ゼスプリの猫が死んじゃいそうになるCMが刺さりすぎた。CMの視聴質を分析
話題になっているゼスプリさんの長尺CM。
YouTube広告で当たって、衝撃的すぎて朝ごはんを食べない夫と、平日お菓子ようなものをランチにしていた弟にすぐに連絡してしまいました。
まずはCMを見てみてください。
「ゼスプリのキウイを食べよう」というメッセージではなく、「食生活を見直そう」というメッセージで、なんだか私たちのためのCMを作ってくれたんだなという感じがしました。
すぐに動画を検索して、公式YouTubeのコメントを見てみたら私のような感想の方がたくさんいて、泣けたというコメントも結構あってびっくりしました。
8/4から放送開始して、8/22時点で公式YouTube動画は413万回再生!!!!!
いいね!は2.2万件で、コメントは866件。すごい反響ですよね。
企業の公式YouTubeってコメント書けなくしているものも多いと思うのですが、ゼスプリさんはオープンになっていて、良いも悪いもみんなで考えをシェアしようというスタンスなのかなとおもいました。そこも好感。
私はテレビの視聴質を分析している会社で働いているので、今日はこのテレビCMの見られ方について勝手に分析したいと思います。
視聴質についての説明は以下のnoteで触れているので見ていただければと思います。
まず、このCMがどれくらい放送されたかです。
びっくりしました。実は3日間しか関東の地上波で放送されていませんでした。しかもほとんどは8/4の放送です。下のグラフはGRPという、世帯視聴率の積み上げを表しているのですが、350GRP程度(かなーり簡単に説明すると平均視聴率7%の番組で50回放送)の放送量しかありませんでした。
ちなみに関西エリアでも27回しか放送がありませんでした。
関東での放送枠を見てみるとおもしろい。10時から24時までの間に日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビに分散して出稿されています。日曜日の昼間にテレビを見ていたビジネスマンになるべく広くリーチしようとして、同じ人に複数回当たらないようにしているのかなと思いました。忙しい平日ではなく、家族とゆったり見れる週末に放送されているのも話題にしてほしい狙いが見え隠れします。
では、次にこのCMがどのように見られていたかです。
下のグラフが全調査パネル(関東4-100歳の5000人のデータ)の毎秒の見られ方です。縦軸が注視度、横軸が秒数になっています。
スコアが高いところが多くの人に見られた瞬間です。このスコアはCスコアといいREVISIO社独自の注視指標です。Cスコアは100が全CM平均となっています。
90秒間の平均スコアは104なので、全体的に一般的なCMよりも4%よく見られていました。
冒頭からぐいぐいと注視度が上がっていき、一番高いのは40秒付近の猫の行動をキウイブラザーズが止めるシーンです。そこをピークに一度引きの映像になり注視度は落ちるのですが、その後猫が倒れたシーンくらいから再び注視度が高くなります。
私が一番衝撃を受けたシーンです。「え、、テレビCMで死んじゃうシーンなんて流していいの?」とびっくりしました。ただ、このシリアスなシーンがあるからこそ、そのあとのキウイたちの説得が刺さるというかより自分事されるのだなと思いました。他人事ではない、自分にもいつ起きるかわからないと思わせてくれたと思います。
そう感じた人が多いからか「日本人の3人に1人が栄養不良」のメッセージ部分でも離脱が起こらず、しっかりと見られていました。
終始音楽でストーリーを伝えているので、一方的な説明のように感じない点や、映像がアニメタッチだけど、映っている生活シーンは自分と置き換えらえるリアリティがある点が自然と世界観に引き込まれますよね。
ちなみに男女別に見てみると、視線が集まるポイントが違っていて面白いです。
中盤までは視線が集まる瞬間にそこまで差がないですが、猫が倒れるあたりから男性の視線がどんどん集まっていきます。普段の生活で心当たりや問題意識があるからか女性よりも自分事化されているのではないかと思います。
止まらなくなりそうなので、これくらいで。
今日はサラダを作って食べようと思います。