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【展覧会】『太田じろうの世界展』秋葉原と森下の2会場同時開催、無料で観られる豪華な展示
今 開催中の『太田じろうの世界展』を観てきました。
太田じろうとは、1923年生まれ、 1982年没の漫画家・絵本作家で、1940年代から晩年まで沢山の作品を残しました。今年で生誕100年だそうです。
2020年の初の原画展が話題沸騰、「こりすのぽっこちゃん」という、可愛らしいキャラクターが大人気となりました。
2023年は、秋葉原と森下の2会場での同時開催。
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まずは、こちらへ。【 秋葉原会場 】 発掘された人形劇の映像も! 『太田じろうの世界展~こばとむらだいはくらんかい』
沢山の美しい原画と当時物のグッズ展示、書籍やグッズ販売あり。
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#こりすのぽっこちゃん を中心に、可愛い動物や人物キャラクターのマンガ、リアル系も含めたカラーイラスト等、見応えたっぷりです。
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秋葉原会場では、ぽっこちゃんの人形劇の映像も観られます。人形劇は、時代的にモノクロ映像ですが、動物キャラがいろいろ登場する楽しいものでした。劇が始まる前の映像も、太田先生とご家族が写っているものだったり、当時の様子が分かる貴重な資料でした。
秋葉原会場は、7/9日までです、お見逃しなく!
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秋葉原の次に「~こりすのぽっこちゃんとかわいいなかまたち」
森下文化センターの方の会場 にも行きました。
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秋葉原から徒歩圏内の岩本町駅から都営新宿線に乗れば、森下駅まで電車で1本、30分程の移動時間で二つの展示をはしごできます。
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こちらも、原画やグッズ展示のボリュームたっぷり。
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原画を観て思うのは、とにかく絵がうますぎる!ということ。
確かなデッサン力と丁寧な描写で、キャラがそこにいるような実在感があります。
イラストやマンガのキャラは通常、一枚の絵の中で違和感がなければ、3Dや映像にそのまま置き換えられるほど、立体感や空間の奥行きの辻褄が厳密に合っていなくても良しとされているように感じます。例えば、マンガのキャラクターの髪型が立体では再現できなくても絵ならばアリ、みたいな。
ところが、太田じろう先生の絵は、3Dや映像なのかな⁈という位にキャラの形状がしっかり分かるように描かれています。マンガのコマ割りにしても、単調に同じ角度から描くだけでなく、コマが変わるとカメラが回りこんだような演出がされていたり、とにかく手が込んでいます。
ぽっこちゃん等のキャラを描くにも、省略している箇所もありつつ、陰影や反射光を水彩絵の具の塗り分けで表現していたり。
建物や乗り物など、キャラの添え物になりそうな要素も、特徴を分かりやすく、可愛らしさは失わない絶妙なバランスで描き込んでいたり。
ぽっこちゃんは基本、ファンタジーなのだけど、当時の街並みや生活道具等はリアルに描かれているのも興味深いです。
マンガやイラストなので発注があって描いている作品ですが、画面の隅々までキャラやモチーフが散りばめられていたり、描くのに手間がかかりそうなアングルの絵が多かったり。要求されている以上のクオリティなのでは⁈と思いました。
技術力と情熱を感じさせる作品群でした。
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森下文化センターは、のらくろの常設展示や、様々な漫画が閲覧できるコーナーもあるので、時間に余裕を持って訪れるのもおすすめです。
こちらの会場は、7/17月・祝までの開催だそうです。
各展示の詳細は、公式サイトをご参照くださいませ。