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愛に溺れたいあなたへ〜映画「マッチング」観賞のすゝめ〜

※若干のネタバレ要素を含みますが直接のネタバレにはならないよう最大限の配慮をしております

愛、足りていますか

唐突ですが皆様「愛」足りてますか?飢えていませんか?わたしは満ち足りています。こうしてnoteという媒体を用いて皆様にばら撒くほどあるのです。

映画「マッチング」 観てきたから〜!!!!!!!!!

____と、ポエミー(草)なことをつらつらと書くために数年ぶりに執筆したわけではないのです。
この映画が気になるな〜と思っているかたを映画「マッチング」の底へと笑顔で突き落とすべく、すぐにショボる目と大喧嘩しながら執筆しているのです。
どうか最後までお付き合いくださいませ。
時間がない方は「ストーリー」の箇所だけでもお読みいただけると幸いです。

注意点

映倫区分は「G」(だれでも観られる)ではあるものの、初っ端から人が結構ショッキングな殺され方をしているので多少のグロ耐性は必要。
視覚に訴えるグロはひかえめだが、その分「惨いことされてるんや…」と想像を掻き立てるような聴覚に訴えるグロが多め。グロシーン苦手なかたは目を閉じるより耳を塞いだ方がよいかもしれない。

ストーリー

ウェディングプランナーとして仕事は充実しながらも恋愛音痴な主人公・輪花(りんか)に土屋太鳳、輪花とアプリでマッチングする“狂気のストーカー”永山吐夢(ながやま とむ)役にSnow Manの佐久間大介、輪花に想いを寄せるマッチングアプリ運営会社のプログラマー・影山剛(かげやま つよし)役を金子ノブアキが演じる。
そして輪花、吐夢、影山が巻き込まれていく「アプリ婚連続殺人事件」を杉本哲太、片山萌美、真飛聖、後藤剛範、片岡礼子、斉藤由貴ら実力派キャスト陣が、逼迫した演技のリアリティで恐怖を煽り、主題歌Aimer「800」がクライマックスを切なく彩る。(公式サイトより引用)

が、それだけではない。
怒涛の展開とともに登場人物の様々なベクトルの愛が我々を滅多刺しにしてくる。ある意味「ハートフル」な映画なのかもしれない。

ウエディングプランナーとして結婚式場で勤務する輪花は、序盤でかつて密かな想いを寄せていた高校時代の恩師の結婚式を取り仕切る。もう既に心が辛いが、こんなのはまだ序の口である。同僚にすすめられたマッチングアプリでマッチした「トム」と出会うことをきっかけに、「アプリ婚連続殺人事件」をはじめとしたとんでもねえ程にてぇへんな事件に巻き込まれてゆくのだ。あまりの不幸の降りかかり方故に筆者の内なる孫悟空がログインしてしまうほどに。オラ、しくしくすっぞ……
以降のストーリーは全てがネタバレに繋がりそうなのでストーリーに関してはこの辺まででとどめておくこととする。

____公式サイトのあらすじ、よーく覚えておいていただきたい。とある点に違和感を感じるはずである。

この作品にはいくつもの「ウソ」が紛れている。
見ている者は事件の謎を解くべく、スクリーンにうつる全てに神経を張り巡らせて考察しようとするも、どれが本当でどれがウソなのか判別がつかない。数秒前まで味方だと思っていた人物が急に不穏な雰囲気を醸し出す。誰が味方で誰が敵なのかわからない。人間不信。最後の1秒まで、否、上映後も誰が誰にとっての敵か味方か判断が難しい。きっと世界線が世界線なら鱗滝左近次に喝を入れられてしまうだろう。
原作小説やパンフレット(増刷決定!)にはしっかりガッツリとネタバレというか種明かしがされているので、観賞後に楽しむことを強くおすすめします。絶対に。
1回目の観賞では人間不信になって劇場から出てきたが、2回目、3回目、と回数を重ねる毎に登場人物全員を愛おしく感じるというところが魅力である。

なぜか。

全員が𝑩𝑰𝑮𝑳𝑶𝑽𝑬______を持っているからである。

ひとことに𝑩𝑰𝑮 𝑳𝑶𝑽𝑬______と言っても、その形は様々である。純粋な愛、歪な愛、不器用な愛、狂った愛、後ろめたい愛……など。
登場人物は、各々の愛に基づいて行動している。初回以降はそれがより鮮明に理解できるので、各登場人物の根源となる愛に注目しつつ複数回観賞するのが筆者のおすすめである。

キャラクター

主要キャラ3人のそれぞれの魅力についてを紹介する。(筆者の主観が非常に強い)

唯島輪花(土屋太鳳)

も〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ほんとにかわいそうな目に遭い過ぎている。

一生分の不幸全部背負ったんか?

終盤の輪花は正気も生気も失っている。
土屋太鳳さんのやつれ具合がリアルすぎてめちゃくちゃ心配になる。美味しいものをたらふく食べてにっこりしていてほしい。
役作りのため敢えて辛いニュースを見るようにしていたという徹底ぶりからも土屋太鳳さんの本気を感じる。
迫真の恐怖に震えあがる演技が我々の恐怖心をより一層の増幅させている。
そしてドン引き顔でさえも美しい。
初めて会った相手(吐夢)に隠そうとする素振りも見せずドン引きしている。本気で「きっっっしょ…」と思っているのだろう。かわいい。
幸せになって欲しい。

永山吐夢(佐久間大介)

キービジュでは足元の服装は明らかにされていないが、この男、長靴を履いている____

これは輪花もドン引き。

小説版だと「ブコ…ブコ……」という足音の描写が何度か出てくる。長靴サイズ大きいんとちゃうか?
一見無表情に見えるが、表情筋の動きが少ない分瞳の動きや若干の声のトーンの変化がわかりやすい。
かわい〜
ボソボソと喋っている割には発音ははっきりと聞き取りやすい。舞台や声優としての経験を積んでいる佐久間大介さんならではの魅力なのかもしれない。
普段は音割れするほどのクソデカ腹式呼吸ボイスだが。
奇怪な行動が目立つもののそれもすべて彼なりの理由があってのこと。それに気づいた瞬間から永山吐夢が恐怖の対象から保護対象になってしまう。
この子にも幸せになって欲しい。

影山剛(金子ノブアキ)

筆者初めて金子ノブアキさんという存在を知ったのですがめちゃくちゃイケおじだな!?!?!?!?!?!?!?!?!?
彼は輪花がインストールしたマッチングアプリのプログラマーで、吐夢に付きまとわれて困っている輪花を手助けしてくれる。
輪花に 想いをよせ 、辛い時には常にそばにいるような男。

そんなん惚れてまうやろ〜!!!!!!!!!

惚れてまう。そんなん。
時折おちゃめな話し方をしていてかわいい
穏やかなイケおじ、という印象が強いが為に彼の抱く愛がどんなものかわからないし、彼が感情を露わにするシーンがより一層心を揺さぶってくる。
金子ノブアキさんの目の演技に非常に心打たれた。
幸せになって欲しい。

セット

この映画はセットへのこだわりが垣間見える。
リオデジャネイロ出身の内田英治監督ならではの、キリスト教にちなんだモチーフが散りばめられている。十字架やイエス像、聖書など。とある部屋のセットは息を飲むほどにこう…こう……すごい。(語彙力)
また、輪花が食べているものがどんどんと変わってゆくのが輪花の精神状態を暗に描写しているのでは、と勝手に解釈している。元気がないと食事に気を向けられない。食卓は元気のパロメーターだな、とストーリーそっちのけで気付かされた。

主題歌

主題歌はAimerさんの「800」
衝撃のラストで放心状態となった我々の心に優しさのヴェールをかけるようなしっとりとした楽曲。
この歌詞は誰の目線に立ったものなのか?
どの登場人物にも当てはまるようにも思える。
本来の歌詞とはまた違った聴こえ方をする箇所がいくつかあり、それによっても歌詞の解釈が分かれるため考察のしがいがある。

さいごに

筆者はこれを読んでいただいたかたにはできる限り前情報を入れずにそのままを浴びていただきたいと思っている。怒涛の展開に巻き込まれるのを楽しみつつ、様々な要素から自分なりの解釈を得て欲しい。そして、観賞後に誰かと考察を交わしあってもう1度。「自分にとっての愛とは?」と考えながら。

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