季節を楽しもう 彼岸
令和五年九月
もう直ぐお彼岸ですね。秋分の日を中日とし前後3日を合わせた7日間を秋のお彼岸と呼んでおり、2023年は9/20〜9/26になります。お彼岸は、悟りの世界(パーラム)に渡る(イター)ための修行をする期間です。サンスクリット語でパーラミター(波羅蜜多)、これを漢訳した到彼岸を略して、日本ではお彼岸と呼ばれるようになり、お彼岸は春と秋の年2回あります。
お彼岸の頃に咲く花に彼岸花があります。土手や畦道、お墓などで、花火のような赤い花を咲かせているのを目にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような場所でよく見かけるのは、彼岸花の球根には毒があるため、土葬した死者を獣に暴かれないようにお墓の周りに植えたり、モグラを寄せ付けず強度が保たれるので土手に植えたりした名残りとも言われています。また、毒を持つ球根ですが澱粉も多く含んでおり、水に晒して毒抜きをし飢饉の時の食料(救荒食)にもなったそうです。彼岸花を守るために「持って帰ると家が火事になる」「毒があるから触れてはならぬ」などと子供に言い聞かせていた為か怖い印象が定着していますが、身近な人を守りたいという愛の迸りを感じて「ありがとう」と手を合わせたくなりました。