福祉応援家サンママのつぶやき 【創造できない不安】
前回の【人はなぜ安心したいのか】記事の続きになります。
今回は【想像できない不安】を介護士としての私の考えを書かせてもらいます。
少し前、2021年秋の総務省統計局から発表された日本の高齢者人口は3640万人。全体の人口率の29.1%となります。
なんと、2020年からの一年で約23万人。
100歳以上の高齢者も多く居られます。一日でも長くと日々携わっている、家族や医療福祉従事者の皆様あっての数字だと思いますが、今以上に問題となってくるのが高齢化が進むこと。
加齢が最大因子である認知症を伴う高齢者人口です。世界では3秒1秒がが認知症になっているとも計算されています。
認知症とは、「記憶障害の他に、失語、失効、失認、実行機能の障害が1つ以上加わり、その結果、社会生活あるいは職業上に明らかに支障をきたし、かつての能力レベルの明らかな低下が明らかな低下が見られる状態」と定義されています。
今後の日本はますますの超高齢者社会。認知症患者様への対応スキル向上が引き続き重要です。
前回の記事である。【人はなぜ安心したいのか】。
この人のくくりには、当然ですが認知症患者の方も該当します。
その記事で、人が不安を感じる要素は大きく分けて3つと書きました。
①過去の失敗を思い出させる
②経験が無い為に未来を創造せきない
③知識が無い為に判断できない
認知症の症状の一つとして、短期記憶の欠如があります。個人差がかなりありますが、認知症が進行するとと共に数分前、数秒前の記憶も覚えてないという事があります。こうなった場合、外には出たけど何処に行こうとしたのか。何をしようとしていたのか。現在進行形で何をしていたのかが分からなくなる方が居られます。介護をしている方であれば、皆さん経験があるかと思いますが、認知症の方との関わりの中で「繰り返し同じ事聞かれる」事がありますよね。
これは不安を感じる要素である、②経験が無い為に未来(良い状況)を創造できない。③知識が無い(あったとしても思い出せない)為に判断できずに、どうしたら良いか分からないから。認知症であっても、不安を感じる要素は何も変わらないのです。
さらに、認知症でなければ①過去の失敗を思いだす事が可能ですが、病気の症状により思い出すことが出来ない。過去に経験や知識があっても、その事を思い出せない。多くの事が初体験なのです。
仕事をしていると、「この方は問題行動があります」と聞く事があります。
例えば、徘徊、トイレでは無い場所での失禁、暴力、暴言、収集癖などがあげられますが、これらは全て一人一人の【安心したい】という心理からの行動。
では、認知症の方を支えていくスキル。どうしたら安心を感じてもらう事ができるのか。その為には、、、
①観察・・・実際に目で見る
②洞察・・・目では見えない所を見抜く、気付く
③想像力・・・今後を思い浮かべる、予測する
相手の未来(今後)を創造できるスキルを身に着け、良い状況を創っていく事です。
その為には日々の関わりでありコミュニケーションが不可欠です。認知症だから難しいよね・・・ではなく、人って難しいんです。問題行動があるからと制限したり、関わりを辞めるのではなく、問題行動があるという事は何かに不安を感じているサイン。観察し洞察し、創造してみてください。
何が心配で何が不安なのか。自らの過去に経験も五感もフルに利用して相手を知るスキルを身に着けてください。
長くなったので今回はこの辺で。
次回は【介護士に必要なスキルは想像力】と鍛え方について書いていきたいと思います。