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お金の話 12 今後貧乏人が増えるから、ベーシックインカムが実現する

資産ができると、その資産がお金を生みます。
何年か前に、フランスの経済学者トマピケティが「21世紀の資本」という本を書いて世界中でベストセラーになりました。

国には経済成長率というものがあります。その国で生活する普通の人は、国が成長するに従ってだんだん豊かになっていきます。
例えば100年前に比べて日本人は豊かになっています。テレビもエアコンも車も今はありますから。
ただこの20年はほとんど豊かにいません。

ピケティが言っていたのは、そうやって国がちょっとずつ成長するより速度よりも、お金持ちがガンガンお金持ちになる速度の方が速い、ということです。

貧乏な人が働いてちょっとずつ豊かになっていくスピードより、お金持ちのお金が増えていくスピードの方が速いので、どうあがいても勝てませんよ、という事を証明したのです。
仮説ではみんな何となく分かってはいたんです。「お金持ちの方が得しているよね」って。でもそれをはっきりと証明してしまったのがピケティです。

お金持ちはどんどんお金持ちになる

アメリカにはロビイストという職業があって、要はある組織を儲けさせる為に「こういう法案を通したらあなたは得をしますよ」といって政治家を説得する仕事です。

例えば自分がIT業界で働いているとします。
「出会い系サイト、超儲かるじゃん」って思った時、でもそこには「出会い系規制法」みたいなものがあったとします。
「もしその出会い系規制法がなくなったら、年間100億円くらい儲かるな」ってわかったら、ロビイストに50億円払うんです。そうすると、ロビイストが政治家一人一人を説得して、出会い系規制法をなくしてくれる。

すると自分は年間100億円の利益を得ることになる。
そういう仕組みがアメリカにはあるので、お金持ちはどんどんお金持ちになるんですね。


しかし、お金持ちになる人の数はこれからどんどん減っていきます。

これまでの社会であれば、会社が儲かった場合、そこには営業の人がいて、経理の人がいて、管理職の人がいて、という感じで抱えている人間がたくさんいるわけです。そういう人たちの給料が普通に増えて、ボーナスが増えていく。
でも今のITの会社であれば、必ずしもそうとは限らない。

例えば自分がすごく儲かる事業を始めたとします。
経理は経理代行会社に、営業も営業代行会社に、という感じで儲けたお金は散っていかない。他の人たちは通常業務をこなしているだけなので、特に給料は増えない。自分1人が儲かっているだけです。

これからますますその傾向に拍車がかかります。突出したお金持ちが少数生まれ、他の人たちはそんなに儲からない。
そういう構造をインターネットとグローバリズムのせいで作りやすくなってしまった。

というわけで今後お金持ちの人とそれ以外の人の割合はどんどん変わって、貧乏人が大人数の世界になっていきます。
貧乏人が9割になったら貧乏人が得をする政策を言い出した政党が選挙に勝つようになります。

ということで貧乏人が増えれば増えるほど、ベーシックインカムが実現する可能性が高くなると考えています。


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