ポエティックマンションを関東方面へ拡張する話
どうも、フクサワです。みなさん「ザ・ポエティックマンション」はお楽しみいただけましたでしょうか。今回はただいま制作中の同拡張パックについて紹介します。
昨年(2019年)秋にクラウドファンディングを経て製品化が実現した「ザ・ポエティックマンション」ですが、お陰様でその後もご好評をいただきまして、初回生産分は年内に完売しました。現在は4月の再販に向けて増産をすすめているところであります。
さらにその再販のタイミングに合わせて、新たに拡張パックを発売することに致しました!
追記:記事中で発売予定時期が「4月中旬〜下旬」である旨に言及しておりますが、入荷が早まったことと、出展予定のあったゲームマーケットが中止になったことにより、3月31日時点でオンラインストアでの通常販売がスタートしております。
拡張パックの発売について
ただいま制作中の「ザ・ポエティックマンション カントー 拡張パック」では東京を中心に関東地方の地名を散りばめた36枚の拡張カードを用意。各所の地域性や居住イメージをポエムに反映させることができ、より一層おもしろみのあるポエム生成をお楽しみいただけます。
4月中旬〜下旬の発売に向けて制作を進めると同時に、公式ストアでは予約受付も開始したところです。
そんなわけで、この拡張パックでどのようなことができるのかを紹介していこうかと思います。
「カントー 拡張パック」の使用例① 具体的な地名
拡張パックは、ザ・ポエティックマンションの通常版で生成したポエムを上書きする形で使用します。そのため拡張パック単体でプレイすることはできません。
※. 通常版のゲームの流れをご覧になりたい方は前回記事をご参照下さい。
拡張パックには関東地方の地名にちなんだカードが揃っています。通常版で生成したポエム(上・中・下の三文節で構成)の一文節を拡張カードに置き換える形で配置し、ポエムに地域性をもたらしていくことが拡張パックの基本的な使用方法です。
それでは具体例を見ていきましょう。まずは「ザ・ポエティックマンション」の通常版を用いて生成したポエムから。
洗練の高台、
まるでリゾートのような
語りたくなる住まい。
文言からは高台にある高級住宅街っぽい立地性や、ハイスペックな仕様を備えていそうなことが伺えます。「拡張パック」はこの通常版で生成したポエムの一文節を、より具体的な地名の入ったカードに置き換える形で活用します。
上記の通常版で生成したポエムをベースに、拡張パックの活用事例を見ていきましょう。手始めに上の句を拡張してみます。
気品溢れる目白の高台、
まるでリゾートのような
語りたくなる住まい。
拡張カードを用いることで、上の句の高台が「ただの高台」ではなく「目白の高台」に。高級住宅街の目白に立地していることが明確になり、これだけで物件価値が3割増くらいになったような気がします。
続いて中の句に拡張カードを用いた事例。
洗練の高台、
広尾の風格を凝縮した
語りたくなる住まい。
こちらも高級住宅街であり、且つ周辺には各国の大使館も点在する広尾がロケーションとなり、物件の格調が1段階引き上げられたような気がします。語りたくなるのも納得。
最後に下の句を拡張した事例。
洗練の高台、
まるでリゾートのような
静謐なる都心「代官山」。
渋谷や恵比寿と隣接する地域ながら瀟洒なイメージで人気の代官山アドレスにバージョンアップ。渋谷界隈でプチリゾート感のあるエリアなだけに、中の句との掛け合いがうまくハマったようにも思えます。
このように、「ザ・ポエティックマンション」(通常版)で生成したポエムの一節に地名を加えることで、各地のイメージに紐付いてポエムの世界観が拡張されていくわけです。
もう1つ、事例をご覧頂きたいと思います。
「カントー 拡張パック」の使用例② 汎用的な地名
先の事例では「目白」「広尾」「代官山」といった具体的な地名が割り当てられていましたが、その他に解釈次第で複数のエリアを想定することが可能な名称を割り当てたカードも用意しています。
吹き抜けるそよ風、
街を見下ろす
悠久の邸。
こちらは「ザ・ポエティックマンション」の通常版を用いて生成したポエムです。近隣に公園などがある見晴らし良好な丘陵地で永く住まえるマンションを想起させるポエムですね。
このポエムに対して拡張カードを使用した例がこちら。
至高の中央区アドレス、
街を見下ろす
悠久の邸。
まずは上の句。拡張カードを用いることで、銀座や日本橋を有する中央区所在の物件へと様変わり。そよ風吹き抜ける丘陵地のイメージが一転、都心一等地のタワマン風ポエムへと変貌しました。
さらに「中央区」はスーパーアリーナを擁するさいたま市やベイサイドタウンの千葉市、桜並木が有名な相模原市でも行政区として設置されています。プレイ時のお客様像によって想定する中央区を切り替えてプレゼンすると、ポエムの意味合いも変わってきそうです。
続いて中の句を拡張してみましょう。
吹き抜けるそよ風、
小江戸の風情を伝える
悠久の邸。
拡張カードにより中の句に「小江戸」のキーワードが加わりました。都心へのアクセスが良い川越(埼玉)や、外房にほど近い佐原(千葉)、蔵造りの街並みが残る栃木市などが小江戸と称されており、こちらもお客様像に合わせて適した地域を想定してプレゼンすることができそうです。
「小江戸の風情」が前後の句へ係ることで、「そよ風」が時間の流れを喩えているようにも読めてきますし、「悠久」の厚みがさらに増したような印象も受けます。ポエムの雰囲気も含めて、街のストーリーや情感を求めるお客様像のターンで訴求力を発揮しそうです。
最後に下の句を拡張してみます。
吹き抜けるそよ風、
街を見下ろす
都心一望の武蔵野台地。
拡張カードにより、広域なエリアを包括する「武蔵野台地」がポエムに加わりました。
武蔵野台地は東京都区部の西半分、立川市、福生市、青梅市東南部などの市部の一部、さらに埼玉県の所沢市など入間地域や志木市など新座地域、川越市などを含む広範な地名です(Wikipediaより)。「武蔵野」のワードからは主に多摩地域(吉祥寺、立川、府中、国分寺など)が連想しやすいかもしれませんが、台地の東端は上野・赤坂・神楽坂など東京都区部の丘陵地を含むとのこと。
その時のテーマに合わせてプレゼン時に想定する街をセレクトできる汎用性があると同時に、どの街を想定してプレゼンするかの力量も問われそうです。
他にも
・「東京と世界の空を繋ぐ」(前後の文脈次第で大田区や成田市を想起)
・「渋谷のすぐ隣」(隣の解釈次第で周辺の複数の街を対象にできる)
・「多摩川」「日光街道」(複数の街を跨いでいる固有名詞)
といった具合に、ポエマーのプレゼン次第で指し示す地域をアレンジできるようなワードが散りばめられています。
「カントー 拡張パック」の製品概要
「カントー 拡張パック」は通常版の上・中・下の句にそれぞれ置き換えられる形で、上・中・下各12枚、合計36枚で構成されています。
各カードに東京を中心とした関東地方の地名等が割り当てられており、先述の通り「千鳥ヶ淵」「井の頭」「鎌倉」など具体的な街を示すワードもあれば、「多摩川」「小江戸」「日光街道」のように解釈次第で複数の街を想定できるワードも用意しております。
36枚のエリア別構成比としては、1つのワードで複数エリアをイメージできるカードもあるため明確に線引はできませんが、おおよそ東京=6割、南関東3県=3割、北関東3県=1割の比率となっています。
製品情報
製品名:ザ・ポエティックマンション カントー 拡張パック
内容:拡張カード36枚
プレイ人数:4名
プレイ時間:10〜30分
販売予定価格:1,600円(税別)
発売予定:2020年4月
※. 本製品は「ザ・ポエティックマンション」の追加カードを収録した拡張パックです。本製品単体で遊ぶことはできませんのでご注意下さい。
※. 本製品は「ザ・ポエティックマンション」通常版とは印刷方法が異なるため、カード表面の質感が僅かに異なります。プレイに影響はありませんが、予めご了承下さい。
まとめ
・ザ・ポエティックマンションの拡張パックを制作中
・関東各地の地名等をポエムに取り入れることができる
・4月中旬〜下旬の発売予定で現在予約受付中
ということで「ザ・ポエティックマンション カントー 拡張パック」は4月中旬〜下旬の発売を予定してただいま制作中ございます!
予約販売も開始しておりますので気になる方は是非ストアサイトをご覧いただけますと幸いです。
拡張パックを使用するためには「ザ・ポエティックマンション」(通常版)が必要となります。合わせてお買い求めの際はこちらをご参照下さい。
ザ・ポエティックマンションのゲームの流れや開発エピソードについては別途記事にまとめてありますのでご興味ありましたらこちらもご覧ください。
以上、ポエティックマンションを関東方面へ拡張する話でした。
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