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少年達の秘密基地(童心・短編小説)

少年達の秘密基地(童心・短編小説)

『秘密基地に集合だ!』

学校帰り、校門でみんなに確認すると、僕は全速力で家まで走った。

ランドセルを勉強机に置くと踵をかえして基地に向かう。

僕達の秘密基地は学区西側の崖の中腹にあった。

セメントで覆われた崖の中腹には2mほどの平坦な部分があり、そこに拾ってきた丸太や竹、ボロ切れやビニール袋で基地建物が作られていた。

秘密メンバーは全部で5人。

僕達は崖下に着くと道路から柵を乗り越え、

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星に降る雪(詩的・短編小説)

星に降る雪(詩的・短編小説)

その星には水素の雪が降る。

空に見える赤い星から、、

真っ暗な宇宙の闇を乗り越えて、

星の表面には水素が積もる。

何年も 何十年も 何百年も 何千年も、

来る日も 来る日も 来る日も 来る日も、

1m 10m 100m 1000m 10000m〜

厚く 厚く 雪は積もる。

水素は水素に押し潰される。

ギュッと ギュッ〜と ギュッ〜〜と ギュッギュッギュッ〜と。

ある日潰れた水素

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虫の知らせ(未来・短編小説)

虫の知らせ(未来・短編小説)

9020年、知能を発達させたネズミ達は《電磁ビームロケット》をとうとう完成させた。

電磁ビームにより空気を一気に膨張させて推進するロケットだ。

これで【宇宙旅行】が格安にお手軽に楽しむことが出来る。

それは一気に大ブームとなり、落ちぶれた人間を尻目にネズミ達は我も我もと宇宙旅行を始めた。

宇宙ステーションや月面観光基地も整備されて、ネズミ算式に宇宙インフラを充実させていった。

停滞してい

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