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健康の結論を読んで4 自殺は、防げる可能性がまだある死。自殺大国日本

日本には、「知っていれば防げる死」があまりに多い。
「自殺」もその一つだ。

自殺予防の専門家である精神科医の松本先生によれば自殺者の「死にたい」という気持ちは裏を返せば「これほど辛くなければ生きていたい」という叫びだ、という。

本当は「この辛さがなければ生きていたい」のに、仕方なく死を選んでしまったかもしれない人が、日本には年間2万数千人もいる。およそ5人に1人が身近な人を自殺で失う経験をしているいう調査まである(日本財団調べ)

そして自殺を考えている人の多くは、何かしらのサインを発しているという。ある調査では自殺を試みた人の約90%が、自殺直前にうつ病などの精神疾患にかかっている状態にあるといわれている。

自殺は適切な時期に介入ができれば、防げる可能性がまだある死だ。

さらに日本は、15~34歳の自殺率は事故による死亡率の2,6倍にもなるという。先進7か国で自殺が事故死を上回るのは日本だけである。

自殺の原因として主に
生活面での問題
(虐待、いじめ、暴力被害、身近な人の死)
メンタルヘルスでの問題
(うつ病、アルコール依存、治療が難しい病など)
社会、経済的な問題
(返済しきれない借金、仕事上の悩み、失業)

およそ4人に1人は自殺を考えたことがあるとしても、その大半は生涯自殺することはない。では自殺に至る人は何が違うのか。


「自殺の対人関係理論」というものがある。

次の3つが揃ったとき、人は死のハードルを越えやすくなってしまうというものだ。

①所属感の減弱
居場所がない。自分はだれにも必要とされずに孤独であるという孤立感。つながりの欠如。自分が死んでも誰も困らないという感覚。

②負担感の知覚
自分は迷惑をかけてばかりだ。自分がいない方が周りの人間が幸せになれる。自分の存在自体が周りの人の迷惑になっている。

③自殺潜在能力
体の痛みなんて平気だ。怖くない。暴力、自傷行為、アルコールや薬物への依存で自分の身体を破壊する行為に慣れていると自殺行動への心理的な抵抗が弱くなりがち。

「ちょっとこの状況がつらいな」、と感じた時や「この人大丈夫だろうか?」と感じたときはこの3つのポイントを思い起こしてほしい。そして3つが揃っている時は、どれか一つでも取り除くように意識してほしい。

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