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お別れ、そして感謝

みなさん、こんにちは。福谷です。

私ごとですが、今月21日、祖母が亡くなりました。86歳でした。
昨日までは、決して癒えることのない悲しさや寂しさを感じつつ、葬儀、告別式と慌ただしい日々を過ごしていました。

祖母の死を記事にするのはどうかなと思っていますが、それでもこうして書いている理由は、それ以上に「感謝」をお伝えしたかったからです。

その「感謝」は、祖母が試合を観にきたときに受けた「優しさ」への感謝です。


僕がnoteを始めたのは2021年3月、マツダスタジアムでの開幕戦に登板した後のことでした。
開幕投手だったということもあり、祖母は広島まで観に来てくれました。
足があまり良くなかった祖母は、「試合はもちろん良かったけど、スタジアムから駅に向かうときにカープファンの人たちに手伝ってもらって、いろんな話もできたし最高の旅になった」と話してくれました。
多くの方にサポートして頂き、祖母にとってかけがえのない観戦旅行になりました。
「サポート頂いたカープファンの方への感謝の気持ちを文章にして伝えたい」という気持ちから最初のnoteが生まれました。

その観戦旅行をきっかけに、祖母は僕の試合を観に行くことを楽しみに、そして自身の元気の源にしてくれるようになりました。
ナゴヤドームで先発するときは、ほぼ100%応援に駆けつけてくれていたんです。

そして昨年8月23日、シーズン初先発をした東京ドーム。
僕の野球人生が変わったかもしれないあの試合には、マツダスタジアムでの開幕戦に来た広島以来はじめて、祖母が応援に来てくれてきました。
というのも僕が「最後の登板になるかもしれないから、遠くて大変だけど見に来てくれない?」と聞いたのが始まりですが、祖母は東京へ行くことを即決してくれました。
試合後、祖母が宿泊しているホテルの部屋で、コンビニで買ったおにぎりやお酒で乾杯したこと、そしてそのときの祖母の本当に嬉しそうな表情を、僕は一生忘れることはないでしょう。

それからマツダスタジアム、横浜スタジアム、神宮球場と続きましたが、すべての試合に祖母は駆けつけてくれました。
昨年は先発4試合で3勝できましたが、祖母の力あってのことだと思います。


「駆けつけてくれた」とカンタンに書いてしまいますが、足があまり良くない86歳の祖母にとって、その道中は決して易しいものではなかったはずです。
同行していた僕の母もサポートしてくれていましたが、それだけでは足りなかった瞬間はあったでしょう。

試合後、祖母に「道中大丈夫だった?」と聞くと「相手チームのファンの人が手伝ってくれた」「駐車場の警備の人が本当に親切で差し入れまでもらってしまった」といったエピソードをいくつも教えてくれました。
自分の大切な人を大切にしてもらえることは、自身を大切にしてもらうことと同じか、それ以上に嬉しいことなんだと実感しました。
お名前もお顔もわからない人たちへ、直接お礼をお伝えすることがむずかしいため、この場をお借りして感謝の気持ちをお伝えさせてください。


本当に、本当に、ありがとうございました。


僕が移籍することに対して、「行くのは大変になるかもしれないけど、行ったことのない球場に行けるのは楽しみだし、もし投げるなら絶対行くから呼んでね」と祖母はこのお正月に話してくれていました。
しかし、残念ながら北海道に来てもらうことは叶いませんでした。とても辛いです。
ですが、「どこでプレーしていても、きっと祖母は天国から応援してくれている」、そう信じています。
そして、祖母が来れない分、母や家族にはできるだけ来てもらって、スタジアムの良さ、野球の良さを存分に感じてほしいです。
僕ができるのは、そのために全力を尽くす、それしかありません。


沖縄へ向かいながら、このnoteを書いています。
キャンプインまであまり時間はありません。
徐々に気持ちを切り替えて、気持ちの面で出遅れないよう過ごすつもりです。

今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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