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クリーンデンタルさん、正直すぎて好きです

今回は、目が離せなくなってしまった衝撃CMをピックアップしようと思います。それは、第一三共さんのクリーンデンタルのCM。
ちょっとまずは一回見てみてください。

これはすごい衝撃でした!「ん、、すごい味」「やば、無理かも」って言っちゃっていいんかい!って思いながら、悔しいけど商品名しっかり覚えちゃいました。そして案の定、薬局で目にして手に取ってしまいました。(買う勇気はなかったです)
同じ時期に電車広告でも何度も目にして、気にせずにはいられない存在に。
こちらは2024年3月22日から関東で放送開始しています。

このCMのシリーズとして3月23日から「くせになる」篇が放送されています。これもまた惹きつけられますね~

「ん、、すごい味」のあとに「3日で慣れて1週間でくせになるらしい」って真面目な顔して適当なこと言ってる!ってツッコミながらまたついつい最後まで見ちゃいました。

クリーンデンタルトータルケアシリーズは約40年の実績をロングセラー商品で、2014年2月に全面リニューアルしているとのことでした。しかも2人に1人はリピートされているらしいです。「クセになる」というのは愛用者の言葉で、しょっぱくて薬用感のある味は変えちゃダメなものとされてます。


恥ずかしながら、このCMに出会うまでブランド自体認知していなかったです。たぶんパッケージは見たことがあったと思うのですが、中高年の方が使う商品という印象で記憶に入ってこなかったのかもしれないです。

一般家庭のお茶の間でどんな見られ方をしているのか?

ここからはCMの実際の見られ方を分析してみようと思います。
私のいる会社では、一般家庭におけるテレビの見られ方を分析しており、CMごとにどのシーンで視線が集まったかを計測することができます。詳しくは以下の投稿を見てみてください。

動画と一緒に毎秒の注視度グラフをみてください。

クリーンデンタル「初トライ」篇の毎秒の注視度

Y軸がCスコアと呼ばれるもので、クリエイティブの注視度を示します。高ければ高いほどよく見られています。横軸はCMの秒数です。Cスコア100がすべてのCMの平均的な見られ方なので、100以上は見られているCMであることを意味します。Cスコア110(平均よりも10%高い)CMはまれで、全CMの10%以内に入ります。今回の「初トライ」篇はCスコア104なのでよく見られている部類に入ります。

冒頭は注視度が維持されていますが、これはすごいのです。約50%のCMは放送開始から右肩下がりにどんどん注視度が落ちていくのですが、このCMは最初から注視度を落とすことなくさらに見る人を増やして注視度を上げています。

どこで注視度が上がったかというと、5-6秒目の「ん?」のあと「すごい味…」というまでの無言の間と、9-10秒目の「やば。」のセリフ+ドーン!の効果音+「無理かも」の一連の流れのところ。

一般的に、無音の間や生活音だけのシーンは違和感が生まれ、注視されやすい傾向がありますが、今回のCMはその要素が取り入れられています。
また、このCMのおもしろいところは説明をしないこと。通常CMは課題シーンと商品の機能を伝えたあとにパッケージを出して、「このお悩みにはこの機能があるこの商品」とプレゼンをするものが多く、それが特に日用品CMのセオリーになっているがゆえに、このCMの異質感が余計に際立ちます。

すべてを15秒間で説明せず、インパクトで関心を集めて名前を覚えてもらって、気になる人には検索してもらったり、手に取って確かめてもらうことを狙ったようなコミュニケーションです。商品自体は40年も続くものなので、おそらくターゲットは私のような今まで全く知らなかった人ではないかと。
「私には関係ないわ」と思っている人に振り向いてもらうにはこれくらいやらないとなのかもしれないです。

「くせになる」篇も注視度グラフを見てみましょう。

クリーンデンタル「くせになる」篇の毎秒注視度

こちらもCスコアは102と全CM平均を上回っています。

6-7秒目のピンポンの効果音と「3日で慣れて」と展開に変化があるところで大きくアイキャッチが見られます。その後、「ほんとか~?」の問いかけのあとの「ドーン!」の効果音でももう一段階上がって、「その味には、理由がある」のテロップでピークになっています。

こういった、急にシーンが変わる展開の意外性も視線を引き寄せる要素になっています。きっと第一三共さんの狙い通りの見られ方だったんだろうな~という波形ですね。

あーなんか、怖いもの見たさで試してみたくなってきました。買うのも時間の問題かもしれないです。

以上

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