スコーンスコーン(・・・)スコーン!何回聴いても( )の中がわからなかった懐かしのCM
テレビの「視聴質」を分析している会社で
TV-CMのクリエイティブの見られ方を分析している者です。
このnoteはセミナーとか分析レポートだけでなく、もっとラフな形でCMの定量分析のおもしろさを伝えられないかなと思い始めました。
ちなみに、CMのデータ分析は5年くらいやっていますが、制作経験はないので、「こいつ現場をわかってねーなー」と思ってもお許しください。。
第1回目は好きなCMを勝手に分析してみようと思います。
少し前に、某不動産会社の宣伝部の方とお食事した際に「好きなCMは何ですか?」という業界人っぽいトークになり、咄嗟にでてきたものが
みたいな1990年代のCMしかなかったんです…!
毎日新しいCMの分析をしているのに…!!!
嘘つわりなく1990年生まれなので、保育園とか小学生の頃に見聞きしていたCMが一番記憶に残ってるってなんか悲しくもあり、真理だなと思ってしまいました。
視聴質ってなに?
分析の前にちょっとだけ、「視聴質」ってなんぞやに触れたいと思います。
私の所属している会社(REVISIO株式会社)では、一般家庭のテレビに人体認識センサーとミニPCを設置させていただき、『自動的に』『1秒ごとに』『いつ誰が』『目線をテレビに向けたか』をデータとして取得しています。このデータを視聴質データと呼んでいます。
詳細は以下の記事をみていただけるとデータや使い方がわかる思います。
スコーンのCMの視聴質はどうなってる?
本題の好きなCMの分析ですが、さすがに1980年代のデータはなかったので、代わりに?スコーンの新しいCMの視聴質を簡単に分析してみます。
(公式YouTubeに動画がなかったので注視度の波形だけですみません)
グラフの見方ですが、ヨコ軸はCMの秒数、タテ軸は注視度(Cスコア)です。グラフが上に行くほどよく見られたシーンであることを表しています。100は平均的な見られ方で偏差値50のような意味合いです。個人全体は4歳~100歳くらいまでの全調査パネルの見られ方で、男性女性の傾向の違いも出しています。
こちらは2022年に放送されたCMですが、シーン構成はざっくり以下のようになっています。
1-5秒目:1988年に放送されたスコーンのCMのまま
6-7秒目:中島健人さんが登場し、「新しくしてごら~ん」のセリフが入る
8-12秒目:リミックスされたアップテンポなスコーンの音楽で中島健人さんがキレッキレのダンスを披露
13-14秒目:商品と「スコーン」のテロップが表示
15秒目:「35年目モデルチェンジ」のナレーション
冒頭の「スコーンスコーン湖池屋スコーン♪」の音で注視度が上がっていることがわかります。(ちなみに、「湖池屋」のところなんて言ってるのか今までわからなかったです)この音は30年近く経っても強い!!!そこからさらに中島健人さんが登場して展開に変化があるとさらに注視度が上がっています。音の変化や展開の変化は人の視線を惹きつける重要な要素です。結果的に15秒間の平均Cスコアは個人全体で105となっています。
続いて、最近の2024年3月から放送されているCMはこちらです。
こちらは毎秒注視度波形と一緒に動画を見てみてください。
こちらのCMでも冒頭のメロディーから注視度が上がっていますが、前回ほどの上がり幅ではなさそうです。ちょっとアレンジを加えすぎたのか、懐かしさが削ぎ落されてしまっているような…(これは完全な主観です)
ただ、約半数のCMは冒頭から注視が落ちていく右肩下がりの中、このCMは山型になっており、それだけでもすごいです!CMのクリエイティブパワーによって視聴者を惹きつけることができています。
結果的に15秒間の平均Cスコアは個人全体で101となっており、2022年のCMと比べてやや見られていない結果となりました。
ちなみにGoogleトレンドで見ても、2022年の放送期間のほうが検索数が多くなっていました。懐かしさのパワー強し!
いかがでしょうか?こういった形でクリエイティブの良し悪しではなく、見られたか見られていないかで客観的に評価・分析をしています。
これからも気ままにCMの分析結果を投稿していこうと思います!
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