観念を変える
私たちは「私はこういうものだ」という観念を持っています。私は運動が得意だ、私は本が好きだ、私はバカだ、と言った具合です。しかし、それらは不変の私自身を表しているのでしょうか。
「私はこういうものだ」という観念は全て過去の人生経験によって形成されています。「私は頭が悪い」という観念を持つ方は、過去に他者と比較した体験、テストなどで失敗した経験、他人からバカと言われた経験を経て、頭が悪いと思うようになったのです。しかし、その観念は普遍なものではありません。
例えば、先ほどの方が転校などで環境が変わり、なんか周りより出来がいいぞ、テストの点が簡単に取れるし、先生から褒められた、なんて経験を積んだとします。すると今度は「私は頭がいい」という観念に変わるでしょう。
このように、私たちの観念というものは可変なものなのです。もし、自分自身のイメージが悪くて苦しんでいる方が、自分はこんな人間だという観念を変えたらどうでしょう。見える風景が変わってくるのではないでしょうか。
自分を変えるなんて難しいし…
歳をとってるからもう無理だ…
などと感じるのも無理からぬ事です。ネガティブな思考がなくなることもおそらくないでしょう。しかし、考え方を変える事で観念は変わるものだと知っていることは力になります。
ではどのようにしてその観念を変えていくのでしょうか。方法のひとつが「自分の中にあるマイナスの想念をよくみる」という事です。評価せず、ただ感じたままに捉えるのがポイントです。
眠いと感じてるね
責められたと感じているね
あの人は苦手と感じているね
怒っているね
イライラしてるね
と言った具合です。自分の頭の中で何が起こっているのかに気付くと共に、これらの想念は案外とすぐに消えていく事が多いのに気がつくでしょう。