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【元気が出る小説】社長(僕≠僕)の部下 プロローグ 夢をかなえるゾウ風小説

補足

この小説は、未来の主人公が(自分が)大社長になっていて、
その社長の秘書が約20年後から今の主人公をサポートしにくるという。
夢をかなえるゾウでいうガネーシャ的な立ち位置の 

※反面教師要素は無く、常に真面目で互いを敬ってますが

人生に大切なことを気づかせてくれるような、またハッピーとかを疑似体験できるようなまぶしい小説になっているかなと思います(先ほど読んだ友人の感想より)

プロローグ-社長の部下視点-


……そのミスはないっしょ?

あれだけそれは気を付けておけって社長や他の人も言ってたのにさ

「ごめんなさい」

それだけでは到底許されないこと……自分の命以上の損害、そう分かっているから生きていることが怖くて。

ましてや、これからのうのうと生きる資格がないような気がして、それでもすぐに謝らないといけないのは

人として、大好きで大尊敬していたからかもしれない。

鉛の様に重くなった両足でなるべく社長室に向かう。 というより今社長は居るだろうか?

目的地に着かないでほしいと願っても、一歩一歩社長室にかけだしている足。

居て欲しいのか、居ないで欲しいのか分からない、居ないでくれたら何か言い訳を考えられるだろうか?

そんな思慮にふけるなか、社長との思い出が蘇る。

※思慮(しりょ) (注意深く)いろいろと思いめぐらした考え

思い出の中の社長は、程よい人の暑さを持ち、大らかで優しい人だった。

そんな社長の人情は、

気が付けば大泣きしながら社長室のドアをノック無しに開けていた。

「あ……あの……」

「嗚呼、話は聞いたよ。 ドンマイ」

決して、どんなことがあっても無下に怒らない人だった。

「はっ……? あっ、すいません、えっとどういう……」

「あっ、ドントマインド、略してドンマイだよ?」

確か、ドンマイってのは、ミスに対して、気にするなという意味だっただろうか?

「あ、いえ、それは存じてるのですが」

社長はニヤリと笑った。 一瞬だけ救われた気持ちになると同時に心地よい涙が込み上げてきた。

「ドンマイってのはね」

何故か楽しそうな社長、状況は伝わっているはずなのに何故にこやかなのだろう?

ただ、恐怖で少しでも罪を軽くしてもらおうという意味ではなく、心から声を出していった。

「ごめんなさい!」

「いや、だから!」

いや、嫌、やはり見限られて当然の状態なのだろうか? にこやかだったのは、

『もう君要らないから、被害額の足しとして退職金は差し引いとくからね』

という意味だったのだろうか? それで社長の気が済むなら構わないと思った。

僕には、両親が健在だが、幸い兄弟がいて、親の面倒は兄弟が見てくれている、そして奥さんもいない。

自業自得とはいえ、苦労の末、自力で紡いだ居場所がなくなるのであれば、死んだ方が良いかな……って思った。

会社生活は、家にいる時間より楽しかった気がする。 認められて、必要とされて、部下がいて……。

「ごめんなさい、許してくださいなんて言いません、当然の罰です」

「ん……」

「……」

「……あ、うん、お願いできる?」

……闇社会にでも売り飛ばされるのだろうか、社長は誰かと電話をしているように思えた。

「あのさー、〇〇君、君が思っている意味のドンマイじゃないからね?」

「……えっと……」

 説教なり人身売買なり、もうどうにでもなれと思う、歩く気力がないのだ。

 足と膝に力が入らない、社長が僕のすべてだったから、その全てから否定された今、僕は、ひざから崩れ落ち……。

「Don’t worry about it つまり、気にしないで、という意味でドンマイを言ったんじゃないよ」

「っへ……?」

 訪ね返すとほぼ同時に、膝が床に着こうとしたその時だった。

 ぐっとわき腹をふわっとしたものに持ち上げられた。

「へっ?……」

 思わず、はっと我に返り一瞬だけ目に生気が宿る。 優しい柔軟剤の香りが広がった。

 目の前の社長はニコッと笑って決め顔で言った。

「Don’t mind、私は気にしてません。 これで伝わるかい?」

「えっ? あっ? 気にしてない……って、えっ……嘘……」

 くるりと180度体の向きを回転させられた。

「本当(気にしてないよ)」

 その直後、体を支えてくれた主に、大好きな着ぐるみ(キャラ)に抱きしめらた。

「……お疲れ、旦那……お気を確かに……社長……ぁぃぁ……オーナー様もそう言ってますから」

「うっ……うっ……うん……」

「落ち着いたら話を聞こうか」

社長の温かいお言葉、社長の顔を見たかったが、強く抱きしめられ社長に背を向けたまましゃべるしかなかった。

「あ……はい、でも言い訳するつもりは……」

「良いんだ良いんだドンマイ、ドンマイ(私は気にしてない×2)」

「そーいうこった!」

 二人が笑ってくれて、僕も泣きながら笑った。

どうやら、僕の居場所はまだここにあるみたいだった。
 
「オーナー、腹減ったー」

「んっ……我慢我慢! あー……後でなんかおいしいもの食べようか」

「ヤッター! 旦那も一緒でイイ?」

「あはは……あっ、あっ、ありがとう……ごっ、ございます」

<未来の大社長の教え?> 

無下に怒らない。(否定しない)


プロローグ後編 現在の主人公視点


-主人公視点-
ただ、認められたい、良い評価を貰いたい、それだけだった。

だけど、ある程度上達するまでにがむしゃらに頑張る気力が僕には足りなかった。

仲間が欲しい、ライバルが欲しい、共同制作を頑張りたい。そんな環境だったらきっと頑張れる。

果たしてそれらは本当だろうか? ただ 言い訳にしているだけじゃないだろうか?

とはいえ、変り者でコミュ障の僕に、自分から動いても環境づくりは、決してうまくいくことはなかった。

7時間ほど仕事をして、車で約15分の所に僕の家はある。

今は亡き、母方の祖父母は、百姓だったため敷地内に広い畑と、築100年近い古民家、そして、僕が小学生の頃に建った家がある。

そんな家が二つある環境に、母親と自分、そして、犬二匹と兎三羽で住んでいる。

家の環境的は、古民家の方に、母親が住み、お風呂場があって、冷蔵庫が置いてあり、9割がた食事はそこで済ませる。

小学生のころに建った家の方に僕が寝泊まりしている。トイレを除いて5部屋あり、1,5部屋が書籍として物置とかしている。
3.5部屋も自由に使えるのだから環境は凄くいいだろう。さながら家賃のいらない一人暮らし状態だ。

親は、部屋の散らかり具合を時折心配するが、それ以外は殆ど、いい意味での無関心、
仕事が忙しいというのもあるかもしれないが……。
兎に角、創作家を目指す人には絶好の環境だと思う。

それでも、うまく仲間が作れず、人と打ち解けられず、軽度の鬱に創作を阻まれている僕がいた。
とはいえ、それなりに創作を頑張ってはいた、ただ動画制作・お絵かき、執筆、その他とすべてが半端になっていた。
そのため、認められることが原動力の自分は、車で言うガス欠を度々起こしていた。
あ、たまに、エンジンきり忘れのバッテリー上がりもあります。創作しないといけないのに、堕落した時間で労力をパーにしちゃうことも……

早く親孝行できるように頑張らなければならない、そうは分かってはいるのだった。

つい先日、数か月の間に長年の間殆ど課金していない自分が馬鹿みたいに課金をしてしまうことがあったのだが
とあるキッカケでお金の大切さに気付いた。それは……。

「ワンワンッ、ワンワンッ!」
犬が吠えた。来客者の匂いを感づいた雑種が吠えているのだろう。
もう一方はというと、多分立ち上がって、近づける限りの距離まで行き、吠えもせず生き生きとしっぽを振っているだろう。
Amazonかな?それともメルカリの配達かな?
課金ブームが終わった自分は、1年ぶりに読書ブームになっていた。
だから、そういう関係のお客?だと思ったのだが
到底できない予想の結末がそこにはあった。


「どうも、お疲れ様です」
ご苦労様というのは上から目線になってしまうという意味を知り、
少々言葉に違和感があるが私は、配達員?と予想したお客にいつもの挨拶をする。
「どうも、初めまして、私社長のお使いで来まし……」
「へ?勧誘ですか? ん?……どうかしました?」
 来客の目線が僕の背後だということに気づく。
 目線の先を予想する。 あー、移動しそびれちゃってたか……。
 着ぐるみ着せたマネキン。
「うわぁー……初代のシオン君だぁ……触っても良いですか?」
「初代……? 触るのはどうぞ、ただ、要件言って下さい、シオンのファンと言えど、セールスはお断りですからね?」
 家に上げるのに抵抗はあったが、都会程物騒ではないのが田舎の※メリット、『初代の』が気になるが家の中に上げることにした。
※この文章に対する一切の責任はとれませんのでご了承ください
「お邪魔します。 うわぁー……。 確か、現時点でハーフの依頼で届いて2年経つぐらいですよね? ボディーもヘッドも新しいですね」
「……えっと……そこまでファンでいて下さるのは恐縮です、あの、どこかでお会いしました? かなり遠方の方ですか? それなら事前にいっていただけたら……」
 遠方にもいかずに、それなりのファンの発言、戸惑いよりも嬉しかった、凄くワクワクする。 
「あー……良いな……、あ、すいません、東京から来ました、ソノダと申します」
「あっ、どうも、あ、そうだファンなら、名刺いります?」
 そういって普段持ち歩くバッグの背面のファスナーを開け名刺を取り出し始める。
「あ、有難うございます、じゃあ……自分も」
……
 そこにはまるで、自分の中でここどこのオフ会の会場?と思われる光景があった。

名刺には、以下の通り記載されていた。

〇〇カンパニー 第二社長秘書
園田 純一郎(ソノダ ジュンイチロウ)
他は、電話番号とメールアドレスだった。

名刺を見て思ったのは、背景のデザインだった。
獣と思わしきシルエットがデザインされていた。

書いてる内容は、本物の名刺、ただ、背景は趣味の名刺、どういうことなのだろう?
どっちが本当で、どっちが偽りなのだろうか?

「これ、会社用の名刺ですか? それとも、趣味用の名刺ですか?」
「あ、会社用になります、一応、獣関係の会社なので」
「マ、マジですか……え?、Kさん所……? いや、最近交流があるわけじゃないし……」
「あー、えっと、驚いて聞いてくださいね、実は……」
「へっ?……」
『驚かずに聞いてくださいね』に一瞬脳内で補完された変換、しかし、聞いたままを理解する。
「未来に貴方が立ち上げた会社の、未来の貴方からのお使いで来ました」
「はぁ……はいぃぃ!!??」
 未来と言われ困惑して、自分がどうやら社長になっている事と、それでもなんか嘘っぽくなさそうな雰囲気を感じ
 僕は驚いた。
 因みに年齢は、40歳で間もなく30を迎える自分のちょうど10歳年上となる。
 ただ、顔がちょっと童顔で若く感じた。
 僕自身も童顔なので、自分が25歳、彼が30歳を過ぎたぐらいに見えるだろうか?
「因みに、何十年後の未来なんでしょうか?」
「2038年ですね、因みに、未来の方での年齢差は、私が40で社長が10歳社長が年上ですね」
「なるほど、じゃ、今ここにいる貴方は、20歳なんだね」
「と、というか社長……社長に敬語使われるとめちゃくちゃムズムズします」
「いや、あの……」
 がっつり社長と呼ばれていることにかなり照れてしまう、というかそうか未来の自分は大成功したんだな。よかったよかった。
「というか、私より年下の社長可愛いですね。 ハグしていいですか?」
「いやいやいあ……そ、それならシオン着てハグするよ」
「あー、そちらも是非お願いします。あ、あの、社長、急ではありますが」
「あ、あーうん……」
 結局社長というのね?別に嫌な気はしないからいいんだけど。
「実は、未来では大変な事になっておりまして」
「はっ? えっ? 壮大なSFファンタジーが今始まろうとしている?」
「は、はい、実は、私がタイムマシーンを使う数日前に……」
「えっ……ま、まさか50歳という若さで……?」
……会社は何年後に企業したのだろう、どれだけ拡大できたのだろう、捨てられて殺処分される犬猫達を少しは救済できているのか?
「それで、社長の第二秘書である私が、遺言書の……」
 頭の中がパニックで、それでも目の前にいるのが未来人というのは、少しリアルに感じていた。
 都市伝説動画や未来人などのオカルトの話は大好物で、信じている部分もあったからだ。
「……死因を教えにきたとか……?」
「ええ……でも、死因じゃなくて、人生の教えやサポートに来ました」
「……どういうこと?」
「社長は今のままであれば、約10年後にそれなりに企業出来るのですが、それをもう少し早くすることでひょっとしたらその未来を回避できるんじゃないかって」
「な、なるほど、些細な行動の変化でも未来が変わるから、1年、いや半年でも早く企業出来たらそれを回避できるかもしれないと」
「そ、そうなんです、だから……」
「そっかぁ……うーーーん……」
 確定された未来の成功、しかし、約二十年後に人生が終わるかもしれない。期待と絶望が同時に押し寄せて開いた口が閉まらず、ただぼーっとソノダさんを見ていた。
「未来をより豊かに、幸せにするために一緒に頑張りましょう」
「う、うん……分かった、頑張ってみる……その前にさ……」
「はい?……」
「た、助けに来てくれたんだよね?……ありがと、ありがとうね……」
 死があまりにも早かった、そう考えると同時に怖くなって涙が出て、気が付けばソノダさんに泣きじゃくっていた。
 ソノダさんは、そっと頭や背中を撫でてくれた。
 泣きながら、ソノダさんの手のぬくもりや優しさを感じながら、社長になれたことの事実を喜べた、親孝行がちゃんと間に合っていたら良いが
 恐る恐る質問をしたが、『あまり情報を与えることはできない』と返事が来た。
……

……
 暫く泣いて思った、何かのドッキリじゃないかと、テレビ番組のネタかと、そう考えると少し辻褄(つじつま)が合う気がした、
 そっと解放され、ソノダさんの目を見る
「ソノダさん……貴方が未来人である証拠が欲しいです」
「……うっ……先にも述べた通り、社長の前進に関わること以外極力漏らせれないようになっているんですよね。タイムパラドックス的な」
「……なるほど」
 とはいえ、それだけで信じきることは出来なかったので、いくつか質問をした。
 10個投げかけた問に、7問正解したソノダさん、よほど未来の自分と親しかったのだろうか?
 書いてないけど書きたかった小説の起承転結の話や、過去の嫌な経験など、色々な問いにしっかりと答えてくれた。
 答えが間違っていたものに関しても、答えを告げると『なるほど、社長らしいですね』と言っていた。

「というわけで、私に出来るのは、創作のモチベーションを保つことと、より良い方向に歩めるための努力をお手伝いするぐらいなんですよね」
「えーと近くに住まわれて、困ったら助言くれるとかそんな感じですか?」
「そうではありますが、差し支えなければ同棲させていただきたく、宜しいでしょうか?」
「あー……うん、もともと4人で住んでいた家だし、構わないけど、生活費は出せないよ?」
「あっ、はい、あくまで、社長の背中を押すことが目的ですので、後、金銭的支援もできませんのでご理解いただけますか?」
「まぁ……お金にはギリギリ困ってないけど」
 お金があれば成功できる、そうではないのは分かっている、欲しいのは有限の資金ではなく、未来で自分自身で作り出せる、頑張れば頑張った分生産できる無限の資金。
 勿論あるに越したことはないが、自分で乗り越えなければいけない。むしろ乗り越えられる人物は、目の前に大金を積まれても動じないものだ。
 お金は欲しいが、正直今はそれどころではなかった。
 未来の右腕であるソノダさんを歓迎したかった。
「あ、一応保険として預かっていただきたいのですが」
「へっ?」
 そういうとソノダさんは、赤いフェルト生地で厳重に包まれているものをそっと僕の手に置き、その手の上で開いて見せた。
「うわぁ……」
 赤い布の中には、ずっしりと重い小さい金塊が二つ乗っていた。重さ的に二つで400グラムだろうか?
「10年後では1グラム6000円程になっておりまして、10年後であれば一つ百万円になります、今ですと(2018年)、5000円弱でしたよね」
「これは何グラムで?」
「一つ約170グラムです」
「へー……凄いや、200万円なんだ」
「お預かりしていただいてもよろしいですか? 万が一に途中で未来に帰ることになった場合は差し上げます」
「……」
 預けるといわれ過去のお金の小さなトラブルが脳裏をよぎった。
 それに万が一のことを考えると怖かった。
「これは、未来のボクの物ですか?」
「はい、半分は、未来の社長ので半分は私のです」
「そうですか、でも万が一に盗難があったら嫌なので安全な場所にしまっていてもらえますか?」
「あっ、はい」
 ボクの返事で、ソノダさんがしまおうとする。
「あっ、ちょっと待って」
 そういうとソノダさんの手が途中で止まった。
 僕は見様見真似で、最初の状態の様に包んだ。そして、手を重ねギュっと金の重さと硬さをフェルト生地越しに感じた。
「はぁーーー……200万円……」
「ははっ、いざ目の前にすると不思議な気持ちになりますよね」
「今の僕の年収より多いわけだもんね……はぁ……」
 にこりと笑うソノダさん、とても良い人そうだった。
「今は100万ちょっとでしたっけ?」
「10万の位を四捨五入するとそうなるね」
「し、失礼しました」
「いやいや……良いよ良いよ、因みに未来の僕の年収ってどれぐらい?」
「100倍以上はあるかなって思いますが、事業拡大とか、人助けとか、結局社長個人の自由に使っているお金は、かなり少ないですね」
「あはは……僕らしいや」
 ふと、何十年も前のことを思い出す、小さなメダルコーナーで、何十枚も稼いだ僕は、周りの人に5枚ずつぐらい配って、数分後にはメダルは底をついていた。
「犬猫の管理費や維持費でも相当お金が消えますからね……」
「あー……そういうこともしてるんだ自分」
「他にもやりたいことは結構やってますね、例えば同人ゲーム作ったりとか」
「え? というとじゃぁ、未来では、〇〇のゲーム作った?」
「あ、はい、恐縮ながら、本当感動しました、シナリオの殆どを社長が頑張られていたとのことでそれを知り更に感動いたしました」
「あー……良いな、くぅー……やりたいし、作りたいもんだなぁ……」
 5年ほど前になる。とある作品のキャラクターとの恋愛関係や友情を築く様なゲームを企画していたのだが
 様々な小さいトラブルが生じ、企画が凍結してしまったのだ。
 とはいえ、今でもいつか形にしたいと思っている。
 そのためには、シナリオを書き上げることと、クラウドファンディング、または、SNSで絵を描いてくれる人やプログラムを作ってくれる人をお金でお願いするかか出会うかだ。
「差し支えないアドバイスができるか分かりませんが、応援させていただきます!」
「うん、ありがとう」
 この時の僕は、凄く頑張れそうな気持ちでいっぱいだったと思う。
 わざわざ未来から来てくれたこの人の顔に泥を塗るような結果だけは避けたいと強く思った。
「社長、恐縮ですが、一個目の課題です」
「あっ、うん。何かな?」
「社長が今、最優先でやりたいことって何ですか?」
「え? うーん……今は、動画制作も実らないから、やっぱり自分が一番時間をかけた執筆で息抜きしつつ仕上げることかな?」
「流石社長……あーでも、この時期って迷走していることに気づいた時期でしたっけ?」
「『でしたっけ?』と言われても……でもまぁ……多分当たってるかな」
「未来の社長曰く、根拠も何もないのに凄く焦っていて、着ぐるみや動画を両立したかったり、目に見える再生数でどれだけ必要とされているかを感じていたかったから執筆がおろそかになったとか?」
 そう言われるとそんな気がしてきた。
「因みに次の課題って分かるの?」
 少なくとも少しずつ頑張っていることで課題はこなせていると自分の中では思った。
「あっ、はい、未来の社長曰く、時期が来れば自然と無理なく達成できる、と言っておりましたが、念のためということで」
「ということで……?」
 いよいよ本格的な助言が始まるのだろうか? ごくりと生唾を飲んだ。
「1、早寝早起き、2、時間を資産だと真の意味で理解して時間の浪費を無くす、3、後悔していることをやめる。とりあえずこの3つでしょうか?片付き次第1つずつ追加の課題を出していきますね」
 な、なるほど……。
「あ、あと、追加で一つ、毎日ちょっとずつで良いから目標に近づいて下さい」
「目標?」
「えーと、さっきの社長のお返事の内容ですと、『1文でいいから毎日必ず執筆してゴールに近づいて下さい』ということですね」
「な、なるほど……」
「継続は力なり…って言いますかね」
 そうして、長い解説が始まろうとしていた、言わんとせんことは既にある程度理解しているつもりだったが、解説をしようとするソノダさんが未来の自分の姿にも思えてつい見入っていた。
「呼吸レベルで出来るぐらいにならなきゃいけないってことです、未来の社長曰く、数日連続でそれなりの文章を書けた時がありましたよね?」
「あー……『小説家になろう』のサイトでの連載のことかな? 確かに、あの頃は調子よかったし、続きを想像しながらする仕事(接客のアルバイト)も楽しかったと思う」
「確か社長は、数日間が開くと書きにくくなったりエンジンがかかりづらくなったりする体質なんですよね?」
「嗚呼……そういえばそうだね、書き始めた小説が目標地点に届く前に、リアルでトラブルがあり間が開いて、結局続き書けなかったってことが何度も……」
「えーと……要は、歯磨きしたりお風呂するみたいに習慣としてとりいれましょうってことで、一緒に頑張りましょう!」
「そ、そうだね、習慣は大事だもんね。頑張ろうね」
 半分は理解していることを言われたが、やはり人に言われると心に染みる。頑張らなきゃ!と強く思える。
 長生きする未来に変えることが出来るだろうか?
 そんなことを思い出すととあるゲームの名台詞が浮かんだ。
『死ってのは神から許されたら勝手に来るもんだ』てきな内容だった。そいつのやるべきことがまだあるなら戦場で死なないとそういう比喩があった。
 未来の僕は、定めを全うしたのだろうか?そして思うのは、十数年後に僕は本当に死ぬのだろうか?
 そう考えたときに、惰性でやっているスマホゲームのデータは何になるのだろう。
 否、何になることもない、そして、寿命を待たずにサービス終了だってあり得るわけだ。
 今は急で酷だがいつか向き合ってさよならできる日が来るだろうか?


ソノダの日記1日目 

(プロローグ部分の)
どうも、こんにちは、ソノダです、園田って漢字よりもカタカナの方がなんかカッコいいよね?
というのは置いといて、社長に本当のことを話せない自分がいます。
でもそれって先に考える課題とリンクしているから、逆に良いことなのかなとも思っている。
ただ、自信はない、それを知った社長が投げ出さないか心配だけど、きっと大丈夫だと思いたい。


会話のマル秘テクニック

 〇〇〇〇を含める。


あとがき

長くなってしまったのでこの辺で、次回は、社長の第2秘書のの園田君がスカウトされる所の話になります。 続きが気になった方は、フォローかスキお願いします。


1話もぜひ楽しんで下さいね。

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