福島フェスの作り方 〜創立/初めてのコンテンツ作り〜 vol.4
2013年の7月の「earth garden夏」の一画を間借りして「福島フェス」の開催を企てた我々。とはいえ、今回はイベントの一部を"間借り"したような状態なので、ゆくゆくは自分たちだけの力で福島フェスを開催したい!という気持ちも込めて、今回のイベント名を「福島フェスmini」と名付けました。
来るべき自主開催に向けての第一歩です。
間借りのイベントなので、当然のごとくステージも間借りです。我々はアースガーデンと交渉をして、1日1枠のステージ時間を頂くことができました。
ステージアーティストを決めるにあたり、やはり「福島出身」のアーティストを呼んでPRしたい!ということで、遥か昔、高校生の頃から聞いていた「TOKYO NO.1 SOUL SET」のギター・ヴォーカルで、富岡町出身の渡辺俊美さんと、その頃"福島県出身の女性シンガーでグイグイきているよ!"という触れ込みで、実際の音楽も素晴らしかった若手の(今や全国区ですが)、福島市出身の片平里菜さんと交渉をし、「福島フェスmini」のアーティストとして出演をしていただくことができました。
このお二方は(2020年)今現在でも福島復興を志しに歌い続ける男女のツートップと言っても過言でないほどの活動と活躍を続けており、その心意気と魂に頭が下がるばかりです。両者ともに、ほぼ2つ返事でご出演を快諾いただいたわけなのですが、人から見られる立場のお二人が、このような(その時は)得体の知れないイベントに即答でご出演いただくことに、どんな場所でも福島を広めたい、という深い気持ちを感じざるを得ません。
また、アースガーデンのNさんにご紹介を頂いた「プロジェクトFUKUSHIMA」という著名アーティストが中心となり活動をしている復興プロジェクトの方を紹介いただき、福島フェスMiniの会場フロア内で「ええじゃないか音頭」と言われる参加型の盆踊りを披露してくれることになりました。
1日のボリュームとしては"福島フェス色"を出し切ることはできないアーティスト数だとは思いましたが、2013年当日のことを振り返ると、準備のあれやこれやでとてもじゃないですがステージ全枠を埋めることなど到底無理だったと思います。
なので、実際にステージ枠をいただけただけでもその当時は満足でした。
福島フェスmini当日のタイムテーブルはこちらです。
ちなみに代々木公園のフリーフェスには福島フェスをやる前から何度か足を運んでいた僕でしたが、その中でも一番印象に残っているのが2000年に行われた「HAPPERS ALL STARS」というイベントで、出演者がAUDIO ACTIVE、DRY&HEAVY、THA BLUE HEARB、1945、、、、錚々たるラインナップに心を打たれ参加し、あのほんわかした代々木公園の景色を変えたLIVEに度肝を抜かれたのを覚えています。僕のフリー野外ライブの原体験はそのイベントだった気がします。(今思うとあの音量規制の厳しい代々木公園でよくあんなDUBのイベントができたよなと思いますが)、、、余談。
ミュージシャンも決まり、次はデザインと装飾です。
福島フェスを一緒に進めているメンバーの爲永の仕事がアートディレクターなので、自然な成り行きで彼がデザインその他を進めることになりました。メインビジュアルとなるフライヤーデザインは、爲永のアートディレクションの元、イラストを石森康子さんが手がけ、もちろんデザインは爲永。
完成したフライヤーはこのようなデザインとなりました。
今となっては「赤べこビアガーデンってなんなんだ!?」と思いますが、その時は野外で福島の食と酒をビアガーデンのようにゆっくり楽しんでもらいたい!というニュアンスでこんなコピーにしたんだと思います。
勢いでColemanさんのお知り合いの方に連絡をして説明をしたところ、快くテーブル」・チェアのセットを貸し出ししてくれました。ありがとうございます!
また、せっかくの "祭" なので、雰囲気もそれっぽくしたいよね!ということで、福島フェスのオリジナル提灯を作ってテントに設置し、夜は提灯に光が灯るようにしてもらいました。もちろん提灯の色は赤です。
(結果その辺りの施工経費などが重くのしかかりましたが)
また、柳津町との交渉で、大きな赤べこを会場に持参してもらうことも決まりました。
飲食ブースも、地ビール・ラーメン・串焼きなど少しずつ手を挙げてくださる方々が現れ始めてきました。そんな中、せっかくなので我々のオリジナルコンテンツを飲食でも出せないか!?という話が持ち上がりました。実行委員主導のお店があれば、利益を予算に回せます。
まぁ、結果的にいいと、飲食の運営なんてそんなに甘くないのですが「飲食ブースtかやってみたら楽しいんじゃないか?!」というノリでしかない考えで、こちらも先輩や知人のつてを辿っていくと、とあるグルメ研究家の方を知り合いまして、その方が是非協力をしたいと言ってくれたので打ち合わせをしたのですが、その打ち合わせで知ったのは、飲食業回でも復興支援の輪は広がっており、有名シェフが現地に炊き出しに言って特別メニューを提供したり、シェフ同士のつながりでイベントを開催し、イベントの飲食売上を寄付したりなど、実に様々な活動をされているということでした。
では、そういう志の高いシェフの方に集まっていただき、福島の食材を使ったスペシャルメニューを提供するという企画はどうだろうか?という話になり、その料理研究家の方から各シェフにお声がけをしていただくことになりました。
すると、参加してくれると手をあげてくれるシェフの数がどんどん増えていき、遠くは長崎からわざわざ来ていただくことになったり、フランス人の有名シェフが参加してくれたり、寿司職人の方が参加してくれたりと、飲食業界人ならびっくりのラインナップになっていきました。
こちらが当日のシェフのラインナップです。どれも美味しそう。
これらのシェフがどんだけすごいのかってことは、後々お店にお邪魔したりそれぞれの活動を調べさせていただいて思い知ることになります。「DANCHUかよ」っていう。おまけにこの方々がイベント出店されるということで、全国放送の夕方のニュースに取材に、事前の準備も含めて取材に来てくれることが決定しました。すごいことです。
こうして少しずつ、コンテンツが揃っていきました。
今回は間借りのイベントで、アースガーデンの主催者の方にも出店の取りまとめなど体制面でも大きな協力をいただくなど、費用面は当初考えていたようりも抑えることができそうになってきました。
人もお金も全然不足している中ではありますが、色々な人たちの協力のもと、福島フェスminiの準備は進んでいきました。
とはいえ、開催予定日は7月6日、7日。通常であれば梅雨真っ盛りなので、雨が降る可能性は非常に高いです。代々木公園で雨の時のイベントは逃げ場もなく悲惨な状態になるようなので、そちらも心配ではありましたが、なんと、前日に梅雨明け宣言が出るというミラクル。当日は2日とも夏日という予報に変わりました。
「持っている」我々。本番まで、後少し。
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