富山ひとり旅④立山サンダーバードへ。無人駅で謎の画家のおじいちゃんに車で拾われドライブ〜北陸3県2Dayパス〜
日が空いてしまいました、夏の富山旅の記録。
前回はこちら🔻
富山旅2日目、といいつつ、金沢の宿で朝を迎える。富山駅に戻り、朝食は元祖富山ブラック「西町大喜」とやマルシェ店。
しょっぱいの大好きなので嬉々として頼んだんですけど、舐めていました。致死量の塩が入っているに違いないくらい塩。融解度限界まで入ってるだろ! メンマがこれまたしょっぱい。ひとかじりでご飯1杯いけますってくらい、昔の手作り沢庵くらい、しょっぱい。
店員さんに勧められて一度断ったライスを注文する。そうしないとかなり厳しい。でも、まずいわけじゃないんですよ。また行ったら食べるもん。
さて、富山でのもうひとつの目的地は「立山サンダーバード」です。
かなり前から行きたいリストに入っていました。個人経営のコンビニエンスストアで、オリジナリティ溢れすぎの商品が並ぶことで有名。ネットの記事やテレビなどにたびたび取り上げられています。
ここに行くには富山駅に隣接している電鉄富山駅から富山地方鉄道に40〜50分くらい揺られていかないといけません。ちなみに乗り放題の範囲ではない。
電車もシブい。かぼちゃ電車って呼ばれているんだって。中は、昔のふっるい近鉄の車両を思い出す感じ。灰皿探しちゃいそう。
緑と川しかないところを進んでいきます。
いよいよ念願かなって立山サンダーバードに行ける〜と、ワクワクしながらも、前日の飲酒による睡眠不足プラス朝のラーメンが胃に詰まっているわけで、ちょっと眠気が。
ハッと気づいたときには、ちょうど目的地の横江駅。ちょうどすぎて、慌てて網棚から荷物を下ろそうとするも間に合わず、扉は閉まり電車は進み出してしまいました。
うわ〜、まじか。アプリで地図を開いて、次の駅を確認してみると明らかに人の気配がなさそう。どちらにしても次で降りても歩くのは無理そう、というか、それまでに逆向きの電車が来る方が早そうだったので、さらにもうひとつ先の有峰口駅で降りることに。そっちの方が周りに家があったので、何か時間が潰せるところがあるかも、と。
というわけで、予定外の知らない駅で下車。
普通に何もない。
知らない場所に放り出されてしまった感に、もはや笑けてくる。ヘラヘラしながら動画やら写真を撮っていたら……
「あなた、旅行の人?」
と、声をかけられました。
声がした方を見ると、駅舎をスケッチしているカンカン帽を被った60代くらいの男性の姿が。
「ん、はい」とテンションがわからないまま返事をしたら、「この辺は、あちらに堰堤(えんてい)がありますよ。それからね……」と周辺情報を教えてくれます。堰堤という言葉を初めて聞いたので、半分以上理解できないまま聞いていたら「よかったら車で連れてってあげましょうか」と。
普段なら絶対に断るんだけど、もともと様々なことからの逃避旅行である今回。「死んだら死んだときや」という母の言葉が降ってきて、「へぇ、じゃあお願いします」とちょっと複雑な顔のまま返事して、車に乗り込みました。
車に乗るとクラシック音楽がかかっていて、この人がサイコキラーかもしれない可能性が少し上昇しましたが、車は出発。途中、このあたりはどういう町だったかとか、これが小学校で……という話をいろいろしてくれて、ほどなくして無事に「堰堤」に到着。本当にここは見どころらしく、近くに何台か車がとまっていました。
もっと上流に行くと……と、次なるスポットの提案もしていただきましたが、私にはもともとの目的地があるのでお断りして、横江駅を目指していたことを伝えました。
「あそこには面白いコンビニがありますよ」と言われ、あーっ!そこを目指していたんです! と。「じゃあ横江駅まで送りましょう」と言ってくださり、再び車へ。
さすがのソワソワが伝わったのか、車に戻ると名刺をいただきました。この方、駅舎の絵を描いてコンテストに出したり展覧会を開いたりしている画家さんらしい。絵画教室もやっているらしい。コロナ前はヨーロッパに住んでいたらしい。ここまではまだ少し警戒心を持って聞いていたのですが、お家の話を聞いたときに「あっ、お金持ちの人だ」と全てを理解しました。ははー、物腰の柔らかさ、クラシックなBGM、親切さ、すべてお金持ちの画家おじさまだと思ったら安心できます。
(これを読んでいる皆様へ。とはいえ、簡単に人の車に乗ってはいけません。でも今回は本当に親切な方だったので安心して読み進めてください)
まさかの道のりだったな〜と思いながら、立山サンダーバードに到着。
店内はこの地図以外撮影禁止。
おにぎりは噂通り「クマ」「うさぎ」「鹿」「ワニ」「カンガルー」などのラインナップ。このなかでは、おそらく食べたことがないワニとカンガルーで迷い、「にんにく醤油味」と味の説明がわかりやすかったのでカンガルーに決定。
サンドイッチは知名度の高い「月へいこう」。お菓子のアポロが挟まっています。そして「台湾ラーメン風メンチカツ」……え、どういうこと?って感じですけど、せっかくきたなら、やっぱり「はぁ?」という商品を買いたいですよね。ちなみに、白エビカツサンドという美味しそうなものもあったのですが、お財布の関係上カットしました。
おじさまにお茶を買ってきたけど、飲み物を持参されていたので1人で2本飲み。食べ物はあとでいただくとして「まだ時間が大丈夫なら」と、さらにいろいろ連れて行っていただきました!
「横江頭首工」という場所みたいです。さっき調べました。
「雄山神社」。山の入口にでっかい鳥居があるのって興奮しますよね。
てっきり富山地鉄のどこかの駅まで送ってくれるのかと思っていたのですが、なんと富山駅まで送っていただけるみたいです。街に戻ってから、富山駅から少し離れたところにある環水公園周辺にも寄らせていただきました。
近くでどこかの学校のボート部の方々がトレーニングをされていました。
建物の外にあるボートを見て「これ、浮かべて練習することもあるんですかね」と、おじさまに聞いたというか独り言くらいの感じで言ったつもりが、近くにいた部員さんが「そうですね。今日は室内トレーニングですが、出すこともありますよ」と答えてくれました。
ありがとうございます。富山、いい人ばかりだ。
せっかくここまで来たのだからってことで「世界一美しいスタバ」と言われている、スターバックス富山環水公園店にも行ってみることに。行ってみるって言っても、外観を目視するだけですが。
駅まで送っていただいて、ふたたびひとりに。
立山サンダーバードに行くだけのつもりが、富山旅2日目も親切な地元の方のおかげで盛りだくさんの内容に。ありがとうございます!
このあとは、最後にまたお寿司が食べたくなったので、駅にあった「きときと寿司」に行ってみるなど。
そしてダッシュでお土産もチェック。可愛い形のかまぼこがめっちゃ気になった! 結局「雷鳥の里」を買ったけど、これ長野のお土産だったな。前に食べて美味しかったからね。
あと、立山サンダーバードで買ったものたちも食べましたよ。カンガルーおにぎりは想像に近い味付けだったので、店内で見た説明書きの的確さを賞賛しました。個人的には鰹の加工品の味が浮かびました。台湾ラーメン風ミンチカツは、侮れない辛さでした。濃いし、しっかり腹にいる感じがする。サンドイッチは想像通り!
他のメニューも試したくなる美味しさ&楽しさでした。
富山の旅はめちゃくちゃ楽しかったです。
1日目も2日目も偶然の出会いによるところが大きいですが。自由に動きを決められるのは1人旅の良いところですね(いや、誰かいたらもっと気軽に車に乗れていただろうけど)。
そもそも最寄駅から徒歩25分の水族館や、山に向かって走る鉄道で山に向かわずにコンビニを目指すとか、そんなの初回から人を誘って行けないじゃないですか。でも、富山は本当に楽しかったので、自信を持って友達におすすめできます! 次は誰かを連れて行きたい! 教えたい! 富山の良さ!
ぜひともみなさんも富山に遊びに行ってみてください〜。まだまだたくさんの見どころがありますので。
そういえば帰った直後から最近まで、富山のガラスのお寿司制作体験がずっとバズってる! 行きたい〜!
北陸3県2Dayパスがあるときがチャンス! 最初にも書いたけど、特典いっぱいあるし、なんだったら特典一覧を見れば、富山で行くべきスポットがわかるんじゃないか!?
本当に、富山から帰ってきてからずっと富山に行きたいって思っています。
そのくらい楽しかったよ〜!