だ。水が足りなければペースを落としながら体を冷やさないように気をつけながらゆっくり進むしかない。
ヲタク系ランナーのヲレから言わせれば、ハセツネはダンジョンアタックだ。2500人のランナーが同時にそれぞれ全く違うモンスターと戦うウィザードリィオンリアル(゚∀゚)
市道山からの下りで毎回思う。下り苦手な人はルートファインディングがアレなんだな。道幅のある短い下りで10人ぐらいは余裕でちぎれる。階段と足場の悪いトレイルを選ぶとき、みんなわざわざ足場の悪いトレイルを連なって下るので階段を下るだけで余裕でぶち抜ける。
しかし調子に乗りすぎて悪路を選んでオーバーテイクしようとしてこの日初めてコケた。つーか飛んだwwww。
吊尾根越えたら醍醐丸だ。今年は例年にまして応援が充実しており!狭い道幅で両側に応援がおり!つまり両手でハイタッチとかヒーローか?エリートランナーじゃあるまいし!
というなかなかいい気分を味わったのだけれど、地獄の蓋が開いたのもここからだ。
道端で体育座りする選手。
草むらに身を横たえるリビングデッド。
お前らスタート位置盛り杉!序盤頑張りすぎ!
とも言えるんだけどね。やはり高温にやられたのか。それとも背負った水分の量が大杉でくたばったのか?去年も一昨年もこの時点でこんだけくたばってるヤツいない気がするし。
生藤山は夕陽がきれいだったけれど、なぜかここで声をかけられる。
「バンチョー!ブログ読んでるよ。」
マジカ( ゚д゚)?ヲレのブログはどの層に届いているのか?そういえばスタート前おにぎりもぐもぐしながら校庭を歩いてたらtwitter繋がりのalekiさんにも声かけられたっけ。
この日の天候について感想を述べるけど。
確かにスタートしてしばらくは真夏かと思うような暑さだったんだけど。
ヲレはもっとやばい日を知っている。8月に仲間で試走に行ったときは湿度がドチャクソ高く、走れば走るほどにに汗が滴り落ちて醍醐丸あたりでだいぶ心折れたんだけど、それと比べたらただ気温高いだけで湿度は全然低いしヲッサンとしてはぜんーぜん戦えてる。
をっとイケナイ。その時一緒だった仲間は二人共今回DNFなのだが。
浅間峠についたのは昨年から20分遅れ。ただモブランナーとしては時計を気にしすぎるのは良くない。20分遅れでも全然気力体力に余裕があるし。
ここまで上半身ノースリーブ一枚だったけど汗冷えが怖いからドライレイヤーを着込む。そしてヘッドライトを装着。
槙寄山まではただ力を蓄えるムーブ。そして三頭山へ。
コース中最高の標高の三頭山だけど、実際はラスボスではない。ただ高いだけだ。あくまで主観だけど。もちろん楽な山じゃないけどさ。問題は三頭山で色々削られたあとなんだよね。
削られたダメージは三頭山の後で出る。鞘口峠を降りて、奥多摩周遊道路へ出る手前で両前腿が攣った。よりによってこんな細いトレイルで。2runを飲み下した。歩けるか?ダメです。後方からの選手の気配があったので斜面に身体を預ける。まじ痛え!アァァァァ!しばらく悶絶して、電解質が全身を巡ったのか復活。行くぜ月夜見へ。
ヲレにとっての鬼門は月夜見のあとにそびえる御前山。例年この登りで睡魔に襲われる。流石に学習したのでボトルの麦茶最後の一口でカフェイン錠剤を流し込む。
例年水分1.8リットル持ってスタートしてるけど、今回ばかりはビビって2.5リットルにした。
結局月夜見までに使った水分は2リットル。
とっくに陽は落ちてるけど、今回は珍しく霧がない。コース上の湿度は低くて日中の暑ささえ乗り切れば意外とイージーだ。ハセツネは厳しいレースだけど、いいとこ探しをすれば案外楽しく前に進めるもんだよな。
カフェインバッチリ入れたから睡魔に襲われることはなかったんだけど、さんざん削られたモブランナーの脚にはやっぱり御前山の登りは辛い。ポールを使ってる選手がガシガシ登ってるのを見てるうちに試してみたくなったので、そのへんに落ちてる木の枝を即席ポールに採用してみた。
一本使ってのぼる。うーん、まあないよりはマシなのかなあ?
いい感じの木の枝をもう一本発見してダブルストックにする。
なにこれ?全然楽なんですけど?(゚∀゚)!
スイマセン。今までポールなめてました!来年はポール使おうかなwww
シマノが良いの?それともブラックダイヤモンド?
分かりづらくてもトレッキングポール。このあと大岳山のくだりでさよならした。
そんな感じでついにたどり着いた日の出山。
正直、気持ち的にはゴールは日の出山でもいいと思ってた。
日の出山にたどり着いたということは、ダンジョンの最深部の宝箱の前に立ったと同じことだから。
2001年宇宙の旅だったら、HAL9000の叛乱に勝利してボウマン船長が木星にたどり着いたところ。
イデオンだったらイデオンvsガンドロワが終わってコスモもカーシャもみんなマッパになるところだぜ。
金毘羅尾根はご褒美。
金毘羅尾根は別腹。
しっかり楽しむためにカフェイン200mg入の奥の手のジェルをぶち込んだ。
荒い呼吸をしながら撃墜数を数え始める。
一つ。
二つ。
三つ目のターゲットはなかなか頑張ってるね。
ヲレに捕まる前に二人抜いて五人目になった。
階段エリアを過ぎて右に大きく曲がりながら5人目を捉えた。
ヲレについて走る気配があった。
だが遅い。お前はこのクダリバンチョーにとってモンキーなんだよ、ジョジョ!
下りをぶっ飛ばして、小さな登り返しも走ったら簡単に引き離せた。
ついに来たよ。無敵タイム。この10kmのために60km移動してきたんだ。
熱を持った身体にボトルの水をかけながら次の獲物を探す。
ハイ、ここまでとばして大丈夫ですよ~
スタッフさんの
「残り1.8kmです」
に対して
「もう終わっちゃうの?」
とお約束の返答をして市街地に入るバンチョー。
胸ポケットのボトルに残ったスポドリを一口飲んでから側溝に流して捨てる。
後ろを振り返っても選手の気配はない。
記録は振るわなくとも、サバイバルレースで生き残った上で金毘羅尾根無双できたんだから今日は最高のハセツネだ。
そう思っていたら!えー?小柄なピカチュウが追いついてきたんだけど!
ちょ!おまwwwww!
スプリント勝負か?しかし!
最終コーナーを右に曲がり、フィニッシュゲートまでの間に5秒の差をつけられる。
いい年こいたヲッサンが最後の最後にぶち抜かれて「チキショー!」と叫ぶ。
全くハセツネって最高だよ。
でもな。
見事だNTR!
だがな!
貴様が勝ったわけではない!
スタート位置のおかげだということを忘れるな!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?